タムラ製作所
【東証プライム:6768】「電気機器」
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企業概要
当社グループは、「オンリーワン・カンパニーの実現」をスローガンに、タムラならではの「オンリーワン技術」で市場ニーズに応える製品づくりを進めています。
当連結会計年度は、各事業において中期経営計画で掲げる「パワーエレクトロニクス」・「モビリティ」・「IoT」という3つの成長市場に向けた製品開発を進めると共に、既存の事業部門の枠を越えた全社未来開発を推進しました。当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) |
電子部品関連事業 | 35 |
電子化学実装関連事業 | 325 |
情報機器関連事業 | 118 |
報告セグメント計 | 479 |
全社(共通) (注) | 433 |
合計 | 913 |
(注) 「全社(共通)」の区分は、各セグメントに配分できない未来開発研究費用です。
① 電子部品関連事業
パワーエレクトロニクスとモビリティ関連において、市場拡大が期待される製品の開発を強化しました。
・大電力パワースイッチング半導体の駆動に使用するゲートドライバモジュールの開発を進めています。IGBT、SiC-MOSFETのどちらにも対応可能で、機器の設計が大幅に簡素化されます。次世代パワー半導体での使用を想定した、高耐圧・高周波対応モデルの開発を進めています。
・電流センサは、省エネ・創エネ・蓄エネなどの場面で使用されることを想定して開発を進めています。電流レンジ・精度レンジなどのラインナップを充実させました。
・EV急速充電器や燃料電池などに向け、小型高密度化を実現し、輻射ノイズ(近傍磁界)を50%削減したスイッチングトランス(Heat dissipation ferrite switching transformer。以下、「HDF SWトランス」)を開発しました。HDF SWトランスは、独自のコア形状の採用により近傍磁界を50%低減しました。放熱性に優れた構造で、小型高密度化を実現しています。また1次/2次巻線間の磁気結合面積を小さくする分割巻き構造を採用しており、回路上最適な10%~20%程度のリーケージインダクタンスを容易に確保できます。これにより回路上の共振コイルが不要となり、コストの削減、取り付け床面積の縮小による機器の小型化につながります。
研究開発費用は、3千5百万円です。
② 電子化学実装関連事業
パワーエレクトロニクス・モビリティ・IoTの各領域に対して、電子化学材料から実装装置までの幅広い分野で、技術開発・製品開発を推進しました。
・ロジック半導体の性能向上の要求により、従来工法よりも優位な新しいはんだ付け工法、および接合材の研究開発を推進しています。
・パワー半導体チップ接合や基板下接合用に、新たな高耐熱接合材の開発を進めています。SiC、GaN、酸化ガリウムなど、高性能化が期待される次世代パワー半導体での適用を目指しています。
・車載機器用の高耐熱高信頼ソルダーレジストの開発を進めています。
・高密度化・高機能化・薄型化するフレキシブル基板向けに、カバーレイとソルダーレジスト機能を併せ持つ、感光性カバーレイ(PICC)を開発しました。高まる効率化要求に対応し、伝送損失をさらに低減する製品の開発を進めています。
・リフロー装置は、更なる省エネ化、高速段取り替えや予防予知機能などに関して開発を進めています。
研究開発費用は、3億2千5百万円です。
③ 情報機器関連事業
ネットワーク化や多様化する情報サービスのニーズに対応した製品開発を推進しました。
・ラジオ局での生放送等の音声制作に適したコンパクトな音声調整卓(ミキサー)を開発しました。コンパクトミキサー「エフ100」は、放送局向けミキサーで培った信頼性を継承しつつ、ラジオ番組制作現場の声をもとに機能を厳選しました。音声処理を行うエフコア、フェーダーユニット、パネルPCを分離してフリーレイアウト を実現し、フェーダーは最少6フェーダーから最多24フェーダーまでオプションで変更できます。操作性を考慮したシン プルなデザインで、パネルPCにはタッチスクリーンを採用しました。オプションで電源の二重化に対応しており、生放送の信頼性を高めます。
研究開発費用は、1億1千8百万円です。
④ 未来開発関連事業
当社創業100周年の次を支える新製品新市場の創出に向けて。事業部横断による研究開発を進めています。
・カーボンニュートラル社会の実現に向け、ワイドバンドギャップパワー半導体が期待されていますが、その性能を十分に発揮するためには、トランス・リアクタなどの磁性部品や、パワーエレクトロニクス回路の技術進化が必要不可欠です。特に、当社が保有する素材技術に着目し、独自のコア技術の強みを生かすことで、高周波化や大電流化が進む将来のエレクトロニクス市場において期待される新製品の開発を産学共同で進めています。
・高効率・高電力・高周波駆動の受動デバイスおよびその関連素材の研究開発推進を目的に、国立大学法人東北大学産学連携先端材料研究開発センターに研究室「株式会社タムラ製作所 仙台アドバンスドラボ」を開設しました。2030年頃の次世代磁性受動部品およびその関連製品の事業化を目指し、研究開発を強化・推進します。
研究開発費用は、4億3千3百万円です。
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