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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、自らが担う社会的責任について常に念頭に置き、中長期的な企業価値向上に努めております。

 新型コロナウイルス感染拡大により変化した消費活動における価値観に対応するため、2022年よりコーポレートビジョンを「全ての魅力にスポットライトが当たる社会へ」に変更し、あらゆる企業や商品、個人が持つ魅力や価値を、事業を営む地域・規模に関係なく世の中に広く伝えることを当社の使命とする方針としております。

 また、経営方針である「付加価値の追求による企業価値の向上」に従い、複数の事業ポートフォリオを保有する事業構成から収益率の高い事業に経営資源を集中させる大幅な事業再編を実施し、当連結会計年度においてほぼ完了いたしました。一方で、同時に進めておりました残存するコア事業においては業績の下げ止まりと成長が確認されており、今後の成長基盤が整いつつあると認識しております。

 今後は、マーケティングによる新規顧客獲得、顧客価値を最優先したプロダクト開発・提供及びエンジニアリングによる顧客満足度の向上を加速させ、継続顧客数及び顧客単価を重視する高付加価値経営に加え、新たな事業への中期的な投資育成による企業価値の向上に努めます。

(2) 中期的な経営戦略等

 当社は、中期におけるテーマとして「ソーシャル時代のPRリーダーへ」を掲げております。これは従来、技術投資が遅れ気味傾向となるPR業界において、当社はいち早く技術面での優位性を確保して、コア事業のそれぞれの成長を促進させつつ、M&Aを積極的に活用することで売上や規模の面での高成長を実現させ、さらに生成AIを導入することで全社的なオペレーションの生産性と効率性を向上させ、利益率の向上も実現させるというものです。

 具体的には以下の3点の成長戦略を、技術力を向上させることで推進してまいります。

① インフルエンサーPRの仕組化

 デジタルPRサービスのうち、インフルエンサーPRは新規顧客の獲得に加え、サービス品質を実感した既存顧客からの大口取引の発生及び顧客単価の上昇が確認されました。こうした背景から、顧客がより高いパフォーマンスと、更なるニーズを体感できるよう機能追加と品質向上を継続的に行ってまいります。

 さらに、当社が展開するインフルエンサーPR プラットフォーム「Find Model(ファインドモデル)」の姉妹サービスで、各顧客が定額制で利用できるサブスクリプション型のインフルエンサーPR サービスの「Find Model Circle(ファインドモデルサークル)」を提供し、顧客層拡大と月額契約の増加による収益基盤を強化させつつ、リリース配信とのクロスセル増大も図ってまいります。

② 「@Press」メディア化推進

 デジタルPRサービスにおけるリリース配信につきましては、当社の親会社である株式会社ジーニーからの技術提供により、顧客のプレスリリースを掲載するメディアサイト「@Press」が大幅に高速化してSEO効果(インターネットの検索結果の上位に表示される効果)が高まり、顧客満足度が向上したことなどから、売上の減少が低減されました。

 上記より、現在の強みである顧客へのプレスリリースがメディアに取り上げられ、記事化されるサイトであるという強みを維持しつつ、さらなるメディアサイトの品質向上によるPV数増加と月額契約増加による基盤の強化、インフルエンサーPRとの連携と融合をエンジニアリングにより実現してまいります。

③ メディアデータ付加価値創出

 クリッピングとリスクチェックで構成されるメディアリスニングサービスにつきまして、クリッピングは新聞や雑誌といった既存メディアが媒体として衰退する中においても、サービス品質が評価されたことなどで売上の減少が低減され、リスクチェックは、反社チェックサービスの社会的な需要の高まりと提供サービスが評価されたことで大幅な増収となりました。

 こうした背景から、クリッピングはそのサービス対象である従来の紙媒体やWEBニュースに加え、SNSにも拡大させる新機能であるソーシャルリスニング機能を実装させること、またリスクチェックと合わせ、生成AIを活用させることで、オペレーションの効率化及び成果物の品質向上による付加価値の創出を実現してまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営方針「付加価値の追求による企業価値の向上」に合わせ、「営業利益」を重要指標としております。併せて、「顧客数」「顧客単価」を成長戦略の進捗状況を示す指標としてまいります。なお、当社は2025年5月13日付プレスリリース「通期決算説明資料(事業計画及び成長可能性に関する事項)」において、売上高50億円、営業利益8億円、営業利益率16%を中期ターゲットとする計画としております。

(4) 当社グループを取り巻く経営環境

① インフルエンサーPR市場

 2024年11月、株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトはインフルエンサーマーケティング市場調査を発表しております。同調査によると、2024年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は1兆2,038億円(対前年比約112.8%)であり、カテゴリ別内訳は、「ソーシャルメディア広告」が1兆727億円で全体の89.1%、これに「インフルエンサーマーケティング」が860億円で全体の7.1%。また、広告主の「SNSアカウント運用支援」が283億円で全体の2.4%、「分析ツール」が66億円で全体の0.5%、そして「キャンペーンプランニング・コンサルティング」が102億円で全体の0.8%と推測されます。今後もインフルエンサーPRの役割はますます高まることが期待されており、2029年のソーシャルメディアマーケティング市場規模は、2024年比約1.8倍、2兆1,313億円に達すると予測されます。

② 広報・PR市場

 当社が運営するリリース配信及びクリッピングにおける市場規模は発表資料がありませんが、2023年5月公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会発表「PR業に関する実態調査」によるとPR業全体の売上高(2022年度)は推計で約1,479億円となります。そのうちツール分野が3割弱、さらにモニタリング関連が30~40%を占めるとされており、ニュース/SNS クリッピング向けの支出は 100~120億円規模となっております。

③ リスクチェック市場

 リスクチェック市場は過去の動向において、2020年11月にIDC Japan株式会社は国内情報ガバナンス・コンプライアンス市場の調査を実施し、調査結果を発表しております。同調査によると、2019年から2024年の国内情報ガバナンス・コンプライアンス市場の年間平均成長率(CAGR)は2.5%であり、市場規模は2019年の440億円から2024年には498億円に拡大すると予測しています。カテゴリ別内訳は、「ID管理」が2019年の181億円から2024年には194億円に拡大し、CAGRは1.4%。「暗号化・鍵管理」は2019年の139億円から2024年には162億円に拡大し、CAGRは3.1%。「DLP」は2019年の56億円から2024年では58億円とほぼ横ばいで推移し、「eディスカバリーアプリケーションソフトウェア」は2019年の65億円から2024年には85億円に拡大し、CAGRは5.5%と推測されております。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 成長戦略の実効性と中期経営計画の策定

 当社グループは、付加価値の追求による企業価値の向上を経営方針に掲げており、経営方針に準じた成長戦略として、プロダクト価値の向上に向けた積極的な投資をしております。成長戦略の実効性効果として、継続顧客数(リピート客)及び顧客あたり取引額の増加を見込んでおります。また、当社の親会社である株式会社ジーニーと、資本業務提携契約後より資本業務提携効果による利益体質への改善が進捗し、期初計画における連結営業利益に対し36%の増益となりました。

 中期ターゲットとしましては、①成長事業への積極的投資、②既存事業の深化による収益力向上、③M&Aを含めた様々な角度を検討したうえでの成長戦略を推進し、当社グループ一丸の新たな方針に向かうための施策を推進致します。

② 法規制等の変動に対する体制整備

 当社の事業は、景品表示法等を含む広告関連法令、インターネット広告業界の自主規制、各種SNSプラットフォーム規約等の制約がございますが、改正内容の検討、主要な改正点の整理、社内外への勉強会等を実施し、法改正等の事象にあたり機動的に厳格な社内ルールの周知・徹底を行っております。また、法改正等の変更に伴い対応が必要である際は、外部専門家と連携を行い、情報の収集、分析、管理を行っております。

 今後、事業拡大による広告案件の増加や、新たなマーケティング領域の開発、最新テクノロジーを活用したサービス提供の際においても、社内ルールの周知・徹底、外部専門家との連携等により、有効性を検証してまいります。

③ マネジメント人材の育成とエンゲージメント向上

 当社グループは、「ポジション(ポスト)が人を育てる」という育成方針のもと、従業員の積極的な管理職の登用を行い、ポジション(ポスト)提供と権限委譲による事業運営を行っております。競合や顧客等の市場分析からサービス企画・開発、マーケティング企画、オペレーション管理、計数管理、人的管理まで幅広い知識と経験を要し、事業部を牽引するマネジメント人材の育成と確保は当社の成長には欠かせません。成長組織のマネジメント実績を有する人材の調達においては株式会社ジーニーとの人材交流をはじめ、マネジメント層の指導力・管理能力の向上、社内教育制度の充実を図るとともに、社内コミュニケーション活性化の施策を通じたエンゲージメント向上に努めていく方針であります。

④ 情報管理体制の強化及びサイバー攻撃への対処

 当社グループにおける事業運営上、顧客の公開前情報や個人情報を含む機密情報を保有することがあります。そのような中、今般のリモートワーク導入の加速化や個人情報保護法の改正等の外部要因もあり、ますます機密情報の保護に関しては重要課題であると認識しております。また、昨今はマルウェア等のサイバー攻撃も多発していることから、情報管理面やセキュリティ対策において、その保護方針及び社内規程に基づく管理を徹底するとともに、社内教育・研修の実施、業務フローの精度向上、持続的なシステムの整備やサイバーセキュリティ対策等を行ってまいります。

⑤ テクノロジーを活用したサービス価値創出

 当社グループが今後も各市場において競争優位性を発揮し続けるためには、AIをはじめとした最新テクノロジーを活用した生産性の向上及びサービス付加価値の創造を推進することが必要です。そのために、エンジニアの採用強化等、社内の新規事業の組織体制の強化を進め、テクノロジーを活用したサービス企画と運用、検証のPDCAサイクルを回し、テクノロジーの自社活用における有効性を検証してまいります。

⑥ AIの技術革新に伴うサービス影響

 各サービスにおいてはインターネットを活用した各サービスを展開しており、AI技術の発展により提供される技術革新への対応が遅れた場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのようなAI技術の発展への対応を図るため、新技術の開発やAI技術の発展に基づく新サービスの導入において、自社グループ内にシステム開発部門を設けており、顧客の用途やニーズに合ったシステムへフレキシブルに対応し、日々新たなビジネスモデル開発を進めることで対応してまいります。

⑦ 内部管理体制の強化

 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。業務拡大に合わせ、関連する法規制や社会的要請等にも適切な対応をすべく、引き続き内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。

⑧ M&A及び新規事業による成長性

 当社グループでは、創業より多くのM&Aを行っており、今後も積極的にM&Aを活用する方針であります。また、既存事業の周辺市場の開拓に向けた新規事業も展開する可能性がございます。M&Aや新規事業を行うにあたり、投資効果及び事業規模、事業の成長性、相乗効果、並びに次世代に求められる事業ニーズや先進性等を十分に検討したうえで、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aや新規事業を積極的に実行し、競争力の強化を図ってまいります。

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