スペースシャワーSKIYAKIホールディングス
【東証スタンダード:4838】「情報・通信業」
へ投稿
企業概要
(1)経営の基本方針・中長期的な経営戦略
当社グループは、以下のミッションを掲げております。
<当社グループのミッション> EMPOWER ARTISTS & CREATORS, ENRICH FAN EXPERIENCE
我々が住むこの社会を持続可能なものにするために、文化や価値観の多様性を育むことが求められています。 音楽をはじめとしたエンタテインメント業界で活動する当社グループは、さまざまなバックグラウンドを持つアーティストやクリエイターたちと共に、豊穣な文脈をもった良質なコンテンツを提供し、ユーザーの心に感動を生み出すことで、人々の内面世界に彩りを与え、文化・芸術、そして社会の多様性の実現に貢献してまいります。 また、個人へのパワーシフトが進む社会の変化に対応して、幅広いジャンルで活躍するアーティストやクリエイターたちが、豊かにそして長くその活動を続けられるように、利便性の高いソリューションを360°で提供し、表現活動をする人たちの裾野を広げ、その価値を高めていくことが我々の社会的使命だと考えています。 |
当社グループでは、急激に変化する昨今のビジネス環境下において、当社グループの持続的成長と企業価値向上を実現すべく、2024年11月13日、中期経営計画「Ignite 2027」(2025年度から2027年度を対象とする3ヶ年計画)を策定、公表し、以下の基本方針を掲げております。
<定量目標> 2027年度までに以下の定量目標を実現する ・連結売上高 240億円 ・連結営業利益 16億円(営業利益率 7%) ・連結EBITDA 22億円 ・ROE 10%超 ・営業キャッシュフロー(3年間の累計) 44億円 <定性目標> ・「コンテンツ」セグメントの成長により「ソリューション」セグメントの収益が増加し、「ソリューション」セグメントの成長により「コンテンツ」の獲得機会が増加するという相乗効果を生み出していくとともに、両セグメントのシナジーにより生まれる新たなIPやサービス開発を推進します。また、両セグメントを拡充するための積極的な成長投資を実行していくことで、営業キャッシュフローの獲得拡大を目指すとともに、株主還元の強化に努めていきます |
AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化によって、エンタテインメント業界では、ビジネスのあり方が今後加速度的に変化していくことが予想され、これまで以上に、テクノロジーとの真摯な向き合いが必要不可欠なものとなってきています。
当社グループは、このような激変する業界環境において、SKIYAKIとの経営統合により実現された、「コンテンツ」と「テクノロジー」を有する数少ない企業体を形成することで、新しいビジネスの地平を切り拓き、エンタテインメント業界の変化を先取りする企業体を目指し、アーティスト・クリエイターへのソリューション提供、ユーザー・ファンへのコンテンツ・感動提供の実現を通じて、当社グループミッションの実現を図るとともに、中期経営計画の達成に努めてまいります。
なお、当連結会計年度より、株式会社SKIYAKIとの経営統合を機に事業ポートフォリオの再構築を行い、報告セグメントを従来の「メディア」、「ライブ・コンテンツ」及び「ソリューション」の3区分から「コンテンツ」及び「ソリューション」の2区分に変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(2)優先的に対処すべき課題
当社グループの属する音楽エンタテインメント業界においては、世界的に音楽ストリーミング市場が成熟期に入りつつあり、2024年のグローバル音楽市場は前年比4.8%の成長と、前年の10.2%増から成長率が鈍化いたしました(出所:国際レコード産業連盟、International Federation of the Phonographic Industry)。日本国内においても、ストリーミングを中心とする音楽配信売上が伸び悩み、音楽ソフトパッケージの減少とあいまって、音楽流通市場の成長ペースに陰りが見られます(出所:一般社団法人日本レコード協会)。一方で、ライブ・イベント市場やファン参加型エンタテインメントは、コロナ禍からの回復フェーズを超え、次なる成長局面へと移行しつつあり(出所:ぴあ総研『2024ライブ・エンタテインメント白書』)、さらに、インディペンデント(DIY)アーティストによる活動の拡大、生成AIを含む先端技術の進展など、業界構造に大きな変化が生じております。
このような環境下、当社グループは、2024年4月の株式会社SKIYAKIとの経営統合により、「コンテンツ」と「テクノロジー」の融合を実現し、独自のバリューチェーンを強化するとともに、急速に変化するエンタテインメント業界に対応する体制整備を進めております。当社グループが中長期的に企業価値を高めるために、以下の課題に取り組むことが必要であると認識しております。
① 市場環境の変化への対応
音楽ストリーミング市場は、グローバルにおいても成長鈍化が顕著となっており、日本国内においては成長率が前年を下回る水準となっております。また、AI技術の進展やSNS、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の影響により、音楽や映像の消費スタイルは変化しており、ユーザーの発見・選好行動は従来型メディアから離れつつあります。
これらの変化に対応するため、当社グループはグローバル配信におけるパートナー連携の強化、FUGA社との戦略的連携の深化、デジタルマーケティング体制の強化、株式会社SKIYAKIが有する技術基盤の活用を通じて、収益構造の変革と新たな付加価値創出を目指してまいります。
② 多様化する消費者ニーズへの対応
Z世代以降の消費者を中心に、音楽の嗜好や消費行動の多様化が進んでおり、HIPHOP、ゲーム音楽、VTuberなどのジャンルや、リアルとデジタルを融合した新たな体験価値への需要が高まっております。
当社グループでは、J-ポップやJ-ロックに加え、これら多様なジャンルに対応するコンテンツ制作・イベント企画に取り組むとともに、視聴者の高齢化が進む放送プラットフォームにおいても、コンテンツの最適化を進め、幅広い層のユーザー獲得に注力してまいります。
③ ヒット作品創出に向けた取り組み
当社グループの音楽ソフト関連事業は、原盤制作からマーケティング・プロモーション、流通、配信、著作権管理に至るまで一貫した機能を有しており、有望なアーティストの発掘・育成に加え、ソーシャルメディアや配信プラットフォームを活用したデジタル時代のヒット創出に向けたマーケティング施策を強化してまいります。
④ 独立系・DIYアーティストサポートの拡充
ストリーミング配信やSNSを活用して自己完結的に活動するDIYアーティストが増加しており、これらのアーティストを支援するための環境整備が求められております。
当社グループでは、SKIYAKIプラットフォームの強化を通じて、アーティストとファンの直接的な関係構築を支援するほか、コンテンツ制作支援、ライブ・EC連携など、独立系アーティストの成長支援に取り組むことで、新しい音楽エコシステムにおける中核的な存在を目指してまいります。
⑤ 新規事業領域への展開拡大
生成AI、XRなど新技術の浸透により、コンテンツ制作・流通・体験の形が多様化しており、当社グループとしては、これら新技術と当社独自のコンテンツ・アーティスト資産を融合し、新たな収益源の開拓を図ることが喫緊の課題であります。M&Aや業務提携を通じた新規領域への投資により、ポップカルチャー領域を中心に国内外の事業拡大を進めてまいります。
⑥ ファンエンゲージメントの強化
アーティストとファンの関係性の在り方が変化する中、ファンエンゲージメントの質的向上が重要な経営課題となっております。
当社グループでは、株式会社SKIYAKIが有するファンクラブ・EC・イベント機能を連携させ、オンライン・オフラインを問わず継続的なファン接点を創出することで、ファンロイヤルティの向上およびLTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。また、デジタルを活用した個別最適化された体験設計や、アーティストとのインタラクティブな交流機会の創出にも注力し、持続可能な関係性の構築に努めてまいります。
⑦ コーポレート・ガバナンスの推進
急速に変化する業界環境に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を実現するためには、的確な意思決定と健全な監督体制の構築が重要であります。
当社グループでは、内部統制、リスク管理、コンプライアンスを徹底するとともに、独立社外取締役の活用や、改訂コーポレート・ガバナンス・コードへの対応など、実効性あるガバナンス体制の整備に努めてまいります。
⑧ 人材育成の強化
DX・グローバル化・IP開発など多様な領域で競争力を高めるためには、専門性と柔軟性を兼ね備えた人材の確保・育成が不可欠です。
当社グループでは、教育研修、組織開発、ジョブローテーション等を通じて、変化対応力のある人材基盤の強化を図り、エンタテインメント業界の次代を担う人材の育成に注力してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング