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【東証プライム:4109】「化学」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、それぞれの事業において、「迅速果断」な意思決定のもと、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。これを実現するために、事業活動を通じて適正な利益を確保し、変化を恐れず常に前向きに挑戦し続ける経営の実践に努め、ステークホルダーの期待に応えるべく「健全で信頼される企業」として社会に貢献してまいります。
(2) 中期経営計画
① 第3次中期経営計画 総括
当社グループは、第3次中期経営計画(2023年3月期から2025年3月期)において、「新たな取り組みを試行しながら事業の持続的な成長を図る」、「独自技術を活かした新製品の開発を進める」、「上場会社としての社会的要請に応える」という3つの基本課題に基づいて、各分野における施策を推進してまいりました。
数値目標およびその結果につきましては、下表のとおりとなりました。
| 目標(2025年3月期) | 実績(2025年3月期) |
売上高 | 355億円 | 362億円 |
営業利益 | 42億円 | 43億円 |
ROIC | 6.2% | 6.0% |
(注) 目標(2025年3月期)については、2024年12月26日付で修正した数値となります。
② 第4次中期経営計画 策定
当社は、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とした第4次中期経営計画を策定いたしました。
数値目標や取り組み等につきましては、下表のとおりです。
| 実績(2025年3月期) | 目標(2028年3月期) |
売上高 | 362億円 | 420億円 |
営業利益 | 43億円 | 55億円 |
ROE | 6.5% | 8.0%以上 |
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、これまで売上高・営業利益・ROICを指標としておりましたが、第4次中期経営計画策定に伴い、売上高・営業利益およびROEを経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。
(4) 経営環境および対処すべき課題
当連結会計年度におきましては、国内経済においては雇用・所得環境が改善する中で景気は緩やかながらも回復傾向にあり、今後もその動きが継続することが期待されています。その一方でウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスクの高まりや、米国の政権交代による政策変更、長期化する原材料価格の高騰、中国を中心とした海外の景気減速の可能性等の影響により、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続くと予想されております。
このような経営環境において、当社グループでは以下に掲げる課題・施策に取り組み、当社グループの持続的成長や企業価値向上を目指してまいります。
① 事業の持続的成長
高純度薬品事業の主力製品である半導体用高純度薬液は、高い品質と安定供給体制を強みとして競争力を築いてまいりました。この競争力を維持すべく、国内外の半導体メーカーにおいて投資計画が打ち出されている中、機を逃さず顧客のニーズに応じてさらなる販売拡大を実現してまいります。これに伴い、特定の国・地域や取引先に依存しない販売の多角化を図り、並行して需要量増加に伴う新たな生産拠点の検討も進めてまいります。また、研究開発部門においては、人的リソース・ファシリティの強化により、高機能な薬液の開発を推し進め、競合他社との差別化を図り、競争力を高めてまいります。
この他の注力領域として、需要の拡大が期待される通信関連用途のフッ化物など、成長分野に関わる製品の用途・販売拡大を目指してまいります。堅実に需要を拡大してきた原子力関連施設で用いられる濃縮ホウ酸においては、足元では中国への販売が中心となっていることから、カントリーリスクを勘案し、日本・欧州・北米等のエネルギー政策に対応した販売拡大を目指してまいります。
また、高純度薬品事業を物流や原料調達の面から支える運輸事業では、人材の確保・定着・育成への取り組みが喫緊の課題となっています。処遇の見直しや採用の多角化などを図ることで事業基盤を確固たるものとし、併せて収益性を重視した取り組みの推進やコンプライアンス体制の継続強化にも努めてまいります。
② 新規事業の創出
フッ素化学を基礎とする独自技術を活かした研究開発の推進により、2030年代半ばを目標に50~100億円規模の新規事業の創出に取り組んでまいります。半導体関連では顧客ニーズに応じた新規薬液開発を遂行し、開発中の細胞培養容器や無機フッ化物ナノ粒子のさらなる高機能化、用途開発などを推し進めてまいります。
また新たに、独自のフッ素技術を融合したフロー合成法の確立に取り組み、これを活かした高付加価値製品の開発にも注力いたします。加えて次世代テーマの創出・育成に向けては、マテリアルズ・インフォマティクスの活用といった研究開発手法の拡充、アカデミアとの連携強化、研究開発拠点のさらなる増設の検討などの施策にも取り組んでまいります。
さらに、研究開発成果を着実に事業に結びつけるため、マーケティングの視点における営業部門との連携強化、生産移管プロセス効率化の視点における生産部門との連携強化など、事業確立に向けた取り組みを推進いたします。
③ 資本コストと株価を意識した経営の実現
第4次中期経営計画期間においては、企業価値の一層の向上を目指し、事業戦略および財務・資本戦略の着実な遂行により、2028年3月期に想定株主資本コストを上回るROE8.0%以上の達成を目指します。
その達成に向けて、高純度薬品事業の伸長による利益成長を実現し、損益状況に応じた適切な財務体質を実現するべく、適切な株主還元を実施いたします。
④ 経営基盤の強化
真の成長に向けた変革を支える基盤として、人的資本に関する取り組み、サステナビリティへの取り組み、デジタル化に向けた取り組みを推進いたします。
人的資本については、組織・人の変革を加速させるため、自律型人材の育成や組織力の強化を目指します。
サステナビリティに関しては、基本方針に基づき、事業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すため、5つのマテリアリティの実現と、気候変動への対応に尽力してまいります。
デジタル化においては、効率化から価値創造に向けて、定常業務の自動化といった事業プロセスの最適化などに取り組んでまいります。さらなる経営基盤の強化に向け、中期経営計画に掲げる各施策の取り組みを着実に遂行してまいります。
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