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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、高度で良質なコンテンツの制作・提供を通じて幅広い方々に夢と感動をお届けすることを基本方針とし、「最高の「物語」を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する。」を企業理念として掲げております。また、会社を持続的に成長・発展させ、株主の皆様に報いるため、顧客ニーズと事業環境の変化に即応する柔軟性と効率性を重視した経営の推進により、利益の最大化を図るべく努めてまいります。

(2) 経営戦略等

 当社グループは、高度で良質なコンテンツの創造を通じて、収益性を維持しつつ中長期的な成長を実現していくことを目指しております。現在、ITや通信環境の発展・普及により、多機能端末とネットワークを前提とするコンテンツ/サービスに対する顧客ニーズが高まるとともに、コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化するなど、デジタルエンタテインメントの産業構造が大きく変化しています。また、事業展開地域も、日本、欧米、東アジア等の既存主要市場に加え、中南米、中近東、南アジアなどに拡大しております。当社グループは、これらの変化に適時・柔軟に即応し、新しい時代のデジタルエンタテインメントを切り拓いてまいります。

(3) 経営環境

 家庭用ゲーム市場は、デジタル化をはじめとした技術の進化によって、コンテンツの提供形態がパッケージ販売から、ダウンロード販売といったデジタル化へのシフトに加え、ビジネスモデルが従来の売り切り型から、フリートゥプレイ、ゲーム内課金、サブスクリプション等に多角化しており、今後も成長が見込まれています。新作においては、一部の大型タイトルに人気が集中することにより、タイトルの成否が顕著に表れる傾向となっています。

 モバイルゲーム市場は、スマートフォンの性能向上により、ゲーム体験に対する顧客ニーズが高まり、ゲーム設計やビジネスモデルが多様化しています。また、スマホゲームのグローバル化、マルチデバイス化によって、コンテンツの大型化がみられており、市場規模は、今後も成長が見込まれています。国内においては、上位のタイトルの固定化が目立つ一方で、アジア地域の企業が国内市場における存在感を増したことによって競争がさらに激化し、新作タイトルのヒット率が低下しております。

 このように、家庭用ゲーム市場及びモバイルゲーム市場ともに競争が激化している中で、ヒット作を出し続けるためには、従前のIPを活用した事業展開に加えて、新規IP創出への挑戦及び開発リソースの確保が重要になってきています。

 アミューズメント市場は、新型コロナウイルス感染拡大の状況が落ちつき、店舗の入場客数がコロナ禍に比べて大幅に改善し、コロナ前の状況に戻ってきています。

 出版(コミック)市場は、紙媒体の売上高が減少する一方で、コミックアプリ等による電子書籍の売上高が伸長しています。スマートフォンでコミックを読むことが定着しており、今後も電子書籍市場についてはグローバルで成長が予測されています。

 ライツ・プロパティ事業を取り巻く環境としては、ユーザーの嗜好の多様化に合わせて幅広い商品・サービスが多様なチャネルで展開されています。当社は、キャラクターグッズやゲーム音楽などの二次的著作物の提供に加えて、既存IP(知的財産)をアニメーション、舞台作品、音楽出版などへ多面的重層的に展開することによって、ユーザーの多様なニーズに応えることで、継続安定収益の確保に努めてまいります。

 上記の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、様々な分野において構造的な変化が世界的規模で進行しており、それらを適時的確に把握して迅速かつ柔軟に対応していくことが求められております。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、持続的な収益成長を実現するため、継続収益基盤の拡大を優先的に対処すべき課題と位置付けております。デジタルエンタテインメントの産業構造が大きく変化する中、様々な顧客ニーズやコンテンツの提供形態に対応した新規コンテンツ開発・提供が求められ、相応の投資が必要となります。これまで、主に収益安定化の観点から、多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMO)、スマートデバイス・PCブラウザ等、アミューズメント事業、出版事業等において、継続収益基盤を拡充してまいりました。今後、この取り組みを一層強化するとともに、他の事業にも拡大してまいります。継続収益基盤を確立することで、HDゲーム開発を中心にコンテンツへの持続的な投資が可能となります。そのコンテンツから生まれた収益が加わることで、当社グループ全体の収益を拡大し、持続的な成長を図ってまいります。

 ディストリビューション面においては、ストリーミングによって従来のディスク販売からデジタル販売へのシフトを加速させ、サブスクリプションモデルの採用といったビジネスモデルが変容する可能性があります。加えて、従来の家庭用ゲーム機が普及していない新興地域へのコンテンツ提供が可能になることでゲーム市場全体が成長する可能性があります。当社グループは、これらの変化に柔軟に対応して今後の成長につなげられるよう取り組んでまいります。また、新たな成長領域として、AI、クラウド、ブロックチェーンゲームを事業戦略における重点投資分野と定め、積極的な研究開発、投資を行ってまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、収益性に裏付けられた利益成長を実現することが重要な経営課題と認識しており、売上高4,000~5,000億円、営業利益600~750億円を安定的に達成できる事業構造の確立と売上高営業利益率の改善を2024年3月期までの経営目標としてまいります。

(6) ESGへの取り組み

 当社はESG(環境保護・社会的責任・企業統治)への取り組みを通じて社会に貢献し、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指しています。

 環境保護への取り組みとして、当社はパッケージゲームのダウンロード販売を促進することにより、パッケージ商品の物流に伴う排出ガスの削減、マニュアルやゲームパッケージの電子化による資源の節約などに取り組んでおります。さらに、パッケージ商品においても、リサイクル可能な素材を使用するなど、環境への負荷を最小限に留める事業活動に努めております。

 社会的責任への取り組みとして、当社は、お客様が安心して遊べるように、国内外で販売される家庭用ゲームソフトについて、各販売国・地域のレーティング制度を遵守しています。日本でのレーティング制度は、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称CERO)が実施し、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を表示しております。また、当社は、当社が加盟する業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が制定した「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を遵守し、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)で提供されるアイテムについて、全てのアイテムとそれらの提供割合を表示することによって、お客様の購入判断に役立てていただいております。このように、当社は法令や業界ガイドラインを遵守して、お客様により安心・安全なゲームプレイ環境とサービスを提供しております。

 企業統治については、株主のみなさまを始め、当社を取り巻く全てのステークホルダーの利益を尊重し、良好な関係性を維持することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値最大化の実現に必要不可欠と考えています。当社は、企業統治の一層の強化を目的として、監査等委員会設置会社制度を採用しております。社外取締役のみで構成する監査等委員会を設置することにより監視機能を強め、経営の健全性の維持を図っております。さらに、経営と執行の分離を明確にするため、業務執行を代表取締役に集約しており、「職務権限・業務分掌規程」に定める客観的基準のもとに、会社経営方針を決定する取締役会と業務執行に係る個別の意思決定を行う経営陣を明確に区分しております。これにより、経営判断の適正化と業務執行の効率化の両立を図っております。

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