ジャックス
【東証プライム:8584】「その他金融業」
へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、私たちが創業より大切にしてきた価値観や事業活動の基礎となる考え方を表すものとして、以下の「創業の精神」「経営理念」を定めております。また、これからどのような姿を目指すのかを明確にするため、「長期ビジョン」を掲げております。
創業の精神 |
「信為萬事本(信を万事の本と為す)」 |
「信義は全てのものごとの基本である」と捉え、消費者の皆様・お取引先の皆様との 「信用」と「信頼」を第一に考え、事業に取り組む。 |
経営理念 |
「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する |
当社の事業を通じ、すべてのステークホルダーにとって 「夢のある未来」「豊かな社会」となるよう尽力する。 |
長期ビジョン |
「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」 |
当社グループは、コンシューマーファイナンスを通じて、人々の生活が豊かになるよう、グループの役職員が一体となり、これからも真摯に事業へ取り組んでまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2025年度よりスタートしました第15次中期3カ年経営計画「Do next!」では、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向け、経営基盤の再構築を図ってまいります。そして、中期経営計画「Do next!」では、「MUFGグループとの連携拡充により変革と再成長に挑む3年間」をテーマとし、「MUFGグループとの連携とM&Aによる成長戦略の加速」「量から質への転換による抜本的な事業構造改革の推進」「ALMの高度化による財務健全性の確保と資本効率の向上」という3つの重点戦略の実行により、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(3)目標とする経営指標
2025年度を初年度とする中期3カ年経営計画「Do next!」で掲げた目標(2025年3月公表)は、次のとおりであります。
(億円)
連結目標 | 2025年度 | 2026年度 | 2027年度 |
営業収益 | 1,915 | 1,990 | 2,045 |
経常利益 | 200 | 250 | 310 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 155 | 180 | 230 |
(4)優先的に対処すべき課題
2025年度よりスタートしました中期3カ年経営計画「Do next!」では、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指し、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向け、経営基盤の再構築を図ってまいります。
当社グループにおける対処すべき課題は次のとおりです。
(当社グループにおける優先的に対処すべき課題)
①国内事業
・成長・重点領域への経営資源の再配分
・事業構造・コスト構造改革による生産性向上とコスト削減の実現
②海外事業
・高収益商品中心のポートフォリオへの転換による、安定した経営基盤の確立
・デジタル技術を活用したオペレーション改革と業務効率化の実現
③グループ全般
・M&Aを活用した積極的な成長領域への投資
・金融環境の変化に適応したアセットコントロール、調達の安定化
・人的資本経営の高度化に向けた取り組み強化
・マテリアリティに沿った環境・社会課題、サステナビリティマネジメントの取り組み強化
環境変化や想定される機会・リスクを的確に捉え、これらの諸課題に対処すべく、中期経営計画では「MUFGグループとの連携拡充により変革と再成長に挑む3年間」をテーマとし、3つの重点戦略の取り組みに注力してまいります。
(3つの重点戦略)
① MUFGグループとの連携とM&Aによる成長戦略の加速
・MUFGグループの持つ顧客網を最大限活用し、新たな相互送客の枠組みを構築し、収益拡大を図ります。
・三菱UFJ銀行が展開するBaaSへの当社商品の追加や当社が有する加盟店へのBaaS展開など、新たな分野での協業を推進します。
・M&Aを含む成長投資を通じて、国内ではクレジット事業における太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車などの脱炭素関連商材、賃貸住宅向けの家賃保証、銀行個人ローン保証の収益拡大を図ります。また、海外では人口増加と経済発展が見込まれるASEAN地域を含む、新たな地域への進出を検討し、利益拡大を図ります。
② 「量から質」への転換による抜本的な事業構造改革の推進
・国内では、クレジット事業の選択と集中による営業推進体制の見直しや、営業関連業務の効率化に向けた新たな営業支援ツールの導入等、事業構造改革を推進します。また、ペイメント事業では収益性をより重視したクレジットカード戦略の転換や、事務センター効率化に向けた構造改革を推進します。
・海外では、ベトナムやインドネシアの経営基盤の再構築に向けて、取扱商品の選択と集中や、新スコアリングシステムの構築による、良質債権の取扱高拡大と信用コスト圧縮を図ります。
・MUFGグループベースでのAIを活用した審査モデルの検討やセキュリティ対策の導入・強化による業務効率化を図ります。
③ ALMの高度化による財務健全性の確保と資本効率の向上
・MUFGグループとのシナジーによる資金調達の多様化を検討し、財務基盤の強化を図ります。
・金融環境の変化に適応した、アセットコントロールの強化による財務健全性の確保及び資本効率の向上を図ります。
(5) 統合リスクマネジメント(ERM)への取り組み
①ERMの全体像について
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、リスクマネジメントを経営上の最重要課題と位置づけ、グループベースでのリスクマネジメントの高度化に取り組んでおります。主要なリスクとして信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクを定量化し、収益・リスク・資本のバランスをコントロールすることで財務の健全性の確保、リスク対比の収益性及び資本効率の向上を目指しております。
ERMを推進するリスクマネジメントの統括部署としてリスク統括部を設置し、オペレーショナルリスクを中心とした定性的評価とリスクの低減を主眼に置いた守りのリスクマネジメントに加え、当社グループを取り巻く社内外のリスク環境の変化を受け、リスクアペタイトなどリスクの定量化を通じ、適切にリスクテイクしていく攻めのリスクマネジメントの体制を整備しております。リスク管理の健全性を担保した当社グループのリスクマネジメントの一元管理を行い、リスクの定量化による自己資本の充実度検証に加え、事業ポートフォリオマネジメントの高度化を目指しております。
(収益、リスク、資本の統合的管理イメージ)
(財務健全性の確保)
信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクを定量化し、そのリスク量を自己資本と対比することで自己資本の充実度を検証、モニタリングしております。
自己資本に対してリスク量の変動に備えたリスクバッファを確保したうえで、リスクキャパシティ(許容する最大リスク量)を設定し、リスクキャパシティとリスクアペタイト(進んで引き受けようとするリスクの種類と量)との差を余剰資本とし、成長投資や株主還元など、企業価値向上に向けた戦略的な意思決定に活かしております。
2025年3月末日時点の計測したリスク量は、リスクキャパシティの範囲内に収まっており、現在の事業戦略を遂行する上で充分な財務健全性が確保されております。
②資本政策の方向性について
株主の皆様への安定的かつ継続的な配当を経営の重要課題とし、内部留保の拡充と資本の有効活用によって、競争力の強化と株主価値を向上させることを配当政策の基本方針とします。新中期3カ年経営計画「Do next!」における配当政策は、DOE(株主資本配当率)3.0%、又は連結配当性向40%を目安にいずれか高い方として安定的な利益還元を行ってまいります。また、株式会社三菱UFJ銀行と新たに資本業務提携契約を締結し、第三者割当増資による新株式の発行を行います。これにより業務と資本の両面から提携を深化・拡充していくとともに、第三者割当により調達する資金を国内外への成長投資(M&A)、事業構造改革、システム・DX投資に活用してまいります。
③事業ポートフォリオマネジメントについて
当社グループは、取るべきリスクをとり、リスクに見合う収益を確保するため、事業のリスク資産に対する収益性と成長率を軸とした評価及び事業の重点戦略や個別課題に紐づく指標のモニタリングにより資源配分を検討、実行していく事業ポートフォリオマネジメントに取り組んでおります。また、事業ポートフォリオに関する基本方針を制定し、国内及び海外事業セグメントに基づき、クレジット、ペイメント、ファイナンス、海外の4つを主軸とした事業ポートフォリオ戦略を立案、実行しております。さらに、既存事業の成長を促すリソース投入に加え、新事業やM&A等の戦略的投資に際し、適切な成長性や収益性の把握、リスク管理を行うことを目的に投資検討委員会を設置しております。こうした取り組みにより各事業の成長性と資本効率及びリスク対比収益性と成長戦略等を総合的に勘案して評価、モニタリングを行い、グループにおける位置づけや事業運営方針について定期的に経営会議で検討し、取締役会で監督することで適切なリスクテイクを行ってまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング