ジェイエイシーリクルートメント
【東証プライム:2124】「サービス業」
へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの主な事業は、「人材紹介業」(Recruitment Consultancy)であります。 当社グループ は、世界の各国で企業の発展を担う人材を数多くつなぐ(紹介する)ことで、人と企業と経済と社会をつなぎ、その成長に貢献し続けていきます。
それらの人材の活躍によって、企業が躍進し、それが経済の発展につながる。経済が発展し、それが社会の発展につながる。また、それらが地球環境の保全に貢献する。そのサイクルを継続して推進していくことが当社のミッションであると考えています。
当社グループはこの基本的な考え(Our Mission)に基づき、常に以下の企業目標を持って会社経営に取り組んでいます。
1.ハイクオリティを重視し、意識の高い仕事をすること
2.企業、求職者両者の満足度が最高水準である仕事をすること
3.常に改善、改革をスピーディーに行う会社であること
4.常にプロフェッショナルを志し、利益率と利益成長率において優良会社として
成長し続け、 株主・顧客・従業員が満足できる「魅力的」な企業を目指すこと
(2) 経営環境
当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は次のとおりであります。
(国内人材紹介事業)
わが国における中間管理職やスペシャリストの流動化は、欧米諸国に比較すると低い水準にあるとされてきました。しかし近年では、日系企業の海外進出などのグローバル化、さらには政府による人材流動化の推進、及び人的資本経営の促進等により即戦力となる人材の中途採用が進み、人材紹介業が果たすべき役割も急速に拡大してまいりました。当社グループでは、「専門性が高いポジション」「ミドルマネージメントからエグゼクティブポジション」「グローバル人材のポジション」を中心として、市場シェア拡大に引き続き努めてまいります。
(国内求人広告事業)
当社グループの株式会社キャリアクロスと当社は、人材関連事業においてグローバル領域に注力している点を共通とし、求人広告と人材紹介という異なる事業モデルを展開していることから、相互補完によるビジネスシナジーを発揮できる関係にあります。当社は今後も、同社との事業連携を深めながらグローバル領域における人材集客力の強化を図ってまいります。
(海外事業)
アジア各国の人材紹介市場は、欧米企業を中心とした採用抑制などの影響を受け、厳しい状況が続いております。このため、当社グループでは、求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本として、特に年収水準が高く日系企業の進出も目覚ましい米国等での事業拡大を推進していくことで売上総利益の増加を図ります。
(3) 中長期的な経営戦略と目標
当社は、長期的な経営ビジョン「JAC as No.1」の中で、人材紹介のプロフェッショナル集団としてサービス品質と収益性の両面で世界一になることを掲げています。その実現に向け、当社はサービス品質の向上に不可欠な人的資本の充実を中心とした成長投資を積極的に実施しています。収益性と成長性を併せ持つ日本国内のホワイトカラー人材紹介市場におけるシェア拡大を軸としつつ、グローバルでも「No.1」を目指し、海外各地においても人材紹介事業を展開してきています。
また、当社は、資本コストを上回る資本収益性を上げることは経営として必須の要件であると認識し、高い資本収益性を維持、向上させることによって市場評価を獲得することを目指しています。
当社は、加重平均資本コスト(WACC)により算出される6.7%を資本コストとして認識しております。これに対し、2024年度末における自己資本利益率(ROE)は31.8%と、資本コストを大きく上回っています。また、2024年度末における株価純資産倍率(PBR)は6.16倍と、高い水準を維持しています。
設備投資の資金需要が少ない人材紹介事業を中核ビジネスとし、有利子負債がほぼなく、資本コストがもっぱら株主資本コストで構成されている当社が今後も高水準のROE、さらにはPBRを維持・向上させていくためには、営業利益率と当期純利益の成長率が最も重要な財務指標になると認識しております。当社は、高い配当性向を維持し次なる成長に向けた事業投資のための内部留保は一定確保しつつ、それによる自己資本の拡大を上回る利益成長に取り組んでいます。また、当社は人材系ビジネス全体を一つの事業ポートフォリオとして捉えており、事業投資にあたっては資本コストを上回る投資利益率(ROI)を実現できることを最低限のハードルレートとし、現状の資本効率を維持できる水準を判断基準の一つにおいて検討しています。
今後についても、非財務資本の充実に向けた取り組みがもたらす社会的インパクトの開示をさらに進め、株主価値の拡大(エクイティスプレッドの拡大)に努めてまいります。
また、各報告セグメントの目標を次のように定めております。
(国内人材紹介事業)
国内人材紹介事業につきましては、コンサルタントとマネージメントの増員と教育に取り組み、戦略子会社である株式会社JAC International、株式会社バンテージポイントとのシナジーを活かしつつ、継続的な拡大成長を目指してまいります。
(国内求人広告事業)
株式会社キャリアクロスが取り組む国内求人広告事業につきましては、前課金型から成功報酬型のビジネスモデルへの転換をはじめとする事業構造の見直しを進めることで、売上の拡大を目指してまいります。
(海外事業)
JAC Recruitment International Ltdを軸とする海外事業につきましては、注力マーケットの再構築と経営体制の強化を進めることで、収益性の改善を目指してまいります。
中期経営計画の数値目標
| 2024年実績 | 2025年見通し | 2026年目指す姿 | 2027年目指す姿 |
連結売上高 | 391億円 | 449億円 | 514億円 | 591億円 |
連結営業利益 | 90億円 | 100億円 | 120億円 | 144億円 |
連結当期純利益 | 56億円 | 70億円 | 83億円 | 100億円 |
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度の国内人材紹介事業は、生産性の維持・向上に重点を置きつつ、引き続き中長期的な事業拡大を目指して優秀なコンサルタントの増員及びその教育と、マネージメントの強化に取り組みます。また、エグゼクティブ領域や金融などの高年収帯に注力することで収益性を高めると同時に、既存拠点と地方マーケットの拡充と深耕にも取り組むことで、当社の競合優位性を確保しつつ、事業規模の拡大を目差します。一方で、当社グループの中核事業として、他事業セグメントとの連携、協業を強化し、グループシナジーの最大化に努めてまいります。
海外事業は、当社と各国の子会社との連携によるグローバル・アカウントマネージメントを推進して求人意欲の高い日系企業の採用マーケットに注力していくことを基本として、特に年収水準が高く日系企業の進出も目覚ましい米国等での事業拡大を推進していくことで売上総利益の増加を図ります。
国内求人広告事業は、当社との連携強化によって求人・求職者の登録拡大を進めるとともに、顧客企業によるダイレクト・リクルーティング向けの営業活動に注力することで、売上の拡大を図ります。
また、当社グループ全体でミドル・バックオフィスの業務効率化を進めるとともに、情報システム投資等の先行投資に対するROI管理を強化し、売上総利益に対する各コストの割合を低減することで利益率の向上に取り組んでまいります。
(5) 次期の見通し
欧州やアジアの人材市場には世界経済の先行不透明感を背景とした縮小傾向がみられますが、日本国内では、労働人口の減少を背景とした求人需要が続いています。このため、2025年度の当社グループは、国内人材紹介事業を中心に好調なマーケットの高額案件領域に重点を置いて、さらなる集中と深耕を進めるとともに、地方拠点の拡充にも努めてまいります。
また、人的資本の強化に向けて、コンサルタントの採用、教育、及びリテンションを継続するとともに経営幹部候補の選抜と育成にも取り組み、将来を見据えた事業成長を目指します。
- 検索
- 業種別業績ランキング