ジィ・シィ企画
【東証グロース:4073】「情報・通信業」
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企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、文中における将来に関する記載事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① 価格競争について
顧客のIT投資に対する価格要求はますます厳しさを増しており、価格面、品質面から常に同業他社との競争に晒されております。顧客からの価格低減圧力は依然として強いままとなっており、競争激化の傾向は当面続くものと見込まれております。このような市場環境の中で当社は、キャッシュレス決済分野のノウハウ等得意分野を活かし、より付加価値の高いサービスの提供と、国際ブランド決済ネットワーク接続によりカード会社加盟店の負担軽減を図るなどの方策に努めておりますが、競合相手との価格競争により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 市場環境について
当社が事業を展開する情報サービス産業において、経済情勢の低迷や景気の悪化等により、顧客のIT投資への姿勢に影響を受ける傾向があります。当社は、市場の動向や経済情勢を先んじて的確に把握し、その対応策を早期に講じるよう常に努めておりますが、経済情勢の悪化や景気の低迷等による顧客のIT投資の減少により、当社の事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動のリスクについて
当社は、一部の製品の輸入、サービスの利用を台湾、米国の企業に依存しており、外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2) 事業に関するリスクについて
① 売上高の計上時期について
当社のペイメントインテグレーション事業の売上高は、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、一時点で充足される履行義務に基づき認識される収益と、一定の期間にわたって履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。
当社は納期管理を徹底しており、当社起因による納期遅延は少ないものの、大型開発案件等について、顧客の投資方針の変更や受注後の仕様変更等により納入時期に変更が生じ売上計上のタイミングが翌期にずれ込む場合、計画どおりに売上計上できず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報処理センターネットワークの利用について
当社のキャッシュレス決済における中継処理サービスについては、株式会社NTTデータが運営する「CAFIS」及び株式会社日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のいずれかのネットワークを経由してデータ処理を行っております。
そのため、これらのネットワークシステム障害等の理由により、サービス提供が困難になる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報セキュリティに関するリスクについて
当社は、事業においてクレジットカード情報を取り扱うため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC27001の認証を取得しているほか、国際クレジットカードブランド5社(American Express、Discover、JCB、Mastercard、VISA)が共同で設立したPCISSC(Payment Card Industry Security Standards Council)が認定した、クレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0に準拠し、資格確保のための更新審査を受けており、情報セキュリティに関する脅威の監視や分析、未然防止対策を講じて、情報漏洩につながる状況への対応の強化及びリスクの低減に努めております。
しかしながら、これらの情報について紛失、漏洩等が発生した場合、当社の社会的信用低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、何らかの事情により更新ができず、資格を失った場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保について
当社のビジネスを支えている最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発のためには、優秀な人材の採用・育成・モチベーションの向上が欠かせません。そのために人員の採用を積極的に進めており、また処遇の改善や働きやすい職場環境の改善等に継続的に取組んでおります。
しかしながら、人材獲得競争の激化等により十分な人材採用を実現できなかった場合、又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ プロジェクトの不採算リスクについて
当社の行うシステム開発においては、ISO9001に準拠した品質標準に基づく品質管理のほか、品質保証部を設置し、開発プロセス毎に行うプロジェクトレビューの取組などにより納期・品質・コストについて管理しております。しかしながら、開発途中の大幅な仕様変更の発生や、作業工数が当初の見積もり以上に増加するといった、受注時には予測できなかった要因により不採算プロジェクトが発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、上記のような大幅な変更等によるトラブルが発生した場合、納期の未達成や契約条件等の不履行などにより、売上計上の遅延、追加コストの発生、損害賠償請求等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 決済端末の仕入に関するリスクについて
当社は、決済端末の大部分をCastles Technology社より仕入れております。
当社は、これまで同社とは販売店契約を締結して信頼関係を構築し、継続的な取引関係の強化を図っております。また、新たな仕入先としてNewland Payment Technologyと販売店契約を締結し、複数のメーカーと契約を締結することで仕入ルートの分散化を図っております。
しかしながら、仕入先との関係が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、Castles Technology社の工場は中国や台湾に多く存在していることから、工場のある各国の政治的・社会的な混乱、新たな法的規制や制限、自然災害、紛争、為替の状況、資源価格の高騰や半導体不足による仕入価格の高騰等により、製品の調達に支障が生じた場合にも、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ 棚卸資産に関するリスク
当社は、品揃えを充実させ、適時に供給を果たすために顧客からの注文に先行して決済端末の仕入を行い、一定量の在庫を確保しております。
想定を超えた受注量の増加があった場合においては、あらかじめ確保しておいた在庫が不足することによる販売機会の逸失等、受注量の減少があった場合においては、過剰在庫の発生に伴う、在庫の評価損、廃棄損の計上等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 技術革新の対応に関するリスク
当社が属する情報サービス産業は、ITの技術革新が激しく、既存技術の進化や新たな技術への対応の遅れやITサービス市場におけるIT技術の急速な変化により、当社が保有する技能・ノウハウ等が陳腐化し、競争優位性を喪失する可能性があります。当社が技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、適切に対応できない場合又は想定以上に多額な研究開発費用が発生した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 労務管理のリスク
ソフトウェアによるシステム開発は、知識集約型かつ労働集約型の業務であります。このため、当社では過重労働の撲滅を経営課題として、常に従業員の健康に配慮した労働環境の整備に努めております。しかしながら、予想外のトラブルや開発工程の品質、納期を厳守するために、一時的に特定の従業員に業務負荷がかかる可能性があります。こうした場合には、従業員の健康問題や労務問題に発展し、他の従業員の士気の低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 協力会社に関するリスク
当社は、社内の工数が不足する場合や当社技術で対応が難しい場合などに協力会社(外注先)から外部委託又は役務の提供を受けることがあります。今後、協力会社技術者の需要バランスの変化による要員の確保難や価格の高騰が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 特定顧客への依存について
当社の製品・サービスは、大型プロジェクトが社内外の人材投入のピークとなる開発フェーズに移行した場合等に、一時的に売上全体に占める特定顧客への売上高依存割合が高まる場合があります。当社は、顧客の業種やプロジェクトのフェーズが分散されるように留意し、既存顧客との関係を強化して継続的に受注を獲得するとともに、新規顧客の獲得にも注力しておりますが、特定顧客の経営状況の変化やIT投資の方針の変更が、当社の業績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携について
株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)は、当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社に該当しております。当社はTMN社の持分法適用関連会社であり、TMN社の代表取締役社長が当社の社外取締役を兼務しております。また、同社との間で資本業務提携契約を締結しており、同社との取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等は確保しております。
当社の経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、TMN社に対して事前承認を要する事項はなく、独立性・自律性は保たれていると認識しております。
将来において、TMN社の当社の株式保有方針が変更されたり、同社との業務提携内容に変更が生じた場合、当社株式の流動性及び株価形成、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスクについて
① 自然災害等について
当社が事業展開する地域において、自然災害、電力・通信・交通その他の社会インフラの障害、大規模な事故等が発生した場合には、当社又は当社の取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害やパンデミックの影響により、一時的に想定以上の決済データが発生し、決済ASPサービスの許容量をオーバーしてしまう可能性があります。
これに備え、季節的な変動要素と当社の成長性を考慮した上で計画的な設備投資を行っております。更に事業継続計画(BCP)を作成し、予防訓練、想定訓練等を実施したうえ、BCPは年毎の見直しを行っております。
② コンプライアンスに関するリスク
当社において、法令・社会規範・倫理に反する問題が発生した場合や役職員等の内部関係者による贈収賄・横領・インサイダー取引等の不正行為が発生した場合には、当社の社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、多額の課徴金や損害賠償を請求されたりするなど、当社の経営成績、財政状態及びレピュテーションに大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制等について
当社が事業運営を行う上で、下請代金支払遅延等防止法、製造物責任法、労働基準法等の一般的な法的規制等を受けており、今後その規制が強化されることも考えられます。また、現時点では存在しない新たな法規制が制定される可能性もあります。その場合、事業活動に対する制約の拡大、規制の変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、法令等の改正については、加盟する各種団体からの情報を得るほか、弁護士、社労士との契約に基づき、早期の対応ができるよう体制を整えております。
④ 知的財産権について
当社は、第三者が所有する特許権、商標権、意匠権等(以下、「知的財産権」という。)を侵害しないように、新製品や新サービスの企画段階においては、業界動向や関連情報などを確認し、必要に応じて特許情報プラットフォームにて同種の出願もしくは登録のある知的財産権の有無に関する調査を行っており、疑わしい場合は特許事務所において調査を実施しております。しかしながら、当社の認識の範囲外で第三者が所有する知的財産権を侵害する可能性があります。このような場合、当社への損害賠償請求及び差止請求、信用の低下、風評等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 訴訟等について
当社は、株式会社モビリティ及びモビリティ・エックス株式会社(以下「原告ら」)より、当社の販売する決済端末を利用した決済システムが原告らの特許権及び当該特許権の専用実施権を侵害することによって損害を被ったとして、2021年7月12日付けで特許権侵害に基づく損害賠償請求の提起を受け、また株式会社モビリティから2021年9月14日付けで審理対象期間を追加する訴えの提起を受け、これらは東京地方裁判所において併合して審理されておりましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第一審判決の言い渡しがありました。
原告らは第一審判決を不服として、2024年4月3日、知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴しておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第二審判決の言い渡しがありました。
また、当社は、株式会社モビリティ及び外1名(以下「モビリティら」)に対し、2021年8月31日付けで、不正競争防止法等に基づき損害賠償請求をする本訴を提起しており、モビリティらは、当社の本訴提起が、故意又は過失によってモビリティらの権利又は法律上保護される利益を侵害し、これにより有形及び無形の損害を被ったとして、当社に対し損害賠償又は謝罪を求める反訴を提起しましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、当社の本訴に係る請求、モビリティらの反訴にかかる請求は、いずれも棄却する旨等の第一審判決の言い渡しがありました。
モビリティらは第一審判決を不服として、2024年4月5日に知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴を提起しておりました。当社も、2024年4月4日に同様に控訴を提起し、後に控訴審において請求の追加をしておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、モビリティらの請求、当社の請求をいずれも棄却する旨等の第二審判決の言い渡しがありました。
当該訴訟の結果によっては、当社の事業や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有利子負債への依存及び金利変動について
当社は主に、金融機関等からの借入により資金調達を行っているため、有利子負債の比率が高い水準となっております。有利子負債の抑制に努めてまいりますが、金融情勢の変化等により急激な金利変動が生じた場合や計画どおりに資金調達ができない場合、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
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