シンフォニアテクノロジー
【東証プライム:6507】「電気機器」
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企業概要
当社グループの研究開発活動は、主として当社が取組む基盤技術、要素技術の研究をはじめとして各分野にわたる新製品の開発及び現有商品の改良を行っております。
当連結会計年度は、中期経営計画「SINFONIA NEW STAGE 2024」の最終年度に当たり、本計画の基本方針である「技術開発力の強化と新商品・新事業の創出」を目指し、既存のモータ、モータドライブ及びシステム制御のコア技術に関する研究開発及び、計測・制御技術との融合による新技術の開発に努めてまいりました。
また、当社グループの保有技術を積極的に活用し、コア技術を融合することで、開発のスピードアップ、開発品質の向上を図ると共に、既存技術(モータ、発電機、インバータ等のパワーエレクトロニクス及びドライブ制御技術等)、解析技術(構造解析、熱解析、流体解析、EMC)の更なる高度化、AIやIoTなどのデジタル技術の利活用等でデジタル化に取組み、半導体分野に注力するとともに次世代ビジネスの創出として新たな成長領域(物流、再生医療、脱炭素)での事業分野の拡大に努めてまいりました。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3,680百万円であります。
当連結会計年度の主な開発成果は、下記のとおりであります。
(1)クリーン搬送システム事業
クリーン搬送システム事業としては、近年のAIやデータセンタなどの需要の増加に対応した中・後工程向けウェーハ搬送装置や真空環境で動作するロボットの技術開発に取り組んでおります。特に中・後工程向けとしては、テープフレーム、角型パネルなどの幅広い搬送ニーズに対応したロードポートやEFEMの開発に取り組んでまいります。
クリーン搬送システム事業の研究開発費の金額は、793百万円であります。
(2)モーション機器事業
モーション機器事業としては、モーションコントロール分野では、市場の拡大が期待される半導体・自動化装置向けに、ダイレクトドライブモータの商品メニュー拡張のほか、ロボット等の安全ブレーキとして無励磁作動ブレーキの薄型化・小型化の開発と、これらを使ったユニット化・システム化にも取り組んでまいります。また、建設機械など産業車両関連製品向けに、車両の操作性・安全性のほか情報通信機能の向上を目的としたコントローラの開発に取り組んでおります。
航空分野では、航空機の二酸化炭素(CO2)排出削減を目的とした電動化の開発を進めており、当社で従来から製品化しているサーボモータシステムを応用し、民間航空機や輸送用ドローン等への搭載を目標とした小型高出力モータ及びインバータなど電装品の製品開発や試作開発を継続して行ってまいります。また、宇宙分野についても小型ロケットの姿勢制御用アクチュエータや探査車両用モータなどの開発についても取り組んでまいります。
プリンタ分野では、各種産業用途向けやデジタルフォト、アミューズメント関連の技術開発を継続しております。各業界で求められる印画品質に応えるため、高画質化を進めると共に、新たな消耗品への対応にも取り組み、市場競争力の向上に努めてまいります。
モーション機器事業の研究開発費の金額は、1,494百万円であります。
(3)パワーエレクトロニクス機器事業
パワーエレクトロニクス機器事業としては、社会インフラシステム分野では、道路管理用電気設備や上下水道電気設備の点検作業の省力化や予防保全に貢献する監視制御システムを開発し運用を開始しております。今後は機能のブラッシュアップをさらに進め、拡販を行ってまいります。また、増加する災害に対して、BCP対策となり環境にもやさしいLPガス発電装置の商品化を行い、防災・減災に貢献してまいります。
産業インフラシステム分野では、脱炭素社会の実現に向けて新エネルギー(水素、アンモニア)用途ポンプ移送用の特殊モータ開発、発動機式発電ユニットの電動化開発に取り組んでおります。また、労働人口の減少に伴う労働力不足を解消するため、デジタル化技術を取り入れた設備の自動化・インテリジェント化にも取り組んでおり、社会に貢献する製品を創出してまいります。
自動車試験装置分野では、EV、ハイブリッド車をターゲットとした動力試験装置の開発を進めております。近年では航空機、建機、船舶等も動力の電動化が推進されており、より一層の高速化、大容量化、高効率化の技術開発に注力すると共に、操作計測システムのプラットフォーム開発、システムソフトウェアのブラッシュアップによってトータル評価システムを提供し、試験の自動化、省力化に貢献してまいります。
振動機分野では、多様な粉粒体の処理能力向上を目的とした新しい振動機器の開発・上市を進めております。また、搬送以外の新たな用途を探索し、振動制御を応用した高速アクチュエータや、粒子の外観だけでなく内部構造・成分分析を行い選別する装置などの開発も進めており、国内外のお客様のニーズに対応できると期待しております。
コントローラ事業分野では、人手不足が進む農水産業における労働集約的な作業の自動化、それに伴う収益の向上を担うため、IoT、画像処理と人工知能(AI)、ロボット技術を利用した装置、栽培システムの開発に取り組んでおります。今後も自動化の需要は高まるものと期待しており、施設栽培作物のみならずオープンフィールド向けの生産支援システムの技術開発を進めてまいります。カーボンニュートラル達成に向け、CO2の効果的利活用、太陽光発電需給調整システムの開発にも取り組んでまいります。
パワーエレクトロニクス機器事業の研究開発費の金額は、1,300百万円であります。
(4)エンジニアリング&サービス事業
エンジニアリング&サービス事業としては、炉・ヒーター分野では、省エネとメンテナンス費用を含むランニングコスト削減を目的とした、永久磁石式誘導加熱装置の開発に取り組んでおります。
エンジニアリング&サービス事業の研究開発費の金額は、91百万円であります。
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