企業兼大株主シチズン時計東証プライム:7762】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を基盤とし、2030年を見据えて、サステナブル社会、デジタル社会に対応し成長できるシチズングループのありたい姿を描き、そこからバックキャストすることで5つのマテリアリティ「気候変動への対応と循環型社会への貢献」、「質の高い生活への貢献」、「産業分野におけるソリューションの提供」、「働きがいの向上と人財の育成」、「社会的責任の遂行」を設定しました。

 長期ビジョンの実現に向けて、グループ中期経営ビジョン「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”を揚げ、「中期経営計画2024」に続き、2025 年度(2026年3月期)から 2027年度(2028年3月期)までの3か年の「中期経営計画2027」を策定し、新たな価値創造に挑戦し、世の中に安心と信頼、そして感動を届け、豊かなときをつなぐ存在になることを目指してまいります。

(2) 経営戦略等

グループ中期経営ビジョン実現に向けて、本中期経営計画における以下の重点戦略に取り組んでまいります。

① 事業ポートフォリオの戦略

 時計事業と工作機械事業を、グループ成長を牽引するコア事業と位置付け、経営資源を戦略的に投資していくことで更なる成長を目指してまいります。デバイス事業は、安定成長を目指しながら、事業や製品の選択と集中を進めてまいります。また、成長の可能性がある新事業領域の探索も進めてまいります。

 本中期経営計画における事業別の戦略は、以下のとおりです。

時計事業

 時計事業は、グループビジョンと同じく「豊かな未来(とき)をつなぐ」、“Crafting a new tomorrow”をビジョンとして掲げ、グローバル市場におけるブランドイメージの明確化、カスタマーエクスペリエンスの向上を通じて、「グローバル戦略によるブランド価値向上」、「北米市場での更なる取組み強化」、「高付加価値製品を実現するムーブメント開発」の3つの重点戦略に取り組んでまいります。

 グループを牽引するコア事業として、経営資源を戦略的に配分するとともに、ブランド価値向上による事業成長と収益力強化に取り組んでまいります。

工作機械事業

工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向け、“製販イノベーション”の真価を発揮し、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進してまいります。アジア地域をはじめ、成長が見込まれるグローバル市場での営業、サービス体制の強化を図ることで、更なる成長を目指してまいります。

デバイス事業

 デバイス事業は、市場変化に合わせた製品の選択と集中、収益力改善及び当社の強みを最大限に活かせる領域における事業拡大により、確固たる競争優位を確立してまいります。当社グループの強みである小型金属加工技術を活かした自動車部品事業では、EV関連の新製品やエンジン・ブレーキなど既存領域製品の売上拡大を進めます。また、セラミックス事業では光通信向けなどのサブマウント製品の更なる競争力強化を推進し、モーター事業では市場のニーズに対応した技術、品質により高い顧客満足を獲得してまいります。プリンター事業については、フォトプリンターを中心とした売上拡大を目指します。

② DX戦略の推進及び人財の育成

「ユーザー視点での価値の創出・向上を継続的に行える企業グループへ」をDXビジョンとして掲げ、「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」、「企業風土の変革」の3つの方針に取り組んでまいります。

「業務プロセスの変革による高収益体質への転換」では、データ活用による意思決定の高度化、データ及びデジタル活用によるモノづくりの進化を、「製品・サービスの変革による新たなユーザー価値の創出」では、新たなユーザー体験の提供、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。

人財ビジョンとして「社員一人一人が長期ビジョン実現への貢献を実感し、シチズンで働くことを誇りに感じる」を掲げ、デジタル施策を着実に進めると同時に、「企業風土の変革」をグループで連携して進めてまいります。

(3) 経営環境

 当社を取り巻く経営環境として、主に以下の環境変化を認識しております。

① 地政学的リスクによる世界経済への影響

② Eコマース需要の更なる拡大と実店舗流通の構造変化

③ ファッションウオッチ市場の縮小等による、アナログクオーツムーブメント市場の縮小

 当社は、以上のような経営環境変化の影響を受け業績下振れのリスクが高まっていることを認識し、中核事業である時計事業及び工作機械事業における以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。

① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大

② 環境意識の高まりを捉えた、「Eco-Drive」の特性や環境に配慮した素材の更なる訴求

③ 製品価値を含む、体験価値を提供する双方向のコミュニケーションの構築

④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の時計事業、工作機械事業における経営環境変化を認識し、以下の4つの課題について優先的に取り組んでまいります。

① 機械式完成品の拡充及び機械式ムーブメント外販の拡大

 引き続き成長が見込まれる機械式時計市場において、シチズン機械式時計の成長に向け、機械式ムーブメントを搭載した最上位ブランド「The CITIZEN」と、モダンでスポーティなデザインが特徴のブランド「Series 8」の取り組みを強化してまいります。ムーブメント事業については、更なる製造の自動化、合理化の推進と付加価値化を進めながら収益性の強化を図ってまいります。

② 環境意識の高まりを捉えた、「Eco-Drive」の特性や環境に配慮した素材の更なる訴求

 環境に優しい「Eco-Drive」を搭載したモデルを基軸に、更なるユーザーとのコミュニケーションの強化を図ってまいります。

 また、リサイクル素材など、地球環境に配慮したサステナブルな素材の採用を今後も増やすと共に、環境や人に配慮した商品展開を進めてまいります。

③ 製品価値を含む、体験価値を提供する双方向のコミュニケーションの構築

 店舗、ECサイト、広告、アフターサービスなどそれぞれのタッチポイントを強化することでユーザーとつながり続ける仕組みづくりを行ってまいります。

 また、これらのデータを分析することで、製品・サービス価値を向上させ、継続的にユーザーに購入頂ける循環サイクルの構築に取り組んでまいります。

④ 工作機械の市況の波にタイムリーに対応できる生産体制と販売体制の確立

 工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向けて、“製販イノベーション”の真価を発揮することで、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進いたします。地域別の戦略をより一層明確にし、新市場の開拓を含めた販売拡大を目指します。また「ミヤノブランド(中・大型機)のグローバル販売戦略」を推進し、「LFV」や「FAフレンドリー」、「アルカプリソリューション」などを活用し、お客さまの「モノづくりワークフローの革新」に貢献するトータルソリューションを提案してまいります。その土台としてデジタル技術やデータを活用した、効率的かつ顧客中心の業務プロセスへの転換を目指すと同時に、データ・マネジメント体制の構築、デジタル人財の育成、デジタル活用による技術、技能継承などを推進してまいります。

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