企業兼大株主シキボウ東証プライム:3109】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

   (経営理念)

「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。

   (長期ビジョン)

 当社グループは、上記の経営理念のもと、これまで培ってきたものづくり技術・文化によって、環境や社会課題の解決に貢献してまいりました。更なる成長を続けるために、当社グループは、創立150年である2042年に向けた長期ビジョン「Mermaid 2042」を掲げております。

   「Mermaid 2042」

 あなたにもっと寄り添い、愛されるシキボウグループへ

・従業員にもっと寄り添い、笑顔あふれる心豊かな人生の実現に貢献します

・お客様にもっと寄り添い、まだ見ぬ世界を当たり前にする技術で貢献します

・地球にもっと寄り添い、持続可能な社会に貢献します

 今回の新中期経営計画策定を進める中で、長期ビジョンを実現するための経営目標をより具体的な言葉とするために、私たちが「めざす姿」として、以下のとおり策定しました。

(めざす姿)

①従業員が自分のありたい姿を実現するために、仕事を通じて成長し、安心して働ける職場環境をめざします。

 ・働きやすい、職場環境・制度・組織風土の改善

 ・従業員の成長のための機会の創出

 ・多様な人材の確保・育成、機会均等

 ・健康増進・職場安全衛生

②繊維で培った技術やサービスを通じ、社会課題解決や、お客様の安心・安全・快適な暮らしの実現をめざします。

 ・安心・安全・快適な製品やサービスの提供

 ・技術を進化させ、社会のニーズに対応した新製品の開発・提供

 ・国内のみならず海外市場も含めた製品の提供

③環境や人権に配慮した製品・サービス、ものづくりで、持続可能な社会の実現をめざします。

 ・環境配慮型商品・サービスの開発・提供

 ・気候変動に対応した製品の開発・提供 

 ・公正で、持続可能な原材料調達や製品供給の実現

 ・資源循環型社会実現への貢献

 ・事業活動における気候変動対策とその緩和策の推進

(新中期経営計画「TG25-27」の概要)

「TG25-27」においては、「めざす姿」に基づき、長期ビジョン「Mermaid 2042」へのマイルストーンである、2030年に当社グループのめざす目標(売上高550億円、営業利益36億円)を掲げ、その目標をバックキャスティングすることで3ヵ年の経営戦略を策定いたしました。

 これまでの「ACTION22-24」で進めてきた経営基盤の強化と次の成長に向けた取組みから、新中期経営計画では、「成長への変革(Transformation for Growth)」のステージと捉え、「TG25-27」と名付けました。「稼ぐ力の向上」や「新中核事業の成長・拡大」に取り組んでいくとともに、繊維で培った技術・経営資源をもとに新たなビジネスにチャレンジしてまいります。

〈 シキボウグループ注記経営計画「TG25-27」成長への変革 〉


<基本方針>

 繊維で培った技術・経営資源をもとに、新たな価値を創造し更なる成長を実現する

① 稼ぐ力の向上

◆ 繊維事業、産業資材事業のグローバル販売強化

◆ 生産力・販売力強化

◆ 新たなビジネスへのチャレンジ(新規顧客・新規市場開拓)

② 新中核事業の成長・拡大

◆ 食品・化成品事業の食品分野の販売拡大

◆ 複合材料事業の航空・宇宙分野の取組み拡大

◆ 新たな成長の芽の育成・研究開発推進

③ 経営基盤の強化

◆ 資本コストを重視した事業の構造改革

◆ DXの推進による業務の効率化

◆ 資金効率の改善による財務基盤強化

◆ 人的資本経営の推進

④ サステナビリティ経営への取組み 

◆ GHG排出量削減

◆ サステナブル商材の販売拡大

◆ 人権への配慮

(2) 目標とする経営指標

 シキボウグループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上、財務の健全性確保、資本の効率性向上を目的として、以下を経営指標としております。

(経営指標)

 

2025年3月期
 実績

2028年3月期
計画

有利子負債

256億円

260億円

D/Eレシオ

0.73倍

0.72倍

自己資本比率

41.1%

41.1%

総資産

856億円

875億円

ROA

1.2%

2.4%

ROE

2.6%

3.9%

ROIC

1.7%

2.9%

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 日本経済の見通しについては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復傾向がみられる一方、アメリカの通商政策、国際情勢の不安定化、原材料やエネルギー価格を含む物価上昇等、不透明な状況は継続するものと思われます。

 このような経営環境の中、当社グループでは、新中期経営計画「TG25-27」で掲げたセグメント別事業戦略をセグメント別の対処すべき課題と認識し、取組みを進めてまいります。

 セグメント別の「対処すべき課題」は次のとおりです。なお、新中核事業の拡大により、新中期経営計画から産業材セグメントを産業資材セグメントと、機能材料セグメントに区分して開示することとしています。

① 繊維セグメント

・サステナブル素材の販売拡大 

・グローバル販売の拡大

・新規顧客・新規市場への販売拡大

・海外・国内生産拠点の連携と効率化 

・生産設備強化のための設備投資

② 産業資材セグメント

・国内生産体制の効率化と販売強化

・現有設備と技術を応用した新規分野の発掘と新商品の開発

・海外事業の販売拡大と収益力アップ

・空気清浄装置分野での生産体制の見直しとメンテナンス事業の拡大

③ 機能材料セグメント

<食品・化成品事業>

・新工場を活用した生産体制の再構築 

・新規素材(低粘度、脱臭、殺菌品)、ブレンド品の販売拡大

<複合材料事業>

・航空・宇宙分野の新規案件の生産立上げ

・エネルギーインフラ分野の新規量産品案件の受注

・航空・宇宙分野での業務提携の検討

④ 不動産・サービスセグメント

<不動産賃貸事業>

・グループ全体の遊休地の有効活用

・既存賃貸事業の活性化促進

<リネンサプライ事業>

・生産設備更新による効率化と増産体制の構築

・新規取引先の獲得

 セグメント別の「対処すべき課題」に対する取組みは次のとおりです。

「繊維セグメント」では、製造コスト上昇により厳しい環境ではありますが、製販一体となった運営に加え、市況の回復、価格改定等により、業績は回復傾向となっております。今後はグローバル事業展開の加速化により海外販売の拡大を目指してまいります。さらに、「ビオグランデ®」、「彩生®」、「コットレジン®」等のサステナブル商材の販売を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 原糸販売事業は、連結子会社である新内外綿㈱との連携強化を図り、国内販売では、杢糸等の差別化糸を中心に別注販売を強化いたします。また、海外販売においても海外の連結子会社との連携により商圏拡大を図ってまいります。

 輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地において中東市場の活況を受け、連結子会社である㈱シキボウ江南の生産能力を高めることで、さらなる販売数量拡大を図ります。また、中東民族衣装の関連衣料品の販売構築も進めてまいります。

 ユニフォーム事業は、㈱シキボウ江南の生産効率化を進め、原価低減を目指すと共に、高付加価値商材の開発及び価格改定による収益改善も図ってまいります。

 ニット製品事業は、海外の連結子会社であるシキボウベトナム有限会社と連携すると共に、バングラデシュやASEAN諸国の協力会社とも関係を強化し、国内外の商圏拡大をめざしてまいります。

 生活資材事業では、主要取引先との取組みを強化し、サステナブル商材を中心とした差別化商材の開発及び販売拡大を推し進めてまいります。また、海外市場においても販売ルートの新規開拓を進めてまいります。メディカル分野では、海外の連結子会社である敷紡(上海)国際商貿有限公司やシキボウベトナム有限会社と連携し、海外における臭気対策剤「デオマジック®」の認知度を高め、販売拡大を推し進めてまいります。

「産業資材セグメント」では、ドライヤーカンバス事業における紙需要減少による国内製紙会社での一部の生産設備停止、フィルタークロス事業におけるクロス未使用型脱水機の普及や個別空調設備の普及等、厳しい環境が続くものと予想されますが、引き続きシェアの拡大、生産性の向上に取り組み、国内トップポジションを堅持してまいります。

 ドライヤーカンバス事業においては、海外市場での販売拡大や段ボール製造用コルゲーターベルト「N-Dry®」の販売拡大等に取り組んでまいります。

 フィルタークロス事業においては、緻密クロスやリサイクル原料を使用した環境配慮型商品の販売拡大、空気清浄装置分野では新規開発商品の販売拡大等に取り組み、売上・利益の拡大を図ってまいります。 

「機能材料セグメント」では、食品・化成品事業は、主力の食品用増粘安定剤(食品添加物)を配合するブレンド製品(粉体の混合)の生産能力増強と品質向上を目的として、連結子会社である㈱シキボウ堺の新工場が2025年1月に竣工し、生産増強体制が整いました。新工場では、生産能力が現有設備の約2.5倍に拡大するとともに、クリーン度の高い室内環境と製造ラインへの洗浄装置導入により、これまで取り扱いが難しかった食品用増粘安定剤以外の素材等にも製造範囲が広がるため、新たな市場開拓や新規案件の獲得を図ります。また、食品用増粘安定剤は、消費者の「健康志向」や食の多様化により、機能性や利便性を求める食品において需要増加が見込まれることから、当社も「脱臭」、「殺菌」等の付加価値のある商品開発を進め、販売拡大に努めます。

 複合材料事業は、航空・宇宙分野で新たなアイテムの製造を受託しており、量産のための製造設備の導入に加え、人材教育を含めた生産体制と品質保証体制の構築を進めます。また、省エネルギーや軽量化が求められるエネルギーインフラ分野では、顧客ニーズに合致した繊維複合材料(FRP)部品等の開発を進め、新規量産品案件の受注を図ります。さらに、複合材料事業の業容の拡大に向けては、今後も市場の成長が見込まれる航空・宇宙分野を主体に、他社との業務提携等についても検討を進めてまいります。

「不動産・サービスセグメント」では、引き続き安定的収益基盤の維持拡充を目指します。不動産賃貸事業、リネンサプライ事業、物流事業を安定的に運営するほか、リネンサプライ事業では新規ホテルの獲得に努め、現在開催中の大阪・関西万博を契機とした更なるインバウンド増を見込み、リネン生産設備更新による効率化と増産体制の構築に取り組んでまいります。

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