企業シイエヌエス東証グロース:4076】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「私たちは国際化社会の中で、社員ひとり一人の個性を尊重し、誠実を旨とし、情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に貢献する。」ということを企業理念として掲げており、経営方針は以下のとおりです。

・顧客に信頼される会社となる。

・創造性あふれる専門家集団であり続ける。

・社会への貢献、個人への還元バランスをはかる。

(2)経営戦略等

 富士キメラ総研の「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編」によると、企業や社会を取り巻く環境の急速な変化に対応するためのデジタルトランスフィーメーション(DX)の重要性は増しており、2023年度のDX関連市場規模は、4兆197億円の見込みとなっている。大手企業を中心に具体的な実行フェーズへの移行が進み、今後は中堅、中小企業での増加により、2030年度には8兆350億円まで拡大すると予測しています。

 富士キメラ総研の「2025 生成AI/LLMで飛躍するAI市場総調査」によると、日本国内のAI市場は、2024年度に前年度比29.1%増の1兆4,735億円、2028年度には2兆7,780億円に達する見通しです。 この成長を牽引しているのが「生成AI」であり、2022年11月に登場した対話型AI「ChatGPT」を契機に、世界的に大規模言語モデル(LLM)の開発や応用が加速しています。国内でも、国産LLMの開発や導入支援ソリューションの整備が進み、政府もスタートアップ支援やガイドライン策定を通じて生成AIの普及を後押ししています。こうした動向を背景に、2024年度の生成AI市場は前年度比3.0倍の4,291億円に拡大する見込みであり、今後は、生成AIと従来型AIの連携が進むことで、業務変革や新たな価値創出が期待されます。2028年度には、生成AI市場は1兆7,397億円に達し、AI市場全体の約6割を占めると予測しています。

ITRが発行する「ITR Market View : ERP市場2025」によると、国内53社を対象とした調査結果に基づき、2023年度の国内ERP市場の売上高は2,027億円に達し、前年同期比で17.7%の増加を記録しました。また、2024年度においては、更なる成長が見込まれ、前年同期比18.2%の増加が予測されています。このような顕著な成長の背景には、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正対応に加え、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴う老朽化したERPシステムのリニューアル案件の増加が挙げられます。企業はデジタル化戦略の強化に取り組みながら、基幹システムの刷新に対する投資を継続しており、同市場は中期的にも二桁成長を維持することが期待されています。特にSaaSの成長は著しく、2023年度には前年比29.3%の拡大を記録しました。さらに、2023~2028年度には年間平均成長率(CAGR)20.6%が見込まれるなど、今後も力強い成長が続くと予測されています。

 以上の市場成長により、ビジネスソリューション事業、テクノロジーソリューション事業は、主要顧客との長期にわたる信頼関係も相まって、需要は引き続き高い水準で成長すると予想しております。

 なお、当社グループは、上記の基本方針及び市場の動向に基づき、安定的かつ継続的な企業価値の向上を目指し、次の姿勢を貫いてまいります。

・お客様の業務を深く理解し、ニーズを汲み取った良質なエンジニアリングサービス、更に上流からのサービス(コンサルティングや各種提案)提供を行っていく

・デジタル革新技術を活用し、お客様の経営戦略実現のための業務統制の適正化と業務活動の効率化、そして経営リソースの有効活用を実現するエンドユーザー志向の新しいビジネスモデル(新事業)を構築し提供する

・社員がシイエヌエスで働くことを誇りに思える魅力を提供し、その魅力のもと高いサービス精神、チームワークを発揮し続け、顧客企業及び社会の発展に貢献する

 これら展望を踏まえ、当社グループは次なるステージ上がるべく2025年5月期から2027年5月期までの3か年の中期経営計画に取り組んでおります。2030年をターゲットとする当社の目指す『「人を想う」事業やサービスを通じて社会的課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、組織改革の推進と提案力強化、及び社会課題解決に向けたビジネスの創出に取り組んでまいります。

 初年度である2025年5月期は業績予想を達成することができませんでした。反省を踏まえ、中期経営計画の達成に向けて取り組みを加速させるため、2026年5月期は組織体制を大きく変えて本部制を敷き、中期経営計画の施策も以下のとおりより具体的にし、明確化いたしました。

■コア成長戦略

<戦略1 事業基盤の強化>

 高度プロフェッショナル人材登用と注力領域への増強

 ・ERPスペシャリスト登用

 ・生成AIに必要なハイスキル人材の獲得

 ・マネジメント層の補強

<戦略2 新たな顧客獲得による事業規模拡大>

 グローバルネットワークの構築・拡大

 ・他社サービスや技術の活用

 ・新規顧客開拓

<戦略3 ソリューションの拡充による市場拡大>

ERPビジネスの拡大

 ・OracleERP/mcframeビジネスへの参入

■強化成長戦略

<戦略4 新たなビジネス機会の創出に向けた提案力の強化>

 マーケティングからDX技術の提供までを可能とする一貫した営業体制の構築

<戦略5 社会課題を起点としたビジネスの創出>

 モダナイゼーションビジネスの実現

 これら成長戦略を推進することで、2026年5月期の連結業績は、売上高8,253百万円(前期比17.8%増)、営業利益557百万円(前期比0.3%増)、経常利益575百万円(前期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益427百万円(前期比0.0%増)を予想しております。なお、利益面について、2025年2月(本社移転に関するお知らせ)及び2025年7月(定款一部変更のお知らせ)のとおり、本社移転を予定しているほか、中期経営計画の施策として高度プロフェッショナル人材の採用やオラクルビジネスの拡大等に投資を行う計画であるため、利益成長の鈍化を見込んでおります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 新中期経営経計画(2025年5月期~2027年5月期)の最終年度における目標数値及び達成状況を判断するための客観的な指標として以下のとおり設定いたしました。

(4)経営環境

 当社グループは、システムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントでありますが、サービス事業としてデジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業、システム基盤事業、業務システムインテグレーション事業、コンサルティング事業を展開しております。

 なお、2026年5月期より組織体制を大きく変更し、本部制を敷くこととなりました。先端技術の活用により顧客の課題解決を主な目的とするテクノロジーソリューション事業、顧客業務視点に立った課題解決を主な目的とするビジネスソリューション事業、新規顧客・案件開拓に向けて顧客接点を増やすことを主な目的とするコンサルティング事業をそれぞれ担う3つの本部となります。

 当社グループが属する情報サービス産業においては、DXを推進する動きが活発化しております。これまで情報システムはお客様ビジネスの構成要素の一部として扱われておりましたが、昨今の急激な環境変化に対応し、ビジネスの成長を拡大する上でデジタル技術を駆使した情報システムを経営の基本骨幹とされるように変化しております。

 DXの市場動向については(2)経営戦略等に記載しているとおりであり、デジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業の需要は変わらず堅調であり、デジタル技術を活用する基盤としてシステム基盤事業の成長も後押ししております。他方、IT人材不足を背景に、IT・デジタル人材の採用環境は厳しい状況となっております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①オリジナルサービスの拡大

 当社グループは受託型のエンジニアリングサービスやシステム開発に特化し、お客様との取引を拡大してまいりました。一方、少子高齢化による労働人口の減少が進み、人材獲得競争は激化し、労働市場の流動性も高まっております。このため当社は、受託型以外のビジネスモデルの構築に取り組み、2022年10月に当社初のブランド「U-Way」を立ち上げ、オリジナルサービスの提供を開始いたしました。中期経営計画において、U-Wayシリーズの事業展開による売上高20億円を目指しておりますが、この目標の達成に向けて、各事業においてオリジナルサービスの開発・販売拡大に取り組みます。

②新規顧客の獲得

 これまでの受託型ビジネスにおいては、主に既存顧客との安定的な取引により業績拡大してまいりました。今後、持続的な成長を実現していくためには、受託ビジネスの姿勢から脱却し、攻めの姿勢に転じることが重要であると考えております。マーケットニーズの把握、顧客ニーズの深掘りの取り組みを強化するとともに、主体的な提案活動による顧客接点の拡大や、ITベンダーやお客様とのパートナーシップの増強により、特に新たなエンドユーザーの獲得に向け取り組んでまいります。2025年5月期 期初に組成した部門横断チームを、2026年5月期よりセールス本部に昇格させております。当該部署が全社における営業戦略の立案・推進してまいります。

③業容の拡大

 当社グループは、2030年度における目指す姿『「人を想う」事業やサービスを通じて社会課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、社会課題を起点としたビジネスの創出を強化成長戦略の一つに掲げております。2022年5月期より、成長戦略のうちの1つとして「ソリューションの拡充による市場拡大」に取り組んでおりますが、技術領域を拡大することで提供サービスの拡充を図るものであり着実にサービス数は増加しております。今後は、事業会社だけではなく中央省庁や地方自治体に向けた提案も行っていくことで、様々な案件を通して社会課題ソリューションの開発ノウハウの蓄積に努め、業容の拡大につなげてまいります。

④人材の確保と育成・働き方改革の推進

 企業成長には優秀な人材の確保・育成は不可欠であり、情報サービス産業は人材こそが全てである業界と言えます。しかしながら、少子高齢化が進む中、業種・業態を超えた人材獲得競争は激化、高度IT人材の不足も深刻化しております。そのため、従業員の働きやすい環境づくりを推進し人材確保に努めるとともに、能力を向上させるための研修、資格取得の推奨を実施しております。中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)における重点施策のうちの一つに、人材戦略の強化として、人事制度改革の完成を掲げており、社員の能力を最大限に発揮させる評価制度の構築、高度人材の認定制度の確立に取り組んでまいります。社員の働き方については、ワークライフバランスに配慮しつつ、生産性及び品質の向上を実現することが重要な課題であると認識しております。また、離職率の低下、及び働き方の多様化促進を目的にフルテレワーク制度を導入しております。社員の健康や意欲を損なわない環境を保ち続け、事業の健全な継続を実現するとともに、社員の仕事へのやりがい、誇りを高めてまいります。

⑤内部管理体制の強化

 業務運営の効率化やリスク管理、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部管理体制の整備を推進するとともに、労務管理上の問題や情報漏洩、ハラスメントなどが発生しないようコンプライアンスの強化にも努めてまいります。

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