企業兼大株主サンゲツ東証プライム:8130】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

1)価値創造の変遷

1849年の創業、1953年の会社設立以来、当社グループは内装に係る壁装材、床材、ファブリックなどのインテリア商品の卸売事業をコアビジネスとして業容を拡大し、1960年に1億円であった売上高が1997年には1,300億円に至り、高成長を遂げてきました。また、商品企画・開発、デザイン、物流、施工など各種機能の強化を進め、市場における確固たるポジショニングを構築してまいりました。

 日本国内での建設投資のピークアウトとともにインテリア商品の卸売事業の成長は鈍化する一方、2000年代に入ってエクステリアや海外など新たな事業に参入し事業領域の拡大を進めてきました。

 特にこの10年においては、成長投資を加速し、国内外でのM&Aの実行、重要な事業インフラである物流・ITなどへの投資、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本の強化を積極的に進めています。

 こうした施策が功を奏して、連結営業利益(率)は、2014年度80.3億円(6.1%)から2024年度181.7億円(9.1%)に大きく伸長しています。

 持続的な成長と価値創造を目指し、2020年度よりスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]では、「スペースクリエーション企業」への転換を掲げ、中核事業(インテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業)の深化・変革と、新規事業の探索・創出を積極的に進めることとしています。また、2023年度よりスタートした3カ年の中期経営計画[BX 2025]では、この3カ年を次の飛躍に備える期間と位置付け、人的資本、デジタル資本、ソリューション提供力、エクステリア事業と海外事業、社会価値の5つを重要施策として掲げています。

 当社グループは、この長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる施策を着実に実行し、市場のニーズ、社会課題に真摯に取り組むことで、さらなる企業価値向上を目指しています。

2)サンゲツグループの企業理念

 当社グループは、創業の精神を尊重しつつ、事業環境の変化に応じた組織体制や経営戦略の見直しおよび諸施策の実行を通じて、経済価値・社会価値両面での企業価値向上に努めてきました。その事業環境の変化は、デジタル化の進展、地政学リスク、環境問題や格差問題をはじめとする社会課題の複雑化などと合わせて、一段とドラスチックになっています。また、当社グループとして、事業規模・事業領域の拡大、国内外グループ会社数の増加など連結経営の深化、多様性の加速など、今後の成長に向けた具体的な打ち手が進み出しています。

 こうした状況の下、新たな価値創造、次元を超えた成長の実現、社会課題の解決など、当社グループが果たすべき役割を明確化し、ステークホルダーの皆様とともに具体的なアクションに結び付けていくためには、当社グループの価値観を表す企業理念の全面的な見直しが必要と判断しました。2022年12月に「企業理念検討・浸透プロジェクト」を立ち上げ、グループ会社の社員を含めて中堅・若手社員も多数参加するボトムアップのプロセスで議論・検討がなされ、2024年1月に新たな企業理念を公表いたしました。

 新たな企業理念では、最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとして定めており、事業の中心である空間創造を通じた企業活動による経済価値と社会価値の創出を通じて「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指しています。

・企業理念浸透プロジェクト

 当社グループでは、社員一人ひとりが企業理念の理解を深め、自らの業務や企業活動との結びつきを実感してもらうために、企業理念の浸透に向けた活動を行っています。2024年には全国各支社でワークショップを開催し、グループ社員を含む有志社員が参加しました。企業理念が、当社グループで仕事を進める上での“考え方の指針”となり、社員一人ひとりが企業活動の変革を進める当事者となるように、ボトムアップでの取り組みが進んでいます。

(参考 ワークショップの様子)

3)価値創造プロセス

 当社グループは、企業理念の実現を目指して、長期ビジョン[DESIGN 2030]、中期経営計画[BX 2025]のもと、「スペースクリエーション企業」への転換を進めています。価値創造プロセスでは、外部・内部環境やマテリアリティ等を踏まえて、当社が競争力を有する4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力と、新たな成長機会となる次世代事業の探索・創出により、ビジネスモデルの変革を通じた「経済価値と社会価値の創出」を目指すというストーリーを示しています。

4)Sangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]

①目指す企業像

 サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ

 人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4つの機能、すなわち

・それぞれの市場に最適なコンセプトに基づく魅力的な空間デザイン提案機能

・高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案するスペース材料提供機能

・品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能

・さまざまな事業、人的関係、企業連携を通じての規模と総合性・機動性のある施工機能

 の4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力により、グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業を目指します。

②外部・内部環境(前提となる環境認識)

 長期ビジョン策定時点(2023年5月)に想定した外部・内部環境およびその課題は以下のとおりです。

 一方、事業環境の変化は加速度的に進んでおり、本書提出日現在の外部・内部環境およびその課題については以下のとおり認識しております。

<外部課題>

・主力市場である日本では、人口減、高齢化等により新築住宅市場を中心に市場規模は想定よりも縮小傾向

・大都市圏におけるインバウンド・オフィス需要などをはじめ、半導体等新工場が立ち上がる地方など、特定の市場・地域では需要が伸長

・低環境負荷商品等の社会課題の解決に繋がる商品の需要は増加

・製造・物流・施工を担う人手の不足、原材料費・物流費・人件費等が継続的に上昇

<内部課題>

・国内インテリアセグメントの収益が着実に拡大する一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献が限定的である

・海外、エクステリア、空間総合の3事業における専門人材が不足している

・壁装材、床材に次ぐ、空間を構成する商品ポートフォリオの拡充が十分でない

・グループ会社を含め販管費の増大が先行していて、収益への貢献が遅れている

 これら外部・内部課題の解決の根幹には、人的資本・デジタル資本の強化が最も重要であると認識しており、長期ビジョンおよび中期経営計画に基づくさらなる施策を展開してまいります。

③マテリアリティ

 当社グループは、2024年に策定した新たな企業理念において、企業活動を通じて「空間」に係る経済価値、社会価値の双方を実現していくことを示しました。その実現には、現在の経営資本において足りない資本を高度化、付加していくことで、ビジネスモデルを変革していくことが必要です。そして、その変革を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組み社会貢献を実現していくことで、さらなる企業価値の向上に繋がっていくと考えています。

 現在、そうした考え方や、事業環境の変化、ステークホルダーとの継続的な対話等を踏まえて、長期ビジョンを視野に入れた、経済価値、社会価値の創出に結びつく重要課題の見直しを進めています。

④長期ビジョン達成に向けた基本戦略

 この基本戦略によるビジョンの達成を通じ、私たちは、次の社会的価値の実現を目指しています。

[サンゲツグループが実現を目指す社会的価値]

 サンゲツグループは、

Inclusive

(みんなで)

:誰もが安心して快適に過ごせるインクルーシブな社会の実現

Sustainable

(いつまでも)

:地球環境を守るサステイナブルな社会の実現

Enjoyable

(楽しさあふれる)

:より豊かでエンジョイアブルな社会の実現

 社会の実現に貢献します。

 定量目標

2030年3月期

連結売上高

2,500億円

 

 

連結営業利益

270億円

 

⑤スペースクリエーション企業の先の展開(次世代事業)について

2020年以降、「スペースクリエーション企業」への転換に向けた取り組みを通じ、当社はこの新たな事業モデルの将来性や有効性を確認してきました。前述の通り、国内インテリアセグメントは計画通りに伸長した一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献は現時点で限定的なものに留まっています。また、国内インテリアセグメントにおける空間総合事業については、当初想定した時間軸での成長に至っておりません。当社としては、こうした現在向き合っている中核事業の深化・変革を一段と進め、収益基盤をより強固なものとしてまいります。同時に、今ある資産、組織、ビジネスモデルだけで長期的な成長が実現できる訳ではなく、未来の市場に備えるべく、次世代事業の探索・創出が必須となります。

 現在の事業領域の周辺にあるさまざまな可能性と、当社グループの競争優位性のシナジー創出を見極めながら、企業理念の実現に資する事業展開を、ステークホルダーの皆さまと共創しながら構築していきたいと考えています。

5)中期経営計画(2023-2025)[BX 2025] ※BX=Business Transformation

 市場における確固たるポジショニング、商品企画・開発、デザイン、物流、施工等の各種機能の継続的な強化、成長投資の実行等を背景に、そして、2021年から2022年までの3回に亘る商品取引価格の改定が重なり、前中期経営計画(2020~2022)[D.C.2022]最終年度の2022年度に利益の大きな伸長を果たしました。

2025年度を最終年度とする中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の3年間については、収益基盤をさらに強固なものとすべく成長投資を加速し、次の飛躍に備える期間と位置付けております。2025年度は、2020年度にスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]の折り返しの年度であり、スペースクリエーション企業への転換を進めていく上で、インテリアをはじめとする中核事業の深化・変革、そして次世代事業の探索・構築に向けて各種施策を迅速に実行してまいります。

 この中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の基本方針、施策、資本政策、定量目標は以下のとおりです。

 なお、2025年5月14日に公表の通り、中期経営計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の定量目標の一部を見直しております。詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の「(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」および「(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

①基本方針

中期経営計画(2023-2025)

[BX 2025]

-次の飛躍に備える3年間-

 スペースクリエーションの価値を高めるソリューション力を強化・拡充し、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換、主要商品・市場の事業拡張に加え、商品の拡充、エクステリア事業・海外事業の拡大を実行する。

 また、さらなる長期的成長を可能ならしめる事業を展開するべく、スペースオペレーションを含む次世代事業の可能性を検討する。

②施策

 各施策に関する2025年3月期の進捗状況は、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。

https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.html

 なお、「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」「社会価値の向上」に関する進捗の一部は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」もご覧ください。

③資本政策

<株主還元方針>

・2026年3月末の自己資本を950~1,050億円とする

・株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す

・市場の状況により自己株式の取得も検討する

<資金配分計画>

中期経営計画期間中資金創出

 

資金配分

 

期初保有現金同等物

270億円

 

成長投資

200~250億円

 

営業CF

470~510億円

 

株主還元

250~350億円

 

借入金増減

▲80~60億円

 

期末現金同等物

200~250億円

 

④定量目標(2025年度(2026年3月期)目標)

<経済価値>

 

単位

目標

2023年度実績

2024年度実績

① 連結売上高

億円

2,100

1,898

2,003

② 連結営業利益

億円

190

191

181

③ 連結当期純利益

億円

130

142

125

④ ROE

11.5

14.1

11.4

⑤ ROIC

14.0

14.8

13.7

⑥ CCC

70.0

71.5

72.0

2025年5月14日公表の「中期経営計画の目標見直しに関するお知らせ」において、一部目標を見直しております。

<社会価値>

・地球環境

 事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減

 

単位

対象

目標

2023年度実績

2024年度実績

GHG排出量

t-CO2e

連結

2021年度比

28%削減

26,836

(11.9%削減)

23,592

(22.6%削減)

GHG排出量

t-CO2e

単体

2018年度比

60%削減

4,871

(40.0%削減)

4,057

(50.0%削減)

使用エネルギー量

GJ

単体

2018年度比

6%削減

121,626

(17.9%削減)

117,339

(20.8%削減)

リサイクル率(有効利用率)

単体

90%以上

74.5

84.1

2024年度実績につきましては速報値であり、GHG排出量(連結・単体)と使用エネルギー量(単体)の正式な数値については第三者認証の取得が完了したのち、当社Webサイトにて開示させていただきます。

・人的資本

 社員の健康と能力開発、風土改革

 

単位

範囲

目標

2023年度実績

2024年度実績

非喫煙率

単体

85%以上

79.1

78.6

人的資本投資額

億円

単体

3年間合計

7億円

2.3

2.7

キャリア採用者数

単体

3年間合計

60~80名

49

39

エンゲージメントスコア※

単体

58.0(A)

53.7(BB)

57.7(BBB)

※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。

 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進

 

単位

範囲

目標

2023年度実績

2024年度実績

女性管理職比率※1

単体

25%以上

(2026年4月時点)

21.2

22.8

障がい者雇用率

単体

4%以上

(2026年3月末時点)

3.5

3.2

男性育休取得率※2

単体

2週間以上

100%

2週間以上

100%

2週間以上

100%

※1 人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。

※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。

・社会資本

 コミュニティへの参画

 

単位

範囲

目標

2023年度

実績

2024年度

実績

児童養護施設改修活動

連結

50件/年間

59

55

マッチングギフト

S-mile

(※)

連結

18,000

13,238

18,289

外部団体への寄付を含めた

社会貢献活動費

千円

連結

年間経常利益の

0.3%~0.5%を目途とし、

寄付は特定の団体に

継続的に実施する

43,985

32,234

※社会貢献活動の促進を目的とした「サンゲツグループマッチングギフトプログラム」において、社員の社会貢献活動に対しスマイルポイント(S-mile)を付与し、そのポイントを金額換算して支援先のNPO等の団体へ寄付しております。基準となる活動は、会社が主体となって実施する「サンゲツグループボランティアクラブ」での活動に加え、社外での福祉施設支援・被災者支援・国際交流・地域活動・青少年教育・NPO支援等の個人活動を対象とし、全国の社員が地域によらず積極的に参加できるよう活動の支援を行っております。

 なお、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]につきましては、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。

https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/management/medium_term_plan.html

(2)経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(経営環境における次期の見通し)

 次期においては、世界経済は米国の関税政策による地政学的リスクの高まり、ならびに為替変動や金融政策などを一因とした各地域の需要環境の変化をはじめ、エネルギーや原材料価格、調達コストへの影響等に注視が必要であり、依然として不透明な状況が続く見通しです。

 当社事業にもっとも影響が大きい国内建設市場は、住宅市場においては建築コストの高止まりや人手不足等を背景とした住宅需要の抑制により、新設住宅着工戸数・着工床面積は前年同期比で弱含みの状況が続くと予想されます。非住宅市場においては新築需要に力強い伸長は見込めないものの、インバウンド需要によるホテル・宿泊市場や、オフィスリニューアル市場の高まりが伸長要素になると考えられます。

 こうした事業環境において、当社グループは競争優位性である空間デザイン提案、スペース材料提供、在庫・配送・物流、施工の4機能の一段の強化ならびに4機能の連携に裏付けられた、市場・顧客に応じた適正なソリューション提案活動を拡大させていくとともに、マーケットを起点にした市場ニーズ、社会課題に向き合う商品やサービスを投入していくことで、市場でのポジショニングをさらに高めていく考えです。また、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本への投資や、変革と成長に向けた戦略投資を加速してまいります。

 収益面においては、引き続き原材料費や物流費の増加が見込まれ、人件費をはじめとする販管費も上昇しますが、こうしたコスト増に対しては、2024年12月に実施した国内インテリアセグメントを対象とする価格改定効果の一巡と、優先順位や投資効果を見極めたコストコントロール等により吸収する考えです。

 なお、当社仕入先工場の火災の影響により2025年2月以降受注停止している一部床材商品については、代替生産等による供給体制を再構築し、2025年度第2四半期ごろから段階的な販売再開を見込んでいます。

 これまで営業損失が続いている海外セグメントにおいては、次期以降の黒字転換ならびに収益創出を目指して、各地域において以下の取り組みに臨みます。

 増収増益基調が定着した北米では、主力のホテル分野をはじめとして市場環境は堅調に推移すると見込まれ、ホテル大手チェーン・大型物件などの案件獲得や、生産現場での原価低減活動の推進により、2024年度比で増収増益を見込んでいます。安定しつつある事業基盤をベースに、商品ポートフォリオの拡充や事業規模の拡大等に向けた成長投資を進めてまいります。

 一方、東南アジア、中国・香港で展開しているインテリア商品の卸売事業については、経営体制の刷新をはじめとして組織体制やコスト構造の見直しを含め、事業基盤の再構築を進めています。また、2024年度に参画したシンガポールでの設計・施工事業においては、安定した受注による利益貢献が通期で反映されるとともに、卸売事業とのシナジーの創出や、当社グループにおける空間総合事業の起爆剤として各社との連携強化に努めてまいります。

2023年度および2024年度に収益が停滞している国内エクステリアセグメントについては、先行投資となった地域や領域の拡大が功を奏して、次期においては収益の回復が見込まれます。

(経営環境における中期視点の見通し)

 長期ビジョン[DESIGN 2030]を視野に入れた時間軸において、国内の事業環境としては、オフィスやホテルなどの需要は堅調に推移する一方、人口減少、建設費高騰の影響を特に受ける住宅需要は弱含みになると予想されます。長期ビジョン策定時に想定した経営環境と比較しても、人口減少、高齢化などを背景とする人手不足、原材料費・物流費・人件費等コストの継続的な上昇は一段と顕著になっており、当社グループとして優先的に対処すべき課題として強く認識しております。

 このような状況下、国内インテリアセグメントにおいては、競争優位性のある4つの機能を高度化し、新たな成長機会をとらえた商品ポートフォリオの拡充、空間総合事業の基盤強化を進めるべく、オーガニック、インオーガニックな戦略を遂行していきます。

 国内エクステリアセグメントにおいては、ここ数年で実行してきた地理的拡大、事業領域の拡大を早期に収益に繋げるとともに、当社グループ一体としてのインテリア、エクステリアのシナジー創出を図ります。

 海外セグメントにおいては、各地域の市場特性、市場ニーズに沿ったビジネスモデルを構築、強化するとともに、当社グループが有する各種機能を横展開、ローカライズすることで、事業基盤の確立と成長戦略の推進に臨んでまいります。

 当社グループは中核事業であるインテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業の深化・変革を進めるとともに、未来の市場に備えるべく次世代事業の探索・創出を実現していくことで、「スペースクリエーション企業」への転換を図り、持続的な成長を目指していきます。

PR
検索