企業兼大株主サンエー化研東証スタンダード:4234】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、「未来に向けて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献する」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。

 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。

 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。

(2)経営戦略等

 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。

 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について特に定めているわけではありませんが、売上高営業利益率を収益性の指標として使用しております。

(4)経営環境

 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。

 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。

 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。

 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 現在、我が国経済は緩やかに回復しておりますが、その成長は力強いものとは言えません。政府も慎重な見方を示しており、実質GDP成長率や企業収益の回復見通しを引き下げる動きを見せています。その背景には、米国や中国といった主要貿易相手国の経済減速懸念があります。

 一方で、個人消費は緩やかに増加しており、雇用・所得環境の改善によって消費マインドの支えとなっています。しかし、家計に占める支出割合の大きい食費や光熱費が上昇しており、物価高の影響を強く受けています。そのため、賃金が改善しても、消費者は慎重な支出を続け、節約志向が根強いのが現状です。そのような状況のなか、当社グループでは、設備の統廃合を中心とした合理化、そして製品の値上げといった利益確保のための活動を推進しております。従業員の安全とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門毎に以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。

(軽包装部門)

 軽包装部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。

 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材にも、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販し、販売数量の回復、売上確保に努めてまいります。

 また、プラスチック容器包装の廃棄によって生じる様々な環境問題に対処するため、プラスチックボトル代替品として、内容物に応じた強度と耐性をもつパウチを開発、商品化することで、プラスチックごみの減容化に貢献してまいります。また、紙や生分解性プラスチックを主原料とする包材の開発や、リサイクルが容易なモノマテリアル化にも積極的に取り組んでまいります。

(産業資材部門)

 産業資材部門につきましては、取扱製品のほとんどが中間製品ということもあり、昨今の円安と材料価格高騰によるコストの増加への対応が追い付かず、厳しい事業環境に置かれております。そのような状況を打開するため、高い生産能力とクリーンな環境という特長を有する掛川工場WESTを中心とする生産体制への移行と設備の統廃合に取り組んでおりますが、今後はその活動を加速し、早期に低コスト構造への転換を実現いたします。

 シノムラ化学工業株式会社との垣根を超えた設備、人材の最適化は着実に進んでおります。今後はグループ全体で生産効率の改善と製品価格の適正化をより一層推し進め、収益性の向上に努めてまいります。

(機能性材料部門)

 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。昨年11月に株式会社レゾナックから譲り受けた保護フィルム事業については、現在当社品への切り替えを順次進めており、収益化は今後の課題でありますが、同社から引き継いだ生産技術や取引先との交流を通じて、当部門の既存事業とのシナジー創出につなげることを目指します。

 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。

 当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。

(6)その他、会社の経営上重要な事項

 該当事項はありません。

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