企業兼大株主サムコ東証プライム:6387】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は「企業の永続的な発展を追究し、適正な利益を確保することにより、企業を取巻く利害関係者と共に成長する企業を目指して、薄膜技術で世界の産業科学に貢献する。」ことを経営理念とし、

①社員の創造性を重視し、常に独創的な薄膜技術を世界の市場に送る。

②直販体制を採用し、ユーザーニーズに対応した製品をタイムリーに提供する。

③事業が社会に果たす役割を積極的に認識し、高い付加価値を目標とし、株主、取引先、役員、従業員に対し、適切な成果の配分をする。

 を経営方針に掲げ、事業を展開しております。

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題等

 今後の経済環境につきましては、世界経済は米国の関税政策の影響や継続する地政学的なリスクへの懸念などにより緩やかな成長にとどまると見込まれます。一方、当社の製造装置利用目的の多くを占める半導体分野においては、AI関連投資への需要を中心に引き続き堅調に推移するものと見られております。

 このような中にあって、当社は、「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」という経営理念のもと、研究開発型企業として成長してきた高度な技術力に更に磨きをかけると同時に、蓄積した技術を生産機市場で活かすことで、事業規模の拡大を図っております。加えて、当社のコアテクノロジーである「薄膜技術」は医療、バイオ、環境といったライフサイエンス及びエネルギー分野に活かすことが可能であり、中期的には当社の新規事業、新分野として成長させることを目指し事業を展開してまいります。

 このような環境の下、新たな中期経営計画 第47期~第49期(2025年8月1日~2028年7月31日)を策定し、以下の重点課題に取り組み事業計画の達成に努めております。

① 新しいプロセス及び新規装置の開発、販売

 お客さまが必要とされる様々な開発ニーズにお応えできるよう、当社で製造する装置の性能向上に努め、他社と差別化した独自の材料やプロセスを用いた開発に取り組んでまいります。

 日々新しく生み出される化合物半導体及び電子部品分野における多様な顧客要望に応える新規装置やプロセスの開発も行ってまいります。

② 生産機販売の強化

 強みである研究開発向けの販売に引き続き注力することに加え、更なる企業成長を目指し、生産機(電子部品メーカーなどの生産現場での稼働を目的とする装置)向けの販売の強化にも力を入れます。生産向けのお客さまのニーズやご要望に精通した専任担当を任命し、製品の製造にあった適切な装置・プロセスの提案を通じてお客さまニーズの実現に協力いたします。また、生産機の販売増加に伴い増大する部品・メンテナンスの需要にお応えできるようアフターサービス体制の強化も行ってまいります。これにより、装置と部品・メンテナンスの相乗効果を創出し、持続的な売上拡大を目指してまいります。

③ 海外販売の拡大

 新たな市場開拓のため、将来の成長期待の高い海外への事業展開を積極的に行っております。現地の営業・サービス人員を強化するとともに、本社からのサポート体制を充実させ、海外市場の開拓を図っていきます。引き続き、北米、台湾、中国、韓国のシェアを拡大しながら、欧州、インド等の新たなマーケットの開拓により、海外売上高比率50%以上を目指してまいります。

④ 生産体制の拡充

 売上高の増加に対応し、生産体制の充実を行います。

 当社の製造に関しては、自社の企画設計により協力会社に製造を委託し、製品出荷前に調整、性能・品質検査を行い販売しております。自社建物に関しても、既存施設のレイアウトを見直し効率化することで生産能力の増強を計画しています。更に、工程の見直しによる生産の平準化などを通じて、設備の稼働効率の向上を図ります。

⑤ 更なる成長に向けた人員育成・活躍の実現

 当社にとって最大の資産は人材であります。既存の人材を強化・育成し、新たに優秀な人材を獲得することが当社の企業価値を決定し、成長の大きな原動力となります。人事制度の見直しや評価システムの整備を行い、社員に魅力ある環境を整備しております。

⑥ サステナビリティへの取り組み

 当社はサステナビリティ経営を推進するために、2022年8月に社長を委員長とする「ESG委員会」を設立いたしました。同委員会では、装置のCO排出量抑制をはじめとする環境負荷低減に向けた各種施策を検討・実施しております。また、2006年6月に制定した「サムコ環境方針」を遵守し、装置の設計にあたっては、省エネ効果の高い部材を使用することを進めるなど、製品の環境負荷低減にも継続して取り組んでまいります。

※「サムコ環境方針」

1) 環境方針の周知徹底

環境方針を全社員に周知します。また、協力会社へも周知し、理解と協力を要請します。

2) 環境教育を推進し、全社員の環境意識の向上を図ります。

3) 環境関連法規の遵守

法規制、条例およびその他の要求事項を遵守します。

4) 環境重視の製品開発

環境に調和するプロセス開発に取り組むとともに、それを活かした製品においては、製造から廃棄に至るまでを考慮した環境負荷軽減型の製品開発に努めます。

5) グリーン調達

調達する原材料、部品について、環境影響を考慮するよう調達先に働きかけます。

6) 環境負荷の軽減

エネルギーの効率的な利用および3R(リデュース・リユース・リサイクル)に積極的に取り組み、環境負荷の軽減に努めます。

7) 全てのサムコ製品は省エネルギー、省スペースを基本に製造・販売を行い、環境負荷の軽減に努めます。

(3)目標とする経営指標

 当社は中期的にも収益力の高い企業であり続けようと考えており、装置製造原価率(装置製造原価/販売価格)及び売上高営業利益率を重要な経営指標として管理しております。また、海外販売の拡大に取り組んでおり、中期的には海外売上高比率を50.0%以上に引き上げる方針であります。

 なお、前中期経営計画 第44期~第46期(2022年8月1日~2025年7月31日)では、装置製造原価率50.0%未満、売上高営業利益率20.0%以上としておりましたが、新たな中期経営計画では、収益力の更なる強化を図り、装置製造原価率を45.0%未満に引き下げ、売上高営業利益率を25.0%以上に引き上げております。

 株主、取引先、従業員等のステークホルダーにとって魅力ある企業を目指し、成長力と収益力の向上を図り、適切な利益配分により企業価値の向上を目指してまいります。

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