サックスバーホールディングス 【東証プライム:9990】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、傘下に鞄・袋物及び財布・雑貨類の小売販売の株式会社東京デリカ、アクセサリー・雑貨の小売販売の株式会社カーニバルカンパニー、帆布製バッグ・小物の企画・製造・販売の株式会社三香堂、メンズバッグ・財布・雑貨の小売販売の株式会社ギアーズジャム、メンズバッグ・トラベルバッグのメーカーのアイシン通商株式会社、メンズバッグ・トラベルバッグの卸売販売のロジェールジャパン株式会社を擁しており、各事業会社の独立性を高めて権限及び責任を明確にし、グループシナジーを追求することによりグループ企業価値の最大化を目指してまいります。また、各事業会社はそれぞれの責任を全うし、独自性を発揮しながら利益の拡大、資本効率の向上を図ってまいります。
当社グループは「感動クリエーションカンパニー」を標榜し、メーカーの分野においては「感動する商品」の企画・製造に取り組み、ファッショングッズリテール分野においては最高レベルの商品のセレクト及びディスプレイ、店舗内装、接客等を実現した店舗の中でお客様に感動体験をしていただくことを使命として企業活動を行なってまいります。
当社グループの主たる事業内容は、鞄・袋物及び財布の企画・製造・小売販売であり、鞄・袋物業界に属しております。鞄・袋物業界の小売市場規模は2021年度で10,589億円、そのうち、鞄専門店の売上は3,350億円であります。(株式会社矢野経済研究所「鞄・袋物産業年鑑2022~2023年版」による)
株式会社東京デリカは鞄専門店の中で第1位のシェアを有しております。ナショナルブランド商品を主力とした品揃え型の専門店として全国規模に出店しているのは株式会社東京デリカのみであり、売上高、店舗数において第2位以下の同業他社には大きな差をつけております。全国の有力商業施設の大半に出店をしておりますが、新規の大型商業施設には積極的に出店してまいります。また、アクセサリー、時計、ソックス、軽衣料、傘等の雑貨類にも積極的に取り組み、大型店舗での併設、単独店舗の出店を行なってまいります。
さらに、PB商品、NPB商品の強化に注力し、商品の差別化、粗利益率の向上を図るとともに、新規業態開発にも積極的に取り組み、さまざまな業態で自社競合を避けながら出店を行なってまいります。また、既存店舗の大型化・活性化、近隣店舗の統合や不採算店舗の退店を推進し、店舗網の整備、充実を図ってまいります。EC事業については、新規カテゴリーの導入に努め、売上の拡大を図るとともに、OMO施策によりお客様を店舗に誘導し、リアル店舗の有効活用、活性化を図ってまいります。
株式会社カーニバルカンパニーは、高感度のアクセサリー小売専門店を展開しております。駅ビル・ファッションビルには「Tees Cees」、郊外型の大型商業施設には「Banana」というショップブランドで出店しております。
株式会社三香堂は、国内で企画・製造した商品を主として「日乃本帆布」というショップブランドの店舗で小売販売しております。出店立地は、駅ビル、観光地、高速道路のサービスエリア等であります。商品開発、株式会社東京デリカへのコラボ商品の供給、新規出店等に注力し、「日乃本帆布」のブランドイメージの確立及び事業規模の拡大を図ってまいります。
株式会社ギアーズジャムは、「GEAR’sJAM」、「JAMHOUSE」のショップブランドを有し、メンズバッグ・財布・雑貨等の小売販売を行なっており、リーズナブルな価格帯を中心とした商品構成を行なっております。
当社グループの海外での店舗展開については、将来の進出を視野に入れて、情報収集・分析等を行なってまいります。
アイシン通商株式会社は、機能性・デザイン性に優れた商品開発、有力ブランドとの提携等により、市場競争力の高い商品の開発に努めてまいります。
ロジェールジャパン株式会社は、営業力を強化し、業容の拡大に努めてまいります。
さらに、事業領域の拡大を目指し、メーカー部門への進出や周辺業界への取組みを行なってまいります。M&A等によりメーカー部門への進出を図り、当社グループの製造機能を拡充し、オリジナル商品開発力の強化や利益率の向上を図ってまいります。周辺業界への取組みについては、株式会社東京デリカにおいて既存の事業との相乗効果を見込める分野の商品群を導入して来店客数の増加、店舗効率の向上、売上の拡大、店舗の大型化をつなげるとともに、当社グループとして、新たな子会社の設立や有望な企業のM&A等により独立事業として新しい分野の事業展開を図り、業容の拡大を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重視しております。2024年3月期については、売上高53,379百万円、営業利益3,589百万円、売上高営業利益率6.7%、自己資本利益率(ROE)8.1%を目標としております。
中期的には営業利益率8%以上、ROE10%以上を安定的に達成することを目標としております。
(3) 経営環境と対処すべき課題
次期につきましては、物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりが懸念されますが、コロナ禍の収束による人流の回復、社会活動の活発化、インバウンドの復活等を絶好のチャンスと捉え、商売を通じてお客様を始め、関係する皆様に満足していただきたいという「商人魂(あきんどだましい)」をテーマに業績のさらなる向上を目指してまいります。
「OMO(Online Merges with Offline)施策」として、コロナ禍の厳しい状況下で、アプリ会員の獲得に注力し、当期末の会員数は54万人になり、顧客とのコミュニケーション力が大幅にアップしてまいりました。次期も引き続いて新規会員の獲得に努め、さまざまな新商品やクーポン、キャンペーン等のお得な情報を随時発信してまいります。当期末に導入した自社ECサイトでの購入商品のリアル店舗での受け取りや決済のサービスもフル稼働させ、既存のリアル店舗ECサービス(店舗でタブレット端末を利用してECサイトの商品の購入手続きをし、商品は物流倉庫からお客様に直送する仕組み)とともに、リアル店舗とECを融合させ、お客様の利便性の向上を図ります。
「リアル店舗の施策」として、引き続いて新店の大型化、既存店の増床改装に積極的に取り組んでまいります。それに伴い、取扱商品の新規導入、見直し、拡充を行ないます。また、全国に多数のリアル店舗が存在することを強みとして捉え、「OMO施策」によりお客様を店舗に誘導し、商品を実際に見て、接客を受け、リアル店舗の良さを体験していただくことにより、リアル店舗の有効活用、活性化を図ってまいります。
「商品の施策」として、品質、機能、価格、デザイン等にこだわったPB・NPB商品の開発に注力するとともに、需要の高まるトラベルケースの品揃えを拡充し、売上伸長、粗利益率の向上を図ります。インバウンド需要も中国からの訪日観光客の大幅な増加によりさらに拡大するものと予測され、インバウンド需要の見込める店舗では「made in Japan」商品や大型トラベルケース等の品揃えを拡充してまいります。また、一般店舗でも、日本のこだわりのモノづくりをサポートするために「made in Japan」商品への取組みを強化し、高品質、高価値の商品提供に努めます。
「持続可能社会実現のための施策」としてはリサイクル資材の活用、環境負荷の少ない商品の開発や仕入、PBにおける社会貢献活動等の取組み等を強化するとともに、包装資材のエコ化と簡素化等を図ってまいります。また、日本皮革産業連合会の「革こそサステナブル」キャンペーンに賛同し、皮革製品に対する環境負荷や動物愛護の面からのマイナスイメージの払拭、皮革製品のサステナブルな面の発信をしてまいります。さらに、TCFD提言への対応として、Scope1、2のGHG(温室効果ガス)排出量の算定と削減目標の立案に取り組んでまいります。
次期の見通しにつきましては、小売事業等につきましては商業施設の新設計画等をもとに、新規出店12店舗を見込み、期中退店22店舗を見込んでおります。新型コロナウイルス感染症の感染がある程度抑制され、行動制限などが行なわれない状況で推移することを前提として、既存店売上高はコロナ禍前の売上水準に対して8%減程度までの回復を見込んでおり、さらに個別の店舗の要因を加味して予測を行なっております。株式会社ギアーズジャムは、当期は2022年11月から2023年3月までの5ヵ月間の売上寄与がありましたが、次期は年間フル寄与を織り込んでおります。これらにより、売上高は当期比13.0%増を見込んでおります。また、売上総利益率については0.3ポイントの改善を見込んでおります。製造・卸売事業につきましては、売上高は当期比13.5%増を見込み、売上総利益率については0.7ポイントの改善を見込んでおります。
これらにより、当社グループの連結業績につきましては、売上高53,379百万円(当期比13.0%増)、営業利益3,589百万円(当期比44.5%増)、経常利益3,624百万円(当期比35.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,166百万円(当期比67.8%増)を見込んでおります。
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