コロンビア・ワークス
【東証:146A】「不動産業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針及び経営環境
当社グループでは、「人が輝く舞台を世界につくる」という企業理念のもと、生活空間において個々人がそれぞれに自らの生活を豊かにし、活気ある社会をビジョンとして掲げております。健康で文化的な生活基盤があってこそ、活発な社会生活をおくることができることを前提として、「健康」をテーマにした住宅開発や「芸術」をテーマにしたホテル開発等を行っております。
また、「ハード」×「サービス」をモットーとして、建物を建設するだけの不動産開発ではなく、その建物を使う人が望むであろう「サービス」運営まで提供する不動産開発事業を事業の基本方針として掲げております。具体的には、サービス付きの賃貸住宅を開発することや体験型ホテル等を開発することで競合他社と差別化しております。また、不動産開発開発スキームを多様化しております。これにより、市場環境やプロジェクト特性に応じた開発スキームを採用し、当社の強みである不動産開発のノウハウを活かして、資金効率を高めた資産効率の向上を経営の基本方針としております。
経営環境としては、建築資材の供給制約に伴う建築コストの上昇や、継続する用地価格高騰の影響、金利上昇リスクの高まりといった要素がある一方で、賃貸マンション市場や分譲マンション市場における国内外投資家の購入意欲は依然として高く、一般財団法人日本不動産研究所「第51回不動産投資家調査」(2024年10月現在)においても、今後1年間の投資姿勢として、回答者の94%が「新規投資を積極的に行う」と回答しております。こうした環境下で、当社の住宅開発においてはデザイン性を重視し、サービスを付加した賃貸マンションを開発しており、競合他社が提供する賃貸マンションと差別化し、コスト上昇に伴う価格転嫁を適切に行っております。さらに、非住宅の開発においても、テナント独自の仕様の建物を新築で供給し、長期の賃貸借契約を締結することで安定的な収入が得られる投資商品を開発しており、市場環境に左右されにくい安定的な投資用不動産を開発しております。
また、国内外のファンドやアセットマネジメント会社と接点を持ち、機関投資家向けに当社商品を販売する一方で、国内の事業会社や個人富裕層に対しては多くの不動産仲介会社を通して販売しております。変動する金融環境に対応するべく、自社の資産のみで不動産開発をすすめるだけでなく、建設期間中の開発案件をSPCへ売却した上で、当社グループで開発を進めるファンド型での開発スキームも行っております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、業容拡大フェーズにあることから、配当による株主還元に十分に留意しつつ、事業環境の変化や将来の事業展開に備えた財務基盤の強化や企業経営の安定化を図り、貸借対照表の純資産の充実を重視するB/S経営を経営方針としております。株式上場により資本市場からの資金調達を目指すと共に、市況の変化にも柔軟に対応できるよう、事業の安定化にも努めてまいります。
そのために、従来の用地に合わせた用途を企画する開発のほかにも、需要に合わせたBTS(Build To Suit)型施設の開発を行うなど、開発手法の多様化を図っております。
中長期的には、不動産賃貸管理サービスの拡大や、新たに準備を行っているアセットマネジメントサービスにより、当社グループの開発案件をパイプラインとして収益機会を確保し、事業の安定化を図ることも検討しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、財務基盤の強化や企業経営の健全化を図ることを経営課題としており、資産を効率よく活用した上でリターンを適切に生み出し、利益を確保することで自己資本の充実を図っております。従って売上と営業利益、ROA及び自己資本比率を重視する指標と位置付けております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
a.安定した仕入の実施
当社グループの事業の中心は不動産開発サービスであることから、開発用地の確保が重要な要素となっております。不動産開発サービスでは、大手から小規模に至るまでの仲介業者や不動産所有者に対面を含めて定期的に接触し情報交換を行うことで、有用な情報を確保し、集めた情報を正確かつスピード感をもって分析をして、取り組める余地があるものに対して経営陣が事業性を確保できるのか、リスクの特定と取り得る対応策等について迅速な判断を行うことにより、開発用地の安定確保に努めております。
b.優良案件の確保
当社グループが主に開発用地として取り扱っている都心や首都圏のターミナル駅周辺は競合が激しく、優良な用地を継続的に確保できるようにすることが課題となっております。当社グループの強みとして、コンパクトな組織体制を活かした意思決定の速さにより、他社よりも早く用地仕入を進められること、また上記のように用地に合わせた開発を行う企画や課題を抱える用地に対するソリューション提案を、所有者の売却意向が出始めた早い段階から行うことで、情報の他社流出を抑止できることなどが挙げられます。これらの特徴を活かし、今後も継続して優良案件を確保してまいります。
c.財務体質の強化
当社グループの事業の中心である不動産開発サービスは、開発用地を仕入れ、建設資金を手当てし、不動産開発を行った後に売却をするというビジネスモデルのため、手元資金の他に、銀行からの借入れにより仕入資金及び開発資金を調達しております。今後も開発用地の仕入を継続していく必要があることから、市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うための財務体質の強化が必要となります。そのため、金融機関との円滑なリレーションを構築することや、タイムリーな物件情報の共有により相互理解を深めることで、資金調達が円滑に行われるように意識しております。株式上場の実現により、自己資本が充実し財務体質の強化を図れるとともに、信用力向上による調達金利の抑制も見込めるため、金利上昇局面においても金利負担軽減を図ることができると考えております。
また、資産の効率化をすべく、他社が開発した建物を購入後、当社のノウハウを活かしてリノベーションを実施後、売却するソリューション型のスキーム、建設期間中の開発案件をSPC(特別目的会社)へ売却し、販売後も当社のノウハウを活かし、投資家及びCM(コンストラクション・マネジメント)として関与するファンド型のスキームも継続して行うことで、資本コストを考慮した事業投資にも取り組んでおります。
d.リーシングの多様化
当社グループでは、これまでに他社が実施していないサービスの提供を心掛けるなど、「ハード」×「サービス」をモットーとして事業を展開しており、差別化された賃貸物件の供給を行っております。賃貸不動産のテナントや入居者の募集(リーシング)において、従来は賃貸不動産ポータルサイトや雑誌等へ募集情報を掲載することで一元化して発信を行っていましたが、当社の強みを活かしてSNSや自社ホームページを利用し、直接的にテナント等へアプローチする方法を採用するなど、より多様な手段にてリーシングの強化を行ってまいります。
e.建設コスト上昇や建設技術者不足による工期延長等に対応した開発期間中の工程管理の徹底
建設材料の上昇や2019年4月から順次施工されてきた「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」による人件費の上昇等により、建設工事費用は高い水準で推移しており、建設コストの管理と建設期間中の工程管理は重要な課題です。当社では、各開発プロジェクトを推進するプロダクトマネージャーに加えて、建設コスト試算や工程管理において企画開発部門もプロジェクトに参画し、建設会社との交渉や工事期間中のモニタリングをしております。工期延長等のリスクに迅速に対応できる体制を強化することで、当社の事業計画遂行上の変動リスクを最小限にとどめられるように管理しております。
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