コスモ・バイオ
【東証スタンダード:3386】「卸売業」
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企業概要
本項の記載内容に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、「生命科学の進歩に資する」をグループの目的とし、生命科学に携わるすべての人に科学を届けるための機能的な組織となり、生命科学に携わるすべての皆様から信頼されるパートナーとして、生命科学の進歩の一助になるよう、製品やサービス、情報の品質を高め、社会から認められる付加価値を誇りに持続的成長を目指します。
当連結会計年度における我が国経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東での紛争の激化、原材料価格の上昇により回復基調に水を差す状況であり、また円安の継続により、当社グループの事業においても大きく影響を受けました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、3ヶ年計画の2期目として、自社開発品の拡充や、海外展開の強化による既存事業の一層の拡大などを目的として、組織体制の見直しを行いました。また、2024年8月5日に開示した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針(※)」に基づき、企業価値の向上に向け株主還元の強化や既存ビジネスの高収益化、新規ビジネスの創出による収益源の拡大を目指し、将来を見据えた以下の活動に取り組んでまいります。
(※)https://ssl4.eir-parts.net/doc/3386/tdnet/2483274/00.pdf
1.新たな事業基盤の創出
(1) 既存事業の発展に加え、シーズ探索強化、産学官連携への積極参画、並びにプラットフォームビジネス「Scientist³」の展開を図り、次世代の収益の柱となり得る新規事業を開拓してまいります。
(2) 市場競争力の維持・強化、事業拡大やコスト削減効果の客観的評価を行い、他企業との協働の機会を最大限に活用するため、資本提携や業務提携を積極的に推進し、事業拡大を図ります。
(3) 生命科学分野の基礎研究だけでなく、直接的に健康や社会に関わる広い分野での可能性を追求し、研究用試薬以外の市場にも進出することを目指します。
2.既存事業基盤の強化
(1) 最新のデジタル技術を導入し、商社機能を強化することで国内外における提案力、情報力、商品力をさらに高めます。また、顧客ニーズの的確な把握、ユーザーの満足度向上を目指し、研究活動の促進・サポートを迅速に実現できるよう最良のサービスを提供してまいります。
(2) 札幌事業所(札幌ラボ)では、自社製品の開発・製造に加え、ペプチド合成や抗体作製受託サービス事業における新技術の導入や効率化を進め、収益性と付加価値の向上を図ります。また、食品や化粧品の原料供給事業など、広範な市場への事業拡大も進めていきます。そのため、新たなビジネスモデルの構築や適切なビジネスパートナーの探索を推し進めてまいります。
(3) 海外市場に向けては、特にマーケティング機能を強化し、日本国内メーカーの優れた商品や自社製品・サービスの販売拡大を目指し、収益構造の体制を整えてまいります。
3.企業価値の向上
(1) 企業グループ全体で業務効率化を推進し、シナジーを創出します。具体的には、営業活動や受注業務の効率化、販促ツールの制作、法令対応の強化を進めます。また、グループ会社間での共同事業を通じて生産性向上を図ります。
(2) 人材基盤の強化のため、就業制度改革や積極的な採用活動を継続します。特に、多様な働き方を支援する施策や研修の充実を進めてまいります。
(3) テレワーク制度については、業務効率と生産性向上を目的とした柔軟な運用を続け、災害時や感染症拡大時の事業継続計画(BCP)にも対応してまいります。
(4) 譲渡制限付株式報酬/付与制度は、役員については中長期のインセンティブのため、従業員については自身が自社の株主となることで、株主様と同じ目線で当社の事業経営を支える意識づけとして設けました。これは当社へのコミットメントを高め、中長期的に株主価値を向上させることを目的としております。
(5) サステナビリティに配慮した事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献し、信頼される企業ブランド価値の向上を推進してまいります。
(6) 資本コストを意識した経営の実現に向け、株主還元の強化やITを活用した現在のビジネスの高収益化、新規ビジネスの創出による収益源の拡大に取り組みます。
(7) 当社グループでDXを推進し、付加価値の向上や既存ビジネスの業務効率化を通した高収益体質への転換に取り組みます。
2024年度は、2023年度に特定したマテリアリティに対し、サステナビリティに配慮し具体的な施策の推進に取り組んでまいりました。今後も引き続き以下の活動を推進することで、社会課題の解決やSDGsの達成に貢献するとともに、当社グループの持続的な成長の実現を目指します。
重要課題(マテリアリティ) | 内 容 | ||
E | 環境への取り組み | 製造事業における環境汚染の防止 | ・研究開発及び製造施設での排水基準の遵守、水質汚染の防止 ・廃棄物関連の法令遵守及び排出削減 ・製造プロセス及び研究プロセスにおける資材等の適切な管理 |
流通改革・在庫施策・環境負荷の低減 | ・配送業務工程の見直し(過剰包装の抑制、緩衝材の再利用及び商品パッケージの素材変更(FSC認証紙)等) ・産業廃棄物の管理及び処理の徹底 | ||
S | 持続的成長を支える 事業活動 | 研究活動のサポート・パートナーシップ(ライフサイエンス研究への支援)
| ・日本全国をカバーする販売代理店網による研究者のサポート ・世界中の信頼できるメーカーとの仕入網の構築 ・新商品情報、最新の技術情報の発信及び各商品の法令情報提供 |
新規事業基盤・イノベーション | ・産学官連携によるオープンイノベーションの推進 ・資本提携及び業務提携への取り組み ・自社製品としての開発、製造及び販売 ・研究者と受託サービスのマッチングプラットフォーム「Scientist³」の構築(2025年運用開始予定) | ||
次世代への支援 | ・生命ロボットコンテスト(iGEM)への支援 ・Tools for School 公開講座応援団(ライフサイエンス関係の市民体験講座へ教材及び費用の一部を提供) ・「Science Signaling」日本語サイトの運営 | ||
働きがいのある 職場づくり | 労働環境とワークライフバランスの実現 | ・テレワーク制度、フレックス勤務制度、介護休暇制度などのサポート ・選択制確定給付企業年金制度の導入 ・ハラスメント防止への取り組み(研修及び内部通報体制) | |
人的資本の拡充・生産性の向上 | ・採用の強化(新卒、多様なキャリア及び背景をもつ人材) ・教育研修制度の実施(選択型研修及び階層別研修) ・属人的業務の改善 | ||
G | ガバナンスの強化・充実
| ガバナンスの向上 | ・取締役会実効性評価アンケート実施による改善 ・「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針」の開示 ・事業継続計画(BCP)を策定し継続的に運用 |
コンプライアンスの徹底 | ・各種法令に関する社内教育、勉強会の実施及びそれら専門知識に基づく迅速な対応 |
当社グループでは、企業価値の向上を核となる目標とし、ROE8%以上の達成と資本コストの低減により、早期にPBR1倍以上の株価水準を目指します。そのために、IR活動の充実や株主還元の強化、DXによる業務効率化を通した既存ビジネスの高収益化や付加価値の向上、新規ビジネスの創出による収益源の拡大などに取り組みます。
私たちは、どのような環境の中でも、生命科学の進歩発展のすべての場面において求められる責任ある事業者として、最前線で活躍される研究者を支えるパートナーであり続けたいと考えております。
今後も、社会の課題解決やSDGsに寄与し、持続的な成長の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の取り組みを推進してまいります。
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