コスモスイニシア
【東証スタンダード:8844】「不動産業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)私たちの目指すもの
当社は、1974年に創業し、10万戸を超える供給実績のある新築マンションをはじめ、新築一戸建やリノベーションマンションを供給するほか、収益不動産の開発・再生、不動産賃貸管理、アパートメントホテルの開発・運営などへ業容の拡大を進めてまいりました。
人々の働き方やライフスタイルが変化していく中、ますます不動産の利活用に対するニーズが多様化しています。
当社はMission(存在意義)として、『「Next GOOD」お客さまへ。社会へ。一歩先の発想で、一歩先の価値を。』を掲げ、これらの社会の変化とニーズの多様化にこたえる、商品・サービスを提供し、企業価値の向上に努めてまいります。
(2)中長期的な会社の経営方針、目標とする経営指標
「中期経営計画2026」で定めた重点テーマ及び当社グループが目標とする経営指標は、以下のとおりです。
<「中期経営計画2026」 重点テーマ>
●事業・財務基盤の強化
●新たな事業創造
●ESG経営の実践
<目標とする経営指標※>
●営業利益:110億円
●営業利益率:7.2%
●期末自己資本比率:30%
※2025年5月12日の公表内容に基づき、5ヵ年計画を1年前倒しして4ヵ年とし、最終年度である2026年3月期の営業利益及び営業利益率の目標を当初計画より上方修正いたしました。
(3)経営環境
①全般
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調を維持いたしました。一方で、国際的な政治情勢の不安定さや、資源・エネルギー価格の高騰、物価上昇が続き、先行きの不透明感は依然として残る状況となりました。
今後の日本経済は、好調なインバウンド需要の継続や、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の増加により、継続的な景気回復が期待されます。一方で、国際的な政治情勢の不安定さや金利・物価の動向など、依然として先行き不透明な状況が続いており、内外経済の下振れリスクを注視する必要があります。
②レジデンシャル事業セグメント
2024年においては、首都圏・近畿圏の新築マンション市場で供給戸数が減少した一方、建築費の高騰も背景に平均価格・平米単価は上昇いたしました。また、首都圏の中古マンション市場では、成約件数・成約価格ともに上昇が見られました。
2025年以降においては、ローン金利の上昇に伴う住宅購入意欲の低下や建築費の上昇による収益性の影響には引き続き注視する必要があります。
また、長期的には、国内マンション市場は人口減少等により緩やかに縮小する見通しとなっています。その一方で、首都圏への人口集中は継続する見通しとなっていることに加え、単身・シニア世帯の増加、消費・所有に対する意識の変化、人々の働き方やライフスタイルの変化を背景とした住宅に対するニーズの多様化など、新たな商品・サービスの開発を通じたビジネスチャンスが期待できます。
③ソリューション事業セグメント
2024年においては、不動産投資市場は、金利上昇局面でも金融機関の融資姿勢に大きな変化はなく、投資意欲は引き続き高い水準を維持いたしました。首都圏賃貸市場は、住宅における空室率が低水準で推移いたしました。
2025年以降においては、金利上昇による期待利回りの上昇など、投資用不動産市況の悪化リスクや、建築費の上昇による収益性の影響には注視する必要があります。一方で、日本の不動産投資市場は底堅く、投資需要は引き続き堅調に推移すると考えられます。また、働き方やライフスタイル、消費行動の変化に伴い、不動産の利活用に対するニーズが多様化しており、新たな商品・サービスの開発や周辺事業領域への展開を通じたビジネスチャンスが期待できます。
④宿泊事業セグメント
2024年においては、観光市場は、円安も追い風となり好調なインバウンド需要が続きました。
2025年以降においては、訪日外国人旅行者数の増加を背景に宿泊需要の拡大が期待される一方、人手不足や原価の高騰、米国の高関税政策を契機とした世界経済の減速や為替レートの変動によるインバウンド需要の減退などには注視していく必要があります。
中長期的には、日本独自の豊富な観光資源と、東・東南アジア諸国における一人当たりGDPの増加を背景に、家族・グループでの渡航・中長期滞在ニーズの拡大が期待できます。
⑤工事事業セグメント
2024年においては、働き方の変化やオフィスニーズの多様化等を背景に、企業のファシリティマネジメントに対する需要は堅調に推移いたしました。
2025年以降においても、引き続き需要の高まりを背景に、オフィス移転・内装工事等の受注機会・事業拡大が期待できる一方で、資材・労務費の動向については注視していく必要があります。
(4)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略
当社は2022年度に「中期経営計画2026」を策定いたしました。重点テーマである「事業・財務基盤の強化」「新たな事業創造」「ESG経営の実践」を通して、企業価値のさらなる向上に努めてまいります。「中期経営計画2026」における主要な取り組みは以下のとおりです。
①成長と安定を両立する事業ポートフォリオの構築
●安定的な経営を支える現在の事業ラインアップを継続強化するとともに、戦略的に拡大を進めてきたリノベーションマンション販売、収益不動産等販売、ホテル施設販売・運営をドライバーとして事業成長を加速させます。
●宿泊事業について、2030年の運営室数3,000室への拡大に向けて、運営受託と自社開発の両輪で事業拡大をめざします。
●不動産に対するニーズの多様化を念頭においた高付加価値戦略と、その実現に向けたバリューチェーン強化やデジタル活用により収益性の向上をめざします。
②セグメント別戦略
a.レジデンシャル事業
●新築分譲住宅及びリノベーションマンションのブランドを「INITIA」へ統合し、ブランド価値のさらなる向上を追求してまいります。
●リノベーションマンション販売をドライバーとした事業成長と、10万戸超の分譲マンション開発で培ったノウハウと製販一貫体制を活かした付加価値の高い商品企画による収益性向上をめざします。
●新築マンションにおける全住戸ZEH-M Orientedの採用や地域コミュニティ形成、中古ストック再生等によりESG経営を実践します。
b.ソリューション事業
●新築・中古を問わない多様なアセットタイプの収益不動産販売と、独自の不動産運営コンテンツとのシナジー効果により、さらなる事業拡大と収益性向上をめざします。
●中古ストック再生や、コミュニティ形成に寄与する不動産コンテンツの開発・展開等によりESG経営を実践します。
c.宿泊事業
●家族・グループでの中長期滞在ニーズにこたえる都市型アパートメントホテル「MIMARU」のブランド力のさらなる向上をめざします。
●社会経済活動の正常化が一段と進み、国内外需要の回復基調が鮮明であることから、今後も安定した事業活動が図れる環境となったと判断し、新規案件への投資を再開しております。
●2030年の運営室数3,000室への拡大に向けて、アクセスのよい都市部を中心に運営受託と自社開発の両輪で事業拡大をめざします。
●積極的な外国人採用や、公的不動産をアウトドアリゾートとして有効活用した「ETOWA」の展開等により、ESG経営を実践します。
d.工事事業
●国内・海外のデザインアワード等で多くの受賞実績がある空間設計・デザイン力のさらなる強化を進めます。
●ファシリティ領域(オフィス移転・内装工事等)、建築領域(建築・リノベーション工事・マンションギャラリー設営工事等)における事業拡大・収益性向上をめざします。
●環境配慮型商品の活用等、環境負荷の低い事業展開への取り組みによりESG経営を実践します。
③新たな事業創造
a.海外事業
豪州・シドニーエリアにおける分譲住宅開発事業に加え、国内で培ったノウハウを活用できる事業について、米国・テキサス州ダラスやベトナム・ホーチミンなど市場の成長性が高い地域への進出・展開を進めています。
b.新たな運営コンテンツの開発
アパートメントホテル、レンタルオフィス、シェアレジデンス、アウトドアリゾート等に続く新たな運営コンテンツの開発を進め、収益不動産の価値最大化と運営受託による収益基盤の拡充をめざします。
c.アセットマネジメント事業
ソリューション事業で培ってきた収益不動産の価値向上ノウハウを活用できるアセットマネジメント事業への展開を検証します。また、収益不動産販売における仕入機会や販売チャネルの拡充とともに、不動産賃貸管理・運営の受託機会の拡張もめざします。
④DXへの取り組み強化
これまで推進してきたビジネス領域・コーポレート領域でのデジタル化に加え、DXへの取り組みを加速して経営・事業の革新と多様な働き方の実現をめざします。
⑤ESG経営の実践
上記セグメント別戦略に沿った社会的価値の高い事業運営を通じてESG経営を実践し、さらなる企業価値の向上をめざします。
これまで実施してきた取り組みを継続することに加え、2024年3月期から当期純利益の2%程度をESG推進への投資予算に充当することを企図し、様々な取り組みを開始しております。
取り組みの詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
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