企業ココナラ東証グロース:4176】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にお いて当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」をビジョンに掲げ、個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする全ての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームとして、サービス・役務を売買するスキルのマーケットプレイス「ココナラスキルマーケット」、弁護士メディアを通じて相談者と弁護士をマッチングする「ココナラ法律相談」、IT開発における業務委託エンジニア・デザイナーを紹介する「ココナラエージェント」及び「フューチャリズム」を中心とした事業を展開しております。

 モノの市場は2000年以降のIT勃興期の中でEコマースによるオンライン取引が進んだ結果、複数の大手企業の寡占状態であり、現在ビッグデータ等の活用により、効率性、収益性を追求する環境になっております。一方で、今後サービス市場においてもEC化が進展すると試算されております。(情報通信総合研究所「シェアリングエコノミー関連調査2020年度調査結果」)また、当社グループが属するサービスECスキル市場では、近年になってオンライン取引ができる市場が活用され始めており、EC化が進んでいくと考えております。その中で、当社は2011年に創業し、サービスECスキル市場のパイオニアとして市場を牽引するとともに先行者利益を享受することを目指しております。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、あらゆる人が自分の経験や強みの価値に気づき、それを求める人に提供できるようになることで、より自分らしい人生を歩むことができる社会を目指しております。そして、あらゆる分野において誰かの力を借りたいような困りごと、依頼したいこと等が発生した際に「困ったらココナラ」と想起され、利用されるよう、経営戦略を策定しております。当社グループサービスは、あらゆる人の多様な課題を対象としているため、各ユーザーによって数多くのカテゴリでサービス購入されることを重要な事業戦略の一つとして考えております。そのため、全体の流通高を重要な経営指標として設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。

(3)経営環境及び経営戦略等

 日本政府において、厚生労働省がモデル就業規則を改訂して副業を許容する内容に変更され、経済産業省主導の「電子商取引規則に関する準則」にて、シェアリングエコノミーを活用した副業を容認する等、政府を挙げて副業解禁の流れが出来ており、日本の大企業においても副業を容認する動きが広がっております。

 したがって、当社グループとしては、知識・スキル・経験を持つ出品者による副業解禁に伴う出品の増加が見込まれます。総合カテゴリ型のサービス版ECサイトとして有する出品サービス数、評価数が増加し、幅広い購入者ニーズに対応できるサービスを選択できるため、購入件数が増加すると当社グループは考えております。その結果、サービスECスキル市場の成長が大きく見込まれると考えております。

 かかる環境を踏まえ、市場全体の拡大とともに、当社グループは、テイクレートを維持しつつ有料購入ユーザー数及び一人当たり購入額を拡大することで流通高を拡大し、また、中長期的には営業利益率の上昇も目指してまいります。

 当社グループは、あらゆる知識・スキル・経験が集約されるプラットフォームを目指して、社会に対するあらゆる接点を創出することでココナラ経済圏を構築して今後も成長を実現してまいります。

 まず、ココナラ経済圏の構築と法人利用を促進するため、あらゆる外部人材活用ニーズの受け皿となる各種サービスの開発を進めます。ランディングフォームやエントリーフォームを通じて経済圏一体としてサービスを提供し、共通データベースの構築を進めてまいります。また他社とのアライアンスを通じて法人アカウントの開拓を進めてまいります。

 次に、ココナラスキルマーケットの再加速を進めます。海外言語対応や決済対応を通じて海外ユーザー需要の取り込みを進めてまいります。また、高単価案件やリピート購入を促進するための機能開発を検討してまいります。  さらに公開募集機能をこれまで以上に強化してまいります。

 加えて、プロジェクト型マッチングの事業開発を進めてまいります。ココナラエージェントではM&Aも検討してまいります。高単価の制作ビジネス領域、ハイクラスコンサル領域、アシスタント領域におけるエージェント型マッチング事業の立ち上げを行う予定です。また、テクノロジーを活用した新しいマッチング手法も開発検討してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 出品サービス数の増加に対する検索及び購入の容易さの継続的向上

 「ココナラ」は多様なニーズに対応する出品を揃えることで、仕事や相談の窓口となる存在を目指しております。2023年8月末現在、出品サービス数は約79万件と、多様なニーズに対応するサービス数となっていますが、購入者が欲しいサービスをスムーズに発見できるようにし、また、サービスを検索後に購入完了まで容易にたどりつく必要があると認識しております。

 かかる課題に対処するため、当社では出品サービスが適切なカテゴリで出品されることを担保するために、適宜カテゴリを見直し、追加、修正を行っております。この際、ユーザーの利便性や利用頻度向上などの観点から、特定のカテゴリを異なるサービスとして独立して運営することも候補に検討を行っております。また、サービス選択後、購入者が普段から利用する決済手段がないことで、購入完了までたどりつけないことがないように、当社では多様な決済手段を導入しており、クレジットカード決済、キャリア決済及び銀行振込等が利用可能となっております。

② 新規ユーザー獲得のための認知度の向上

 当社のビジョンである「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」の実現に向けて、幅広い利用者が利用できる多種多様なサービスを取り扱うマーケットプレイスとして認知されるためには、購入者、出品者ともに登録数の増加が必要と認識しております。

 これらを促進するためには、安心・安全に利用できる取引環境の提供に加えて、ユーザーニーズに応じた出品サービスの獲得に注力すると共に、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーのリテンション強化のためのマーケティング活動を継続的に推進してまいります。

 創業より数年間は、口コミに代表される有料広告を用いない方法によって利用者登録が増加してきましたが、2016年8月期より本格的にオンライン広告を開始し、複数回にわたりTVCMを放映してまいりました。当連結会計年度においては、2023年5月からTVCMを開始いたしました。今後のTVCMについては、費用対効果等を考慮し、慎重に検討した上で、実施する方針であります。

③ 新規事業の立ち上げ

 ユーザーの幅広いニーズに対応するため、当社はサービスラインナップを広げる方針です。具体的にはココナラプロフェッショナル、ココナラハイコンサル、ココナラアシストの事業の立ち上げを進めております。これらの対応を通じて、ココナラ経済圏を拡大し、当社サービスの利用を推進していきます。

 ココナラプロフェッショナルは、ココナラが契約主体となり、ハイクラス人材を実名でマッチングするサービスです。ココナラハイコンサルはハイクラスのコンサルタント(経営、事業開発、マーケティング領域等)を業務委託形式でマッチングするサービスです。また、ココナラアシストは必要な時間帯だけ時間課金形式でビジネス代行(事務、秘書、経理、人事、カスタマーサポート領域等)してくれる人材をマッチングするサービスです。

④ 安心・安全なサービス体制の強化

 当社の営む「ココナラ」は、取引が出品者及び購入者であるユーザー間で行われるため、サービスを提供する出品者の信頼性の確認が容易ではなく、トラブル対応等に不安があることを理由に、「ココナラ」の利用を控えるといったことが起こりうると考えております。

 当社では、「ココナラ」が安心・安全に取引を行える場所であり続けることを非常に重要な課題として認識しており、カスタマーサクセスのスタッフが中心となり、安心・安全なサービス購入体験を担保するため、利用規約、ご利用ガイドの見直し、サービスやメッセージの監視や出品者の本人確認などを行っております。また、出品サービスの健全性を保つために、専任のスタッフを配置しております。専任スタッフは週次で定例ミーティングを実施し、出品サービスの理解を深めるとともに、新たな論点などを議論しております。このような取り組みに関して、2017年11月には一般社団法人シェアリングエコノミー協会が定めるシェアリングエコノミー認証制度を取得いたしました。当該認証制度は、シェアリングエコノミーに基づくサービスが、内閣官房IT総合戦略室がモデルガイドラインとして策定した「遵守すべき事項」に基づいており、一般社団法人シェアリングエコノミー協会が認定した自主ルールに適合していることを証明する制度です。今後も利用者が安心・安全に「ココナラ」を利用できるように継続的な取り組みを行ってまいります。

⑤ 情報管理体制の強化

 当社が運営する「ココナラ」では、利用者の個人情報を取り扱っており、強固な情報管理体制の確保が重要であると認識しております。

 情報セキュリティ管理規程及び情報セキュリティ管理マニュアルを制定し、また、情報システムにおける管理体制強化を目的として情報システム開発・運用管理規程及び情報システム開発・運用管理マニュアルを制定し、運用をしておりますが、今後も情報管理体制を重要な課題として認識し、情報管理体制を強化するべくサイバーセキュリティに関する各種施策を推進してまいります。

⑥ システムの安定稼動

 当社が運営する「ココナラ」は、インターネットを通じたサービスであり、システムの安定稼動が不可欠であります。

 かかる課題に対処するために、登録者数の増加によるデータ量の増加に対応するためのシステム投資をはじめ、リアルタイムでの各種KPIモニタリングと対応ガイドラインによるサイトアクセスやデータ量増加への初動の強化など運用監視体制の強化を引き続き行ってまいります。

⑦ 経営管理、内部管理、及びコンプライアンス体制の強化

 継続的な事業拡大に向けて、経営管理、内部管理体制及びコンプライアンスの強化が不可欠であります。経営管理では会議体の運営を通じて、KPIのモニタリングを適切に実施していきます。内部管理及びコンプライアンスでは、社員に対する継続的な研修及び啓蒙活動を行うことで、内部管理体制の強化を図り、コンプライアンスの徹底に努めてまいります。

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