ケイ・ウノ
【名証ネクスト:259A】「小売業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「オーダーメイドでお客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」というパーパスのもと「オーダーメイドの新しい文化を創る」というビジョンを掲げ、ジュエリーを中心にオーダーメイドのビジネスモデルを構築し、「お客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」という経営理念を実現することを基本方針としております。
(2) 経営戦略等
a.基本戦略
当社グループの成長戦略は、「オーダーメイドプラットフォームの進化」という基本戦略に「国内ブライダル事業の強化」「リピート施策の強化によるファン拡大」「グローバル市場での販売拡大」という3つの基本施策を掛け合わせることで生まれる収益とそれを支える2つの基盤構築から成り立っております。
「人生に寄り添うオーダーメイドプラットフォーム」
当社グループは、特徴と強みであるアドバイザー(販売員)・デザイナー・職人の3つの力が結集された「お客様の期待を超えるオーダーメイド力」、ケイウノだけでなくたくさんのライセンスも集まった「お客様を魅了するブランド力」、多様化するニーズを捉えた商品開発力と職人の熟練した技術を掛け合わせた「お客様の心をつかむプロダクト開発力」の3つから形成される当社グループの基盤である「オーダーメイドプラットフォーム」を磨き上げ、さらに進化させていくことを基本戦略に据えております。どんな時代、どんな人でも欲しいものが必ず見つかる「人生に寄り添うオーダーメイドプラットフォーム」の実現に取り組んでおります。
どんな時代、どんな人でも欲しいものが必ず見つかる「人生に寄り添うオーダーメイドプラットフォーム」
TM & © TOHO CO., LTD. ©Moomin Characters™ ©TSUBURAYA PROD. © Nintendo / HAL Laboratory, Inc.
©2024 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L653656 © Disney
b.基本施策
当社グループは、国内・海外において3つの基本施策と事業基盤の強化に取り組み、中長期的な成長を目指していきます。
①国内ブライダル事業の強化
当社グループは、国内ブライダル市場において当社の圧倒的な強みであるフルオーダーメイドに加えて、決まったデザインの商品にダイヤモンドや彫金等の加工を追加するアレンジオーダーメイドを充実させております。また、マジョリティへの訴求のために、オーダーメイドに興味があるものの「難しい」「時間がかかりそう」と感じて諦めているお客様にもアプローチを行い、「オーダーメイドの潜在ニーズを持ったユーザー層」を獲得し、ブライダルシェアを拡大させることをさらに進めてまいります。
②リピート施策の強化によるファン拡大 「ケイウノファンマーケティング」
ケイウノファンマーケティングとは、「人生に寄り添うオーダーメイドプラットフォーム」を基盤とし、長年のオーダーメイドビジネスで培った当社グループならではのお客様ファーストの施策でリピート率を高め、複数回購入のお客様を増やす取り組みのことを言います。「お客様視点でのタッチポイント」「お客様に価値やメリットを提供するイベント・体験」「お客様ファーストのプロダクト・サービス」の3項目に基づいた施策を行うことで、お客様リピート率の向上に努めてまいります。具体的な施策は以下のとおりです。
《お客様視点のタッチポイント》
・お客様の年代などに個々の属性に合わせたメールマガジンでの情報発信により開封率をアップさせる
・公式SNSに加え、各店舗のSNSでの新作やサービス情報の発信により地域に根付いたファンを獲得する
《お客様に価値やメリットを提供するイベント・体験》
・ジュエリー手作り体験などお客様自身の手で行うサービスの展開により、大切な思い出を提供する
・様々なニーズに応えるための趣向を凝らしたフェアを開催する
《お客様ファーストのプロダクト・サービス》
・ライセンスのファンからデザインを募集しお客様参加型で行う商品開発を展開する
・永久無料のアフターメンテナンスサービスを活用しご来店の機会を増やす
③グローバル市場での販売拡大
当社グループは、2019年に台湾において合弁会社を設立しております。従来ジュエリーのオーダーメイドの文化が広がっていなかった台湾にも日本で提供するクオリティ同様のオーダーメイドを体験して頂きたいという考えから、国内店舗と同様にデザイナーを常駐させオーダーメイドを展開するほか、主要店舗には職人が常在する工房を併設し、店舗にてアフターサービスを受けられる体制を整えております。また、台湾でも人気の高いディズニーデザイン ジュエリーをオーダーメイドから既製品まで幅広く取り扱っております。
その他にも、既に進出している中国本土・香港・台湾・シンガポールを中心に、「ケイウノ」ブランドだけではなく、日本独自のポップカルチャーを含めた世界的に認知度の高いアニメ・マンガ・ゲームキャラクターのライセンスを使用した商品を強力に展開することで、海外チャネルを新たな当社グループの利益の源泉として成長させることを目指しております。また、新たな国々への販売展開の拡大にも取り組んでまいります。
c.事業基盤構築
・メイドインジャパンと海外生産拠点の活用による品質と生産力の向上
当社グループは、お客様のニーズを再現した商品を安定して提供するため、デザインから製造・販売までを自社で一貫して行っております。売上拡大とグローバル市場進出のため生産量増加の目的で、2022年1月にはタイに自社工場を開設し、キャラクター製品の効率的な製造体制を構築しております。
・よりオーダーメイドを楽しめるシステム構築
当社グループは、より多くのお客様にオーダーメイドを楽しんで頂くために、お客様がオーダーメイドに対して抱いている「コストがかかる」「時間がかかる」「煩雑である」という3つの不安を解消するためのシステム構築に取り組んでおります。システム連携及びAIの活用により時間の短縮に取り組むことで、価格の透明性、納期の確実性、そして品質の保証を徹底し、お客様が安心してオーダーメイドを選択できる環境を整えております。これによりオーダーメイドをよりお客様の身近なものにして行きたいと考えております。
(3) 経営環境
㈱矢野経済研究所の調査(2023年版 宝石・貴金属市場年鑑)によると、新型コロナウイルスの感染が収束する中で国内の消費行動が活発化し、リベンジ消費としてインポートジュエリーをはじめとした高額なジュエリーの需要が増加したこと等により、宝飾品全体での市場規模は、2022年には前年比106.3%の10,227億円まで回復しました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻によってインフレが続いている影響を受け、商品価格の値上げを行う宝飾品ブランドが増加傾向であること等により、2023年は1兆423億円まで回復すると予想されております。
また、ブライダルジュエリーの市場規模は、2022年には前年比114.5%の1,793億円となりました。全宝飾品市場の市場規模が前年比106.3%であったことと比較すると、ブライダルジュエリー市場は大幅伸長しておりますが、これはブランド各社の値上げや、新型コロナウイルスの影響で結婚式や新婚旅行を控えたブライダルカップルが、これらに充てる予定であった予算の一部が婚約指輪や結婚指輪に振り分けられたことが主な理由として考えられます。なおブライダルリングは値上げをしたとしても必ず購入する必需品に近い物であるといえるため、買い控えへの影響は限定的であり、今後も安定的な市場が続くと予想されております。
注1. 小売金額ベース 注2. 予は予測値
(4) 目標とする経営指標
当社グループは、急激に変化する社会情勢でも安定的に利益を出すことのできる経営体質を構築するため、営業活動が効率的に行われたどうかを見るために有効である売上高、営業利益及び売上高営業利益率を重要な経営指標と考えております。
また当社グループは、お客様に継続的にご来店頂きアドバイザーによる丁寧な接客とデザイナーによるお客様一人ひとりに合わせたデザイン提案により成約を得ることが、当社グループの業績拡大に重要であることから、上記に加えて来店組数及び成約率についても重要な経営指標と考えております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。
①集客力の強化
当社グループは、ブライダルジュエリー市場の安定的な推移が見込まれるなかで継続的に事業を拡大するためには、集客力の強化が重要であると認識しております。そのため当社グループの展開する3ブランド全ての運営において、ケイウノファンマーケティングの促進及びインターネット広告を中心とした広告宣伝活動に注力してまいります。
②オーダーメイド力の向上、ブランドの拡充、プロダクト開発の推進
当社グループは、当社にご来店頂いたお客様にご成約頂くためにはお客様の心をつかむ魅力的な商品の提供が重要であると認識しております。そのためオーダーメイド力の更なる向上、ブランドの更なる拡充、プロダクト開発の更なる推進に注力して参ります。
③優秀な人材の確保
当社グループは、今後更なる事業拡大を推進するためには優秀な人材の確保が重要であると認識しております。したがって、従業員の定着率を高めるための人事制度の整備及び教育の強化に努め、積極的に活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでまいります。
④コーポレート・ガバナンス機能の強化
当社グループは、継続的な事業の発展のためにはコーポレート・ガバナンス機能の強化が必要であると認識しております。すべてのステークホルダーから信頼される企業となれるよう、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。
⑤財務基盤の強化
当社グループは、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上では、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると認識しております。したがって、一定の内部留保の確保や費用対効果の検討による各種コストの見直しを継続的に行うことで、財務基盤の強化を図ってまいります。
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