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【東証グロース:277A】「サービス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社の社名の由来は「Globe」:“地球、世界、グローバルな社会”を指す言葉と「ing」:“ある目的・方向に進んでいく”という推進力のニュアンスを持つ言葉を組み合わせることで「地球・世界に羽ばたく、人、企業、社会を育てていく」というメッセージを社名に込めております。また、Purpose・Vision・Valueとして以下を掲げ、“本質的な変革に挑戦し続ける”ことや“勝ち”にこだわるサービスを提供し、顧客企業を勝てる集団に変革することや日本社会が再び成長軌道に戻ることを目指します。
・Our Purpose
Be a“Growth”Infrastructure
“成長の核となり、世界を進化で満たす存在であり続けます”
・Our Vision
我々は“戦略コンサルティングサービス”の在り方を、顧客基点で再定義する、企業です
・Our Value
Passion for Winning
“勝たせるコンサル”
我々は徹底的に“勝ち”にこだわるサービスを提供し、顧客企業を勝てる集団に変革
日本の社会が再び成長軌道に戻ることを支援する企業です
これらの方針を基に、当社は客観性の担保というコンサルティングサービスにおける重要なポジションを維持しつつも、クライアントのインサイダーとして主体的・継続的にサービスを提供してまいります。
また、今後はコンサルティング事業を軸としながらも、コンサルティングサービスの更なる高付加価値化やシナジーを生む新規事業を創出するといったチャレンジを続け、持続的な企業価値向上を目指していきたいと考えております。
(2) 経営環境
日本経済は緩やかな回復基調を維持しているものの、消費者物価の高止まりや米国政府による関税強化措置などにより、民間消費の伸び悩みが見られ、先行きには不透明感が残っています。また、米国の関税強化に伴う世界経済の減速懸念や、ウクライナ・中東情勢の長期化による地政学的リスクも、企業活動に対する制約要因となっています。
一方で、企業の設備投資は人手不足対応、デジタル化、脱炭素、サプライチェーン強化などのニーズに支えられ、総じて拡大傾向にあります。実質賃金も物価上昇率の鈍化に伴いプラスに転じる見通しであり、個人消費は底堅く推移すると予測されています。
当社グループが属するコンサルティング業界においては、依然としてDX(デジタルトランスフォーメーション)支援の需要が継続しており、特に国内企業では、デジタル化の遅れを背景に、変革支援ニーズが根強い状況です。また、先行してデジタルビジネスの運営段階に入った企業からも、運用最適化やデータ活用、AI導入支援などのコンサルティング需要が拡大しています。
このような環境下では、市場競争の激化や構造変化により、企業経営者が直面する課題は一層多様化・複雑化しており、これらの課題を解決するための調査・分析能力、企画・実行力、テクノロジー活用力を備えたコンサルタントへの期待はますます高まっていくと考えられます。
(3) 経営戦略
このような事業環境のもと、当社グループでは、中長期的にコンサルティング事業の業績向上を一層図ることを重要課題とし、業績向上及び経営理念を実現するため、「コンサルタント人員数」の増加、採用力の強化、顧客単価の向上を実現するため、「コンサルタント平均年収」の向上、顧客粘着性の向上、顧客単価の向上を実現するための「JI売上高比率」の向上及び社会のAI活用のニーズの高まりを受けた「AI関連売上高」の向上を重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。
第9期連結会計年度及び第10期連結会計年度における「コンサルタント人員数」、「コンサルタント平均年収」、「JI売上高比率」及び「AI関連売上高」の実績は以下のとおりとなります。
「コンサルタント人員数」については、顧客からの案件獲得および遂行に向けては継続的なコンサルタント採用は不可欠であることから、事業の健全性指標として重視しております。創業以来、ハイペースな採用を継続しておりますが、今後もリファラル採用の強化、コンサルタントの定着率の向上を図り、当面は同ペースでの採用を継続します。
「コンサルタント平均年収」については、顧客単価の向上と当社の採用力の強化につながる指標として重視しており、今後も大手戦略コンサルティングファームの上位層を採用することで緩やかな上昇を目指します。
「JI売上高比率」については、当社の成長戦略の柱であるJoint Initiativeの事業化進捗を判断する指標として重視しており、年々上昇傾向にあり、第10期においては、40%を超えており、今後も比率上昇を目指します。
「AI関連売上高」については、“AIによる顧客のビジネス変革”という当社ビジョンの進捗を判断する指標として重視しております。AI先進企業株式会社Laboro.AIと2024年5月にJVでX-AI.Labo株式会社を設立し、AIトランスフォーメーション (AI-X) の社会実装を目指す同社が比率上昇に大きく貢献しております。
(単位:人)
| 第9期連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 第10期連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
コンサルタント人員数(調整後)(注) 1 | 119 | 178 |
(注) 1.コンサルタント人員数(調整後)は、当社のコンサルティング業務に関与する役職員(取締役含む)の合計から、GLB Intelligenceにアサインされたコンサルタントを控除して計算しています。なお、GLB Intelligenceにアサインされているコンサルタント数については、2025年5月期よりFTE(Full Time Equivalent)換算の人員数を採用しておりますが、2024年5月期以前においては、工数計測を実施していないことから、FTE換算していないGLB Intelligence にアサインされたコンサルタント人員数の実人数としております。したがって、2024年5月期以前の調整後コンサルタント人員数は経営管理上の参考値として掲載しております。
(単位:千円)
| 第9期連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 第10期連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
コンサルタント平均年収 | 19,745 | 20,120 |
(注) 2.コンサルタント平均年収は、当社のコンサルティング業務に関与する取締役の役員報酬を含み、GLB Intelligenceにアサインされているコンサルタントを除くコンサルタントの年収の平均です。
(単位:千円)
| 第9期連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 第10期連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
JI売上高(注) 3 | 1,248,733 | 3,600,307 |
JI売上高比率 | 29.9% | 43.6% |
(注) 3.JI売上高は、コンサルティング案件のうち、①クライアントの内部に入り込み(出向含む)、CxOクラスへの報告を当社が担っている、又は②クライアントのコンサルティング予算立案に当社が関与しているプロジェクトに関する売上高です。
(単位:千円)
| 第9期連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 第10期連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
AI関連売上高(注) 4 | 470,341 | 2,477,993 |
AI関連売上高比率 | 11.3% | 30.0% |
(注) 4.AI関連売上高は、①提案書の検討事項でAIに言及しているもの、又は②報告書などでAIの検討が含まれているプロジェクトに関する売上高です。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、上記「(3) 経営戦略」に記載の経営戦略のもと、成長性及びキャッシュ・フロー創出を把握するために、売上高、営業利益及び当期純利益を重要な経営指標と位置付け、各経営課題に取り組んでおります。また、営業利益及び当期純利益については、外部環境変化に対して経営をコントロールするための指標と位置付けるとともに、中長期的な拡大を目指しております。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
中長期的な経営戦略として、売上・利益の拡大を実現するために、重要課題である以下の項目に取組んでまいります。
① コンサルティング品質の継続的な向上
当社グループの強みは、「外部視点を持ったインサイダー」として、コンサルタントが客観性や論理性を高いレベルで担保しながら、クライアント企業の組織文化や内部事情を深く理解した上で、CxOやプロジェクトリーダーと一体となって課題解決に取り組む点にあります。
近年、クライアント企業の経営課題はますます複雑化・高度化しており、当社に対する期待水準も一層高まっています。このような環境下において、常に高品質なコンサルティングサービスを提供し続けるため、当社はJoint Initiative型コンサルティングを一層推進し、クライアント内部から変革をリードできる人材の派遣・育成を強化しています。
加えて、AIやDXを活用したコンサルティング業務の効率化、及びコンサルティングノウハウの「型化」を進めることで、提供価値の最大化とサービス品質の均質化を両立し、顧客の期待を超える成果創出を目指してまいります。
② 中長期の非連続的成長の実現
当社グループは、「全世界のコンサルタントをAIエージェント化する」という中長期ビジョンのもと、非連続的かつ持続的な成長を実現することを目指しております。
社内においては、自社開発のAIプロダクトを活用し、コンサルティング業務の生産性を飛躍的に向上させるとともに、クライアントとの共同開発により、AIプロダクトの事業化・外販を進めております。将来的には、多数のユーザーへの横展開を通じて、コンサルティング事業における新たな収益モデルの確立を図ってまいります。
なお、AI技術の進歩は極めて速く、国内外における競争環境も日々激化しております。先行優位性(ファーストムーバーアドバンテージ)を確保し、持続的な競争力を維持していくためには、開発スピードの一層の加速と開発手法やプロジェクト推進体制の継続的な見直しが必要不可欠です。
さらに、単なる機能開発にとどまらず、市場性や顧客ニーズの変化を迅速に捉えた製品ポートフォリオの最適化、継続的なユーザビリティ改善、ならびにAIガバナンスや情報セキュリティへの的確な対応も、当社グループが解決すべき重要な経営課題と認識しております。
こうした取り組みを通じ、当社グループは、変化の激しい経営環境下においても持続的な成長を実現し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
③ 優秀な人材の確保及び教育研修の実施
当社グループはAI/DXを活用することで一人当たりの生産性を向上させ、人員数に依存しない成長モデルの実現を目指しております。しかしながら、コンサルティングビジネスにおける最も重要な資産は人材であり、持続的な成長には、継続的な優秀人材の確保と育成が不可欠であると認識しております。
当社グループでは、中途採用を中心に即戦力人材の獲得を強化するとともに、入社後は質の高い研修・育成プログラムを通じて、当社の企業理念や経営方針の浸透を図っております。また、各社員のワークスタイルに応じた柔軟な働き方の選択肢の提供、福利厚生の充実、社内コミュニケーションの活性化など、従業員エンゲージメントの向上と定着率向上に向けた取り組みも推進しております。今後も人的資本への投資を強化し、専門性と実行力を兼ね備えた人材の育成に注力してまいります。
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