クオンタムソリューションズ
【東証スタンダード:2338】「情報・通信業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、事業全体の黒字化の早期実現と企業価値の向上するため、当連結会計年度において、AIソリューション事業を中核として本格始動いたしました。主要事業として、①AIインフラ、②AIゲーム、③企業向けAIソリューションの三つの領域の確立と、「Wellness事業」への転換を見据えたアイラッシュケア事業の構造改革を進めております。中長期的には、グローバル市場におけるAI関連事業の展開と収益力強化を両立させることを基本方針とし、成長分野への重点的な経営資源投入を継続してまいります。
そのような中、当社グループは、グローバルな観点で「最先端のAIソリューションでよりよい明日の実現」、「革新技術で今日を変え未来を彩る」を掲げ、常に最新のサービスを提供し続け、もって国際社会に貢献していく企業であることを目指しております。
(2) 経営環境
わが国経済は、成長分野への投資、構造的賃上げに向けた環境整備等各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続いているものの、中国不動産市場の下振れ、米国関税政策の動向、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の不安定、国内物価上昇傾向が衰えず、依然として先行き不透明な状況で推移しております。このような中、当社グループの経営環境にも一定の影響を受けております。当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。
AIソリューション事業
2024年度における当事業の経営環境は、生成AIや大規模言語モデル(LLM)の普及により、AIデータ処理に必要な計算能力の需要が急速に高まっているものの、AI技術をめぐる世界的な開発競争も激化しており、経営戦略の見直しが一層重要となっております。
①AIインフラ事業:米中関係の緊張の長期化に伴い、世界経済の分断化が進行しており、信頼性の高いパートナーの確保や、国内における新規事業のマーケティング体制の再構築が必要となっております。
②AIゲーム事業:グローバル市場においては開発費の高騰や収益モデルの多様化により、収益化までに時間とコストを要する傾向が強まっております。特にIP取得に関する契約条件の厳格化により、一定の開発期間と多額の初期投資を要しております。当社グループとしては、短期的な収益確保と中長期的な成長投資の両立を図るため、複数のビジネスモデルの構築が必要となっております。
③企業向けAIソリューション事業:依然として商業化前の段階ではあるものの、複数の潜在顧客と連携し、将来的な製品化に向けた取り組みを継続しております。一方で、AI技術の進化やトレンドの変化に迅速に対応し、顧客ニーズを的確に捉えた実用的なソリューションを継続的に提供することが課題となっております。
アイラッシュケア事業
2024年度は、不採算店舗の整理および経費削減を行い、収支均衡を維持しております。現在は安定的な売上基盤のもと、新予約システムの導入やSNSを活用した販促強化を進めており、「Wellness事業」への拡張を視野に、新たなサービスモデルの創出にも取り組んでおります。一方で、消費者ニーズの多様化や競合の増加により、顧客満足度とサービスの差別化を両立させることが重要な課題となっております。
(3) 中長期経営戦略
当社グループは、祖業でもあるシステムソリューション事業の名称を「AIソリューション事業」へと変更し、前連結会計年度にAI関連3事業を立ち上げました。今後は、これら3つの事業を柱として、短期・中期・長期的な経営戦略を展開してまいります。セグメントごとの中期経営戦略は、以下のとおりであります。
AIソリューション事業
AIソリューション事業では、AIに関連したサービス関連事業のビジネスモデル構築が今後の当社収益基盤の柱になると考えており、以下の通り事業毎の戦略を展開すると共に、中長期的には各事業のシナジーも求めてまいります。
①AIインフラ事業:当社グループはGPUサーバー販売を起点とした当事業を展開し、持続可能な収益基盤の確立に向けて、次なる成長領域としてAIDC(AIデータセンター)事業への転換を推進しております。短期的には、これまでに構築した調達・販売ネットワークを活用しつつ、設備・技術を保有する複数のパートナーとの連携を強化し、資産効率の高いビジネスモデルの構築を進めてまいります。中長期的には、運営・マーケティング体制の整備を通じて、持続的な成長基盤の構築を目指してまいります。
②AIゲーム事業:当社グループは、ゲーム「GYEE」の運営と並行し、「GYEE 2.0」のWeb3バージョンやIPを活用したゲームの開発など、複数のプロジェクトを展開しております。短期的には、AI技術を活用した効率的な開発体制の構築とビジネスモデルの多様化により、早期収益化と事業リスクの分散を図ってまいります。中長期的には、世界トップレベルのAIGC専門家である戴勃氏の参画を機に、有力IPの取得や先端技術の研究開発を強化し、持続的な収益力を備えた高品質なIPゲームを成長戦略の柱として推進してまいります。さらに、AIデジタルエンターテインメント分野における事業革新と商業化の加速を図ってまいります。
③企業向けAIソリューション事業:AI技術の急速な進化やトレンドの変化に対応しつつ、顧客ニーズを的確に捉えた実用的なソリューションの設計・提供に注力してまいります。また、競争環境下で優位性を確保するため、段階的に人材・技術・顧客基盤の整備を進めてまいります。
アイラッシュケア事業
アイラッシュケア事業では、収支均衡を維持しつつ、安定的な売上基盤を確保し、「Wellness」領域への拡張を視野に新たなサービスモデルの構築を進めております。既存サロン運営における顧客対応ノウハウや業界ネットワークを活かし、再現性の高い関連事業への展開を通じて収益源の多様化を図ってまいります。
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