企業兼大株主キューブシステム東証プライム:2335】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。

 基本方針

「顧客第一主義」

 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。

「重点主義」

 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。

「総員営業主義」

 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。

 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネスで事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。

 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。

 ※企画型ビジネス:当社開発ソフトウェアやIP(ノウハウ・技術を含む)を活用し、販売およびASP/SaaS等を通じて収益を確保するビジネス

 受託型ビジネス:お客様に応じたシステムソリューションをオーダーメイドで開発するビジネス

 また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。

 財務目標

 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上

 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5%

 ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円

 非財務目標

 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間

 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上

   ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度

 当期における状況は、以下のとおりです。

 1点目の指標であるROEは12.0%、2点目の指標である連結営業利益率は7.5%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。

 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.6百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。

 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。

(3)対処すべき課題

 当社が属する情報サービス産業は、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しですが、一方で、原材料価格の上昇や諸資源の供給面の制約が継続し、金融資本市場の変動リスクは景気の行方を不透明な状況に晒しています。こうした経営環境のもとで、企業には中長期的な課題対策のみならず、リスクに対する機動的な対応が求められます。

 当社グループでは、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」を定め、企業価値の向上と社会課題の解決双方の実現に向けてサステナビリティ経営を遂行しております。この経営方針のもとで、中長期経営ビジョン《VISION 2026》の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画で飛躍的な事業成長に向けて取り組んでおります。

 このような状況の中、優先的に取り組むべき重点施策は、以下の通りです。

1 )事業の成長

 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として推進しております。第2次中期経営計画では、当社ビジネスモデルを以下の3つのビジネススタイルでお客様に価値を提供し事業成長を加速してまいります。

①受託ビジネス

 ・Sier向け事業

 ・プライム向け事業

②企画ビジネス

 ・サービス提供事業

 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業推進を図るとともに、案件の大規模化やワンストップサービスの確立、モダナイゼーションへの対応による領域拡大を実行してまいります。また、当社の強みである「ソフトウェアエンジニアリング」において競争優位を発揮し、受注案件において様々な業種・業務、新しい技術にチャレンジすることで、さらなる強みの強化に努めます。現状の受託開発における契約形態を見直し、改善することで、高度・多様化するお客様の要望に合致する付加価値の提供を行い、収益性の向上を図ってまいります。

 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大ならびに収益性向上の両面を目指してまいります。お客様との関係性をより一層強化するとともに、お客様の事業成長に直結した経営課題に対して、先進技術も用いた積極的な提案活動を行い、既存案件の更なる拡大を図ります。また、当社の保有するノウハウや知的資本を武器に、新領域でのお客様の獲得や事業開拓を行い、成長の軸となる顧客基盤の形成に努めてまいります。

 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、国内企業のビジネス基盤を変革するサービスの提供を目指し、お客様のビジネス課題を解決するアプリケーションサービスや、高いクラウド技術力によるプラットフォームを活用したプロフェッショナルサービスの提供を実施してまいります。具体的には、Sier企業やクラウドソリューションベンダーとの協業を図るとともに、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC』の確立による新たな収益モデルの構築を行ってまいります。

 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。

《人的資本サービス H・CUBiC》

2 )事業基盤の強化

 当社グループにおいて、事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、重要な経営課題と捉えております。特に成長の軸となる基盤を以下の4点について、その強化に努めてまいります。

・品質の強化

・生産体制の拡充

・協業推進

・研究投資

①「品質の強化」では、不採算案件の発生を防ぐため、小規模プロジェクトを含めてリスクを早期に発見・対応できるように品質管理体制の強化を図ります。

 品質管理においては、プロジェクトの管理とフォローを実施するとともに、お客様の外部環境変化や先進技術、新規開発手法などの新たなリスクにも柔軟に対応することで、継続的な品質向上活動を推進します。また、見積提案段階ではリスクを十分に洗い出し、後工程での品質・コスト・納期への影響を最小限にとどめる対策を講じるとともに、トラブルプロジェクトが発生した場合は、他プロジェクトへの影響を常に注視し、必要に応じて対策本部を設置し迅速に問題対応を行います。

 並行して、プライム案件のさらなる拡大を進めるべく、財務・法務・セキュリティといったリスクへの対応力の強化に努めるとともに、現状の当社独自フレームワークに加え、品質管理ノウハウを蓄積・体系化することで、品質管理体制を確保してまいります。

②「生産体制の拡充」では、全社横断的なリソースコントロールを推進し、開発拠点のヘッドクォーター(本社:ソフトウェア開発本部)を中心にグループ各社やビジネスパートナーとの連携を深めてまいります。また、国内の各拠点(北海道、名古屋、大阪、福岡)では、生産性向上に資する施策の推進と生産革新への投資を積極的に進めるとともに、開発拠点の拡充による安定した生産体制の構築に努めてまいります。

 ビジネスパートナー戦略においては多様な国内外パートナーとの協業を拡大し、新規ビジネスパートナーとの関係構築に取り組みます。

 海外の開発拠点の一つであるベトナムキューブシステムでは、人材の育成を強化し、オンサイトでのブリッジエンジニアを活用してオフショア開発案件の拡大を図り、グループ全体としての総合力を高めてまいります。

③「協業推進」では、主要なSierとのシナジーを更に生み出すべく、協業テーマの具体化を通じて多様な社会課題の解決促進と顧客サービスの充実・拡大を通じて持続的な成長を目指してまいります。

 また、当社はSier案件を上流から下流までワンストップで請負うソフトウェアエンジニアリング(ワンストップサービス)を志向し、取り組んでおります。当社の担当範囲の拡大や生産技術革新、生産性の向上などを図り、開発後のエンハンスも視野に入れた事業活動を展開することで、お客様との関係性を向上してまいります。

 社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を推進し、全社一丸となって付加価値の向上に努めてまいります。これらの取り組みにより、協業を通じた事業成長と社会貢献を実現してまいります。

④「研究投資」に関しては、事業成長の実現を見据え、顧客ニーズやマーケット動向を的確にとらえながら、AIやIoTをはじめとする先進技術を積極的に取り込んでまいります。また、全社横断での中期投資活動を通じ、生産・運用関連技術や新規事業創発、エンゲージメント向上といった多様なテーマに取り組み、研究プロジェクトの推進を加速させております。今後もプロトタイプの設計・製作・実証実験を積極的に展開し、AI活用を含めた新たな分野への研究成果を新規事業へと展開してまいります。

 また、新規ソリューションサービスの調査・研究開発を着実に進めるとともに、当社が培ってきた強みであるソフトウェアエンジニアリングの知的資産化を図り、競争優位性のさらなる強化に努めてまいります。

3 )経営基盤の強化

 当社グループでは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置づけ、多様な活動に取り組んでおります。第2次中期経営計画では、3点に注力することで持続的に成長してまいります。

 ・人的資本の充実

 ・内部統制/ガバナンス

 ・企業風土改革

①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の実現に向けた人的資本経営の確立を目指し、「量的充実」として社会の要請に応えるエンジニアリング力の増強、「質的充実」として社員のパフォーマンスを高める育成・制度・報酬の向上、そして「意欲の向上」として働き方や環境改善によるウェルビーイング経営の推進、これら3つを柱に実践を進めています。

 具体的施策として、量的充実においては、新卒・中途両面で採用チャネルを多様化し、地方での採用やアルムナイ、ヘッドハンティング等による多様な人材の確保に取り組んでまいります。質的充実においては、若手リーダーの早期育成を目的としたプログラムや、スペシャリスト・マネジメントなど各層への成長支援施策、eラーニングや外部研修など実践的な学びの機会も提供してまいります。さらに、社員一人ひとりのキャリアや目標に合わせた育成計画を作成し、PDCAを回しながら成長をサポートしてまいります。

 最後に意欲の向上においては、新人事制度や柔軟な働き方施策、多様なキャリアパスの実現を促進してまいります。成績評価やMVP制度による報酬・処遇面の向上も図ってまいります。

 あわせて、ウェルビーイング経営や健康経営、快適なオフィス環境の整備にも注力し、社員がやりがいや働きがいを実感できる職場づくりに取り組むことで、社員との更なるエンゲージメント向上に努めてまいります。

②「内部統制/ガバナンス」では、市場や顧客に満足いただけるソリューションサービスを提供し続けるために、公正かつ効率的な経営を支えるコーポレートガバナンスを重要課題と捉え、その充実に努めております。当社のガバナンス体制は、監督・モニタリング、適正かつ機動的な意思決定に資するだけでなく、会社の経営プロセスを有効かつ効率的に機能させるために多面的な助言を行うことで、その実効性を高めております。特に事業戦略、人事戦略、コンプライアンス、セキュリティといった重要課題に対する経営の取り組み状況を注視し、対策の補強や適正化に貢献しております。また、パンデミックや、その他災害への対策、地政学的リスクなどを加味した事業継続プログラム(BCP)の改善も進めていくことで、持続可能な運営に努めてまいります。

③「企業風土改革」では、経営理念に基づき、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の実現に向けた意識改革を進めてまいります。その基盤となるコンプライアンスの実践を重要な経営課題の一つとして位置づけ、「法令や規則を守ること」に留まらず「会社に関わる全てのステークホルダーの信頼に応えること」を当社のあるべき姿として意識醸成に努めております。

 この考え方に基づいて、社員と会社が共に成長し、共に成果を分かち合うウェルビーイング経営を志向してまいります。そして、地域社会発展への貢献や環境にやさしい経営の実践、企業活動における人権尊重などにも取り組んでまいります。

 これらの施策により、2026年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高19,500百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同26.7%増)、経常利益1,760百万円(同26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,220百万円(同3.3%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月期に退職給付制度の移行による特別利益の計上があったため2025年3月期から減少しております。

《価値創造プロセス》

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