企業オープンアップグループ東証プライム:2154】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当連結会計年度においては、個人消費に足踏みがみられるものの、雇用・所得も改善され国内経済は緩やかに回復しております。一方で、金融資本市場の変動影響や米国経済の景気懸念の高まりなどもあり国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。

 その中で、当社グループの事業である派遣や請負、とりわけ国内の技術系領域においては顧客企業のニーズが強い状況にあります。市場環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長が可能と展望しております。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループの事業の存在意義として、また事業遂行における判断基準や価値基準となるものとしてパーパスを設定しております。事業子会社ではこのパーパスの示す方向のもと、各々の事業特性に沿う経営理念やビジョンをもって経営を行っております。

( パーパスのビジュアルイメージ )

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分や事業会社ごとの成長性・収益性を示す指標を重視しております。具体的には、売上収益および営業利益、その増加率を主要な評価指標として設定し、連結決算においても継続的に開示しております。また、稼働社員数の増加や稼働率を非財務的な客観指標として位置付け、併せて開示しております。

2021年8月に策定した中期経営計画「BY25」(計画期間:2025年6月期まで)については、製造領域および英国事業の見直しを通じた事業ポートフォリオの最適化(集中)と、オーガニック成長・インオーガニック成長の両軸によるエンジニア領域の強化(成長)により、売上高1,879億円(前期比8.5%増)、営業利益162億円(同13.6%増)を計上し、当初目標として掲げた営業利益160億円の水準に到達いたしました。これにより、「BY25」のコミットメントを実現したものと判断しております。

 前連結会計年度に掲げた中期経営方針のもとで、以下の3つの指標を掲げ、持続的な成長を目指してまいります。

「収益指標」:売上高・営業利益の年率10%以上成長、営業利益率10%以上の達成

「成長指標」:国内エンジニア数の年率10%以上の拡大、社員育成投資およびM&Aの推進

「還元指標」:配当性向50%以上、累進配当の実施、自己株式取得

 さらに、次期の成長ステージとして、新たに2028年6月期を目標年度に設定し、売上高2,000億円、営業利益200億円の達成を掲げております。

(3)経営戦略等

 当社グループは、主に国内の技術者派遣の売上収益の伸長と収益性の向上が展望できる領域に対して、当社グループの強みである中途及び新卒の継続的な採用や未経験者からの育成プログラムやスキルアップに寄与する研修等のフォローアップにより、技術者の定着率を上げ、LTV(ライフタイムバリュー)を重視する新たな事業経営方針と成長手段を構築しております。

 また、事業セグメントを多様化し増やす方針ではなく、現事業セグメントにおける稼働社員数の増加と収益性の向上による自立成長と同セグメント内で成長に寄与するシナジーや補完が見込まれるM&Aや事業子会社の経営統合等を積極的に行う成長戦略としております。

(4)経営環境並びに会社の対処すべき課題

 当社グループの主力事業である国内の機電・IT領域と建設領域の技術者派遣市場は、従前より人材不足の状況にあり、世界情勢の不安定さはあるものの顧客企業の活動回復と共に人材ニーズは回復しております。一方で、硬直的な雇用制度や成長技術分野への人材流動性の低さなど構造的社会課題は引き続き続くものと考えております。

 特に、国内の労働人口の低下に加え学生の理系離れ等により、長期的には採用マーケットの環境は競合による厳しさを増す傾向にあります。

 このような状況において当社グループの対処すべき課題として以下の項目を認知し、持続的な取組みで対処を行ってまいります。

① 社員の採用

 当社グループの持続的な業容拡大のためには、稼働社員数の増加が重要な要素であり、特にエンジニアの採用は重要な課題と考えております。

 雇用を取り巻く社会環境が変化している中でエンジニアの採用マーケットは非常に競争が激しく、採用力が同業他社との優劣を決めるものとなります。当社グループでは新卒中途を問わず積極的に採用を行っており、技術の領域や事業会社の特徴に適した多様なチャネルで採用を推進しております。若者の就労観の変化など採用マーケットの状況を敏感に捉えながら、自社サイトでの集客、様々な求人媒体、紹介会社、リファラル採用等の活用、WEB面談や採用拠点の統廃合等のインフラの機動的な対応により、採用コストの適正な運営と採用戦略のアップデートを常時行っております。また、採用に関するデータを蓄積・解析し、確保した募集母集団においてスキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、統計やAIを活用しながら更なる採用の効率化と採用数の増強に取り組んでおります。

② 社員の育成

 当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員一人ひとりが顧客企業から信頼される技術や知識、協働などの能力の発揮や向上が重要な要素であり、そのようなスキルを支える仕組みは重要な課題であると考えております。

 顧客企業では引き続き経験や知識のあるエンジニアの要望が高まっております。これに対し当社グループでは、エンジニアを育成するためのトレーニングセンターの設置や、資格取得のための研修、支援制度を通じて、新卒等の未経験からエンジニアとして就業できる社員を育成しております。また、社員のスキル、就業先での評価や社員の意欲を的確に把握できるよう専任部署等による人的なフォロー体制とタレントマネジメント等のシステムを柔軟に活用した対応を行っております。これによりキャリアの転機や働き方の希望を把握したうえで、社員のリスキリングを推進し、またスキルアップの支援に取り組んでおります。

③ 社員の定着

 当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員の定着が重要な要素であり、安心安全を基本に社員がやりがいをもって就業できることが重要な課題であると考えております。

 当社グループで長期にわたり働いて頂くためには、社員の満足度が最重要と考えております。そのためには「人」を起点に、社員一人ひとりのライフイベントに配慮したきめ細やかなフォローを通じて、適正なマッチングの実現、リスキリング、キャリア支援などたくさんの扉を創り続ける必要があります。当社グループはその件数及びスピードを重視しDXの更なる活用と全社でのノウハウ共有による向上に取り組んでおります。これらにより、当社グループでの満足感を高め定着率の向上に努めております。

④ 営業力の強化

 当社グループの持続的な業容拡大のためには、顧客企業との信頼関係が重要な要素であり、市場や顧客企業の要望の変化を踏まえながら、質の高い営業活動を継続的に行う仕組みを構築することが重要な課題と考えております。これまで、受注のスピードや量を求め過ぎることにより捉えきれていない顧客企業のニーズを、営業トレーニングや顧客接点の拡大などの施策を実施することでしっかり捉え、顧客が満足し、真に顧客との信頼関係を築くことができるよう営業力の再構築に取り組んでまいります。

⑤ M&A

 当社グループの持続的な業容拡大のためには、自立成長に加え、M&Aによる成長が重要な課題であると考えております。

 このため、国内のエンジニア派遣に関連するM&Aにおいて、的確な投資基準の設定と運営方針の策定が重要であると認識しております。

 当社のM&Aは既存の事業ポートフォリオの領域内を原則と考えており、当社グループの経営管理手法、営業・採用とのシナジー、エンジニアのスキルアップやキャリアアップの可能性の拡大等を都度検証しております。また資本コストを上回る収益性となるか慎重にシナリオを検討したうえで、事業、財務、法務、人事等の項目を業務執行取締役及び執行役員を構成員とする投資検討会において十分審議のうえ、取締役会での最終決定を行うことにしております。また、過去のM&Aに関しても全て定期的にパフォーマンスを検証しており、新たなM&Aの検討やPMI(いわゆるM&A後の統合行為)において比較や参考としております。これらにより当社グループに適したM&Aを行い着実に成果に結びつくよう取り組んでおります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき課題は、パーパスである「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性をひらく社会に」を実現するために、社員満足度を上げ、定着率を上げることで、LTV(ライフタイムバリュー)を向上していくことです。

 そのために、マッチングがメインのエージェント型のサービスにとどまらず、働く人のキャリア形成をサポートする伴走型のサービスを、ひとりひとりの個性に合わせて提供していくことに当社グループは注力しています。

PR
検索