企業兼大株主オートバックスセブン東証プライム:9832】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

■パーパス

 社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現

■オートバックスセブンの進化の方向性

 出かける楽しさを提案し続ける会社へ

 当社グループは「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」をパーパスに掲げ、モビリティライフにおけるさまざまな社会課題を解決し、人とモビリティが調和する持続可能な社会と当社グループの持続的な成長の実現を目指しております。

 2023年には、2032年度の連結売上高5,000億円を掲げる長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」を発表し、オートバックスセブンの進化の方向性「出かける楽しさを提案し続ける会社へ」というありたい姿を明示いたしました。

 また、2024年5月には、長期ビジョンの達成に向け、さらに加速度的な成長を実現すべく、2026年度を最終年度とする2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」を発表いたしました。お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指すことを新たな進化の方向性と位置づけ、モビリティに関わるお客様の「煩わしさ」を軽減し、「出かける楽しさ」を提案し続けることに、国内外を問わず邁進してまいります。そして、より一層お客様に支持される企業グループへと進化させ、モビリティ社会を支えるインフラとして、社会になくてはならない存在を目指しております。

(2)経営環境

 日本経済は、雇用情勢の改善やインバウンド需要の回復等を背景に、景気は緩やかな回復基調を維持しております。他方、労働人口の減少、持続的な物価上昇に伴う個人消費の減速、さらには米国の金融政策をはじめとする国際的な不確実要因により、依然として先行きには不透明感が残る状況となっております。

 このような環境下において、自動車業界では、持続可能な社会の実現に向けた世界的な機運の高まりを受けて普及が進んできた電気自動車(EV)に関し、一部地域では需要の伸びが鈍化し、EV市場は過渡的な局面にあると見受けられます。加えて、国内においては大手自動車メーカー間で経営統合に関する協議がなされるなど、これまでにない業界構造の変革が顕在化しつつあります。さらに、自動車アフターマーケット分野におきましては、異業種企業によるM&Aや周辺事業領域への展開が加速しており、顧客獲得競争はこれまで以上に激化しております。

 また、技術革新の進展および社会の成熟化に伴い、消費者の価値観や購買行動は一層多様化しております。従来、クルマは「所有するもの」としての位置付けが主流でありましたが、近年では「必要なときに利用するもの」へと価値の重心が移りつつあります。カーシェアリングやサブスクリプションサービスといった新たな利用形態の普及により、クルマに対して費用や時間を過度にかけない消費者層が増加するなど、人とクルマとの関係性そのものが変容しております。

 このように、自動車を取り巻く事業環境は急速に変化しており、その方向性やスピードについても見通しを立てることが困難な局面が続いております。当社といたしましては、こうした変化を脅威ではなく機会と捉え、お客様のニーズやライフスタイルの変化を的確に捉えながら、柔軟かつ機動的に対応し、持続的な価値提供に努めてまいる所存です。

 なお、当社が加盟する自動車用品小売業協会(APARA)発表の2024年4月から2025年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は、4,184億26百万円で、前年比5.1%増加いたしました。また、同期間の新車販売台数※1は、約457万台(前年比1.0%増)、中古車登録台数※2は、約317万台(前年比0.8%増)となりました。2023年7月から2024年6月までの自動車整備に関わる市場総売上※3は、6兆2,561億円(前年比5.9%増)となり、3年連続で増加しました。

※1 日本自動車販売協会連合会 発表 登録車と軽自動車の合計

※2 日本自動車販売協会連合会 発表 普通乗用車と小型乗用車の合計

※3 日本自動車整備振興会連合会 発表

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 事業上の課題

 当社は、2032年度における連結売上高5,000億円の達成を目標とする長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」を策定し、「グループ店舗数1,300店舗」「車検台数100万台」「車買取・販売台数15万台」という日本国内における定量目標を掲げ、短期および中長期の両視点から各種施策を着実に推進しております。この5,000億円という売上規模は、現行水準のおおよそ2倍に相当するものであり、既存事業の成長のみならず、新規事業の創出を不可欠な要素と位置付けております。これまでの延長線上では到達困難な目標であるからこそ、当社には抜本的な変革への挑戦と、それを迅速に推進する力が強く求められております。

 このような背景のもと、2024年5月には長期ビジョンの実現に向けた成長の加速を目的として、2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」を新たに策定・公表いたしました。当該計画では、「小売り」および「卸売り」の2軸に経営資源を集中的に配分し、これらの事業領域におけるグローバルな展開と、隣接・周辺領域への事業拡張を戦略の中核に据えております。計画最終年度である2026年度には、連結売上高2,800億円、連結営業利益150億円、ならびにROIC(投下資本利益率)7.0%の達成を経営目標として掲げ、重点施策としては、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」の3点を設定しております。

 本中期経営計画の推進に当たっては、次世代の経営を担う若手人材による主導のもと、計画立案から実行に至るまでを一貫して遂行する体制を整備しております。あわせて、部門およびグループ会社を横断したタスクフォースを編成することで、全社的な実行力と推進力の最大化を図っております。さらに、経営判断の迅速化および事業運営の効率性向上を目的として、2025年度より執行役員に相当する役職を廃止し、各事業の分社化も並行して進めております。

 第一の重点施策である「タッチポイントの創出」に関しては、スケールメリットの享受を念頭に拠点および卸売先の拡充を進めており、オートバックス店舗の出店を加速化しております。2024年度には、オートバックス13店舗を新規出店するとともに、M&Aを通じて中古車販売事業者オトロンカーズ、Honda正規ディーラー、タイヤ専門店ビーライン等、計101店舗※のネットワークを拡大いたしました。さらに、AUTO INおよびオートバックスカーズ等の新たなストアブランドも3店舗展開し、2024年度の新規拠点数は117店舗に達しております。

※M&A実施時点の店舗数

 第二の重点施策である「商品・ソリューションの開発と供給」においては、サプライチェーンマネジメント(SCM)の観点から、商品調達・開発機能、物流機能、営業機能の3側面について、グループ最適の視点による構造改革を推進しております。現在は第1フェーズとして、商品調達・開発機能の集約に注力しており、これによりグループ内での共同開発・調達を実現し、高品質かつ低コストな商品開発による競争力強化を目指しております。また今後は、物流・営業機能の統合も順次進めてまいります。

 あわせて、フランチャイズチェンパッケージについても見直しを行い、ロイヤリティ料率の改定をはじめ、全国統一ツールの整備やスタッフ教育制度の強化に取り組んでおります。具体的には、スマートフォンを通じて作業状況を視認可能とする「安心ピットカメラ」の全店舗導入を推進するとともに、基本研修およびピットサービスや整備等の専門研修の充実を図っております。これにより、価格競争力の強化および店舗オペレーションの高度化を図り、顧客満足度の向上につなげてまいります。

 第三の重点施策である「新たな事業ドメインの設定」では、障害者等用駐車スペースの事前予約ソリューション「VEEMO Welfare(ビーモ ウェルフェア)」を発表し、社会課題である不適切利用の是正に取り組むとともに、ZEVディーラーの運営やEV充電インフラの整備も推進しております。EV急速充電器については、2030年までにグループ100店舗への設置を目標としており、2024年度末までに16店舗へ導入を完了いたしました。これらは将来的な収益源としての可能性を有し、先行的に取り組んでいるものであります。

2024年度においては、これらの各施策の効果が顕在化し、通期業績としては増収増益を達成、営業利益目標も計画通り達成いたしました。引き続き、中期経営計画2年目となる2025年度も着実に計画を遂行し、最終年度における営業利益150億円の目標達成に向けた取り組みを加速してまいります。

② 財務上の課題

 本中期経営計画期間におけるキャピタルアロケーションとしては、累計350億円規模の投資を計画しており、成長機会への投資を優先しつつ、1株当たり年間60円の安定配当を維持する方針を掲げております。中期経営計画初年度より、設備投資・M&Aに積極的に取り組み、当該3年間の投資計画に対してすでに50%超の進捗を示しております。M&Aによりグループ入りした子会社の業績寄与も顕在化し、連結ベースでの利益拡大に資する結果となっております。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEであります。

 2026年3月期の目標値は、売上高2,760億円、営業利益135億円、親会社株主に帰属する当期純利益82億円、ROE6.2%であります。

PR
検索