オークマ
【東証プライム:6103】「機械」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義(Purpose)とし、企業理念(Vision)の実践を通して、社会価値の創造と企業価値の向上を目指してまいります。
企業理念:「オークマは、統合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に
貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。」
(2) 経営環境及び対処すべき課題
労働人口の減少とデジタル革新技術の進展がもたらす社会変化と共に、地政学リスクの高まり、そして気候変動への対応等により、産業構造の変化がグローバルに急速に進んでいます。
新たな感染症の発生や頻発する大規模な自然災害に対し、自動化・省人化、製造拠点の分散等、ものづくりの強靭化が求められ、経済安全保障の観点からも、サプライチェーンの再編・複線化、製造拠点の再配置等、リスク対応が一層重要となってきています。
そして多様化する顧客要求や環境対応に伴う脱炭素化の流れにより、ものづくりのあり方は変革が求められております。
■ ビジネスモデル「総合ものづくりサービス」
製造業全体が大きな転換点に差し掛かる中、当グループは、工作機械を制御する数値制御装置(NC装置)を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとしての強みを活かし、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を基盤に、ものづくりをトータルで支援、提供するというトータルレスポンシビリティの思想のもと、「総合ものづくりサービス」を提供しております。
「総合ものづくりサービス」は、独自のスマートマシン(知能化・AI技術を搭載した工作機械)だけでなく、加工技術、そして自社工場で培ってきたスマートファクトリー構築のノウハウをスマートファクトリーソリューションとして提供していくこと、そしてさらには工場全体の自動化・工場運営支援を提供する「ものづくりDXソリューション」まで個々のお客様におけるものづくりのライフサイクル全体において課題を解決し、新たな価値を提供します。そして労働人口減少や脱炭素社会の実現等、社会課題の解決に貢献すると共に、当グループとしての成長を図り、「世界の製造業における社会課題を解決する企業」を目指してまいります。
■ 中期ビジョン
「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」という存在意義(Purpose)の実現に向け、基本戦略(Basic Strategy)として、スマートマシンからスマートファクトリーソリューションを徹底的に強化しながら、ものづくりDXソリューションの展開の加速を進めてまいります。
世界の課題解決の需要に応えること、 そしてものづくりの課題解決を通じてお客様に貢献することが当グループの成長につながります。その上で、成長産業、強みの産業を大きくカバーすることによる成長、さらにグローバル70(海外売上高比率70%以上)の実現を目指して、グローバル市場における成長を掛け合わせ、当グループの中長期的な成長を図ってまいります。
中期ビジョン
■ 中期経営計画2025の基本方針と重点的な取組
中期ビジョンの達成に向けて2023年度~2025年度の中期経営計画2025では、5つの基本方針を定め、収益性の向上を図ると共に、需要変動に左右されにくい事業構造・企業体質の構築を進めてまいります。そして事業活動を通じて社会課題を解決することで、新たな価値を生み出し、当グループの持続的成長、企業価値向上につなげてまいります。
| 中期経営計画2025の基本方針 | 主な狙い |
① | ものづくりDXソリューションの展開 | 付加価値の追求 |
② | グローバル70の達成 | 需要変動への耐性強化 |
③ | 経営基盤の強化 | 高付加価値・高効率経営の実践 |
④ | 連結グループ全体での資本の最適化 | 投下資本の最適化 |
⑤ | 社会へ貢献するESG経営の実践 | 持続的社会への貢献 |
中期経営計画2025における重点的な取組
①ものづくりDX ソリューションの展開 | ものづくりの課題を解決する技術、製品の展開 ・Green-Smart Machineの展開 ・新CNC「OSP-P500」の展開 |
コア事業の高付加価値化 ・5軸制御マシニングセンタ、複合加工機の販売推進 ・スマート加工セルのグローバル展開 | |
新規ビジネスの拡大 ・「ものづくりコンサルティング」の展開 | |
②グローバル70の達成 | 強固な代理店網を活かした顧客基盤の拡大 ・「個客」提案による差別化と顧客の囲い込み ・高い汎用性が特長のオークマスマートマシンを多様な産業・顧客に幅広く展開 ・アジア・インド市場への取組強化 |
③経営基盤の強化 | 成長への基盤強化 ・Green-Smart Machine、スマート加工セルへのリソースの集中 ・サプライチェーンマネジメントの強化 ・人的資本の強化、多様化 |
④連結グループ全体での 資本の最適化 | 効率的な事業運営の強化 ・グローバル経営管理体制の強化 |
⑤社会へ貢献するESG経営 の実践 | ESG経営の実践 ・2030年度までに連結グループ全体でのScope1、Scope2における カーボンニュートラル化の達成 ・人的資本投資の拡充(新人事制度の導入) ・ガバナンスの強化 |
■ 目標とする経営指標
当グループは、中期ビジョンにおいて2030年度の連結売上高を3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。その中間地点として2025年度に達成を目指す経営目標としては、中期経営計画2025の基本方針に基づく取組を展開して収益力強化と高効率経営の実践を図り、連結売上高2,500億円、連結営業利益率13~15%、ROE・ROICを10%以上とする経営目標を設定しています。
株主還元の方針としましては、安定した財務基盤と将来の成長に向けた投資枠を確保しながら、平均して総還元性向35%以上を実施してまいります。また、フリーキャッシュフローの状況に応じて、投資のタイミング、財務の健全性、キャッシュの保有レベルを加味しながら、追加的な株主還元も柔軟に行う考えです。
なお、中期経営計画2025の最終年度となる2025年度の経営環境は、米国の関税政策によるグローバルな影響、サプライチェーンの混乱等の地政学リスク、また為替変動や金融市場の不安定さが続く等、不透明な情勢が続くと予想されます。工作機械需要につきましては、労働人口減少、脱炭素化等、社会課題への対応に伴う需要が中長期的に底堅く推移することが見込まれます。他方、米国の関税政策の発動に伴い、各国における米国向け輸出産業が受ける負の影響が危惧されますが、米国市場においては、製造回帰の流れ、生産拠点の再編による米国内での設備投資の進展が見込まれます。あわせて、2025年度の後半以降は半導体製造装置、航空宇宙、エネルギー関連等、各種産業の設備投資の回復が進むことが期待されます。
このような経営環境、工作機械需要の見通しを踏まえ、2025年度の連結業績予想(2025年5月9日公表)は、連結売上高2,300億円、連結営業利益率9.6%と、中期経営計画2025の経営目標を下回る予想となっております。当グループは、グローバルでの顧客獲得、生産・業務効率向上による収益確保と体質強化を図ると共に、スマートマシンや自動化ソリューション、脱炭素化ソリューション等の、ものづくりDXソリューションの提供を基本戦略として展開し、成長産業からの需要を確実に取り込み、中長期的な成長、中期ビジョンの実現を目指してまいります。
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