オルガノ 【東証プライム:6368】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
■ 経営理念・長期経営ビジョン
当社グループは1946年の創業以来、長きにわたって水に関わるお客様のさまざまなご要望やそれぞれの時代のニーズに応えてまいりました。昨今これまでにないほど「水」そして「環境」がクローズアップされており、産業の発展に伴う水使用量の増大や環境汚染、地球温暖化、世界規模での飲料水の不足、資源の枯渇などさまざまな課題が顕在化し、その解決が求められています。当社グループは、これまで水で培ってきた技術・サービスを駆使して、産業分野で必要とされる高度な水処理や、社会の基盤となる自然環境の保全と人々の豊かな生活に必要な水の創造など、産業・環境・生活の調和に貢献することが我々の大きな使命であると考えており、以下の経営理念及び長期経営ビジョンを掲げ経営に取り組んでおります。
経営理念 |
オルガノは 水で培った先端技術を駆使して 未来をつくる産業と社会基盤の発展に貢献する パートナー企業としてあり続けます |
長期経営ビジョン |
■ 付加価値の高い分離精製・分析・製造技術を基に、事業領域と展開地域を拡大し、 産業と社会の価値創造と課題解決を推進する製品・サービスを絶えず提供します |
■ 昨日までのやり方を、明日に向けて、今日変える人をつくり、 一人ひとりが働きがいと活力に満ちた企業を構築します |
(2) 経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
① 経営環境
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、米国と中国をめぐる各種の摩擦や中国・台湾の問題など地政学的なリスクの拡大に加え、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、気候変動によるさまざまな影響の深刻化が懸念されるなど、社会・経済の先行きに対する不確実性や予測の困難性が非常に高い環境にあると言えます。これからのオルガノが向かう事業の方向性はこうした変化に沿って考える必要がありますが、水に関わる事業を展開する当社にとって、気候変動や環境保全、水資源の有効活用などSDGsに対する役割を果たすことでサステナブルな社会の実現とともに当社の持続可能な成長を如何に実現するか、社会的な価値の追求によって顧客価値を如何に実現していくか、ということが重要なポイントになると考えています。
当社の主要市場である電子産業分野は、微細化や積層化など先端半導体技術の進展や、電気自動車・自動運転技術などの拡大、再生可能エネルギー分野の成長などによって半導体や電子部品などのさらなる市場の拡大が期待されております。加えて、チップの微細化や高性能化に伴って、当社がこれまで水処理で培ってきた分離精製技術を半導体製造に用いられる各種の薬液や溶剤などの高度精製に応用・展開することが期待されるなど、新たな事業分野を拡大するチャンスを秘めた市場と捉えています。加えて、リチウムイオンバッテリーの製造市場や新たな抗体医薬品の市場に向けても当社技術の展開を進めており、こうした活動を通じて気候変動への対応や省エネルギーの実現、ライフサイエンス技術の発展などへの貢献と事業の成長を両立させることが大きな課題であると考えています。また、地域別にみると、これまで日本や韓国・台湾など東アジア地域に集中していた半導体製造が米国や欧州に回帰する動きや、中国に集中していた生産機能を東南アジア地域などに分散する動きが見られるなど、よりグローバルな事業展開が求められております。
当社の強みは「現場力とそこで生み出す最適化の力」にあると考えています。その源泉となる納入・生産の現場に目を向けると、建設工事や設備の運転管理・メンテナンスなど現地・現場での作業が不可欠な業務が多く残る中で労働力不足の問題が各所でみられ、設備のリモートでの監視や自動運転などのニーズはますます高まっています。当社においてもセンサーやIoTなどの技術を利用した自動監視システムや、遠隔での設備診断・エンジニアへの指導などのデジタルテクノロジーを活用した技術・サービスの開発を進めておりますが、今後さらなるITインフラの拡充や、設備の保守・点検、消耗品交換などのメンテナンスサービスとデジタル技術を融合させた新たなソリューションサービスの展開などといった取組みを今まで以上に加速させていきます。
② 経営戦略及び優先的に対処すべき課題等
当社グループは、長期経営計画である“ORGANO2030”に基づいて毎年3か年の中期経営計画をローリングして策定しております。“ORGANO2030”では売上高2,000億円、売上高営業利益率15%の達成を業績の目標イメージとして、重点事業や成長地域・成長ドライバー、事業基盤の強化策などの議論を進めるとともに、サステナビリティ目標である「継続的な事業成長の実現」と「事業基盤の構築」の達成に向け、マテリアリティの特定やそれぞれの課題に対する定量的目標の設定を進めております。
当連結会計年度においては、国内外での活発な受注環境を背景に、大型プロジェクトの設計・納入対応に向けてグループ内のエンジニアリングリソースの活用やアウトソーシングの拡大を推進いたしました。しかしながら、中長期的な目標達成に向けてはさらなるリソースの拡充や人材の育成が不可欠であり、資材の確保や価格の高騰、米国による対中半導体規制の影響などサプライチェーンに対する課題と合わせ、さらなる対応が必要な状況にあります。また、ソリューションサービスや研究開発においては、設備の運転データなどを活用した新たなソリューションサービスの展開や、次世代超純水システムに向けた技術の開発・高度分析技術の進展など一定の成果が見られたものの、新たな事業の創出に向けてはさらなる強化・拡充が求められております。
2025年度を最終年度とする新たな中期経営計画においては、この3年間を当社が新たなステージに移行するための重要な期間と位置付け、事業基盤の強化と事業展開の拡大に取り組んでまいります。具体的には、重点分野として「電子産業」、「薬品事業」、「機能材料」を掲げ、デジタル技術を活用した設計業務の自動化・効率化やキャパシティの拡大など「エンジニアリング体制の強化」、海外でのサービス拡大やデータ活用型のサービス強化など「ソリューションサービスの展開」、高度な分離精製・分析技術の深化や新事業の創出に向けた「研究開発体制の拡充」などの課題への対応、及びサステナビリティ目標の達成に向けて各種施策の実行やパートナー企業との連携強化・投資の拡大などを進めます。最終年度である2025年度における経営目標は売上高1,700億円、営業利益185億円、売上高営業利益率10.9%を目指し、ROEは12%以上を安定的・継続的に達成できる収益構造の構築に取り組んでまいります。なお、当社グループは持続的な企業価値の向上と収益性改善の達成状況を評価するため、ROEと売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。
経営目標
区 分 | 第78期 | 第79期 | 第80期 | 第81期 | |
2023年3月期 (実績) | 2024年3月期 (計画) | 2025年3月期 (計画) | 2026年3月期 (計画) | ||
受注高 | (百万円) | 173,491 | 150,000 | 160,000 | 170,000 |
売上高 | (百万円) | 132,426 | 150,000 | 160,000 | 170,000 |
営業利益 | (百万円) | 15,212 | 16,000 | 17,200 | 18,500 |
売上高営業利益率 | (%) | 11.5 | 10.7 | 10.8 | 10.9 |
自己資本当期純利益率 (ROE) | (%) | 14.5 | 12.6 | 12.7 | 12.6 |
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