エータイ
【東証グロース:369A】「サービス業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
① 企業理念
「人と人のこころのつながりをサポートし、社会のこころを豊かにする」という企業理念のもと、地域の人々を結び、人々の人生を豊かにするさまざまな活動を企画提案・実行します。故人やご先祖を想い、手を合わせるという行為の中に、人と人とのこころのつながりがあり、人を想うあたたかな気持ちがあります。寺院コンサルティング事業においては、そうした人が人を想うこころのつながりとして葬送文化の伝承をサポートすることで、人々の人生、ひいては社会のこころを豊かにします。
② ビジョン
「ポジティブな超高齢社会を創造する」というビジョンのもと、今後訪れると想定される超高齢社会をポジティブなものとするための活動を行います。寺院コンサルティング事業においては、当社の永代供養墓が時代のニーズに合致していることを踏まえ、多くの寺院や墓地の利用者に当社の永代供養墓を提供します。また、今後の供養のあり方を先取りした、新たな墓制供養のあり方を積極的に提案します。
③ ミッション
「みんなの未来を安心とワクワクで満たすサービスを提供する」というミッションのもと、人々の未来需要を積極的に読み取り、当社の提供するサービスにより、人々の未来を安心とワクワクで満たすことで、ポジティブな超高齢社会の創造に貢献いたします。寺院コンサルティング事業においては、時代のニーズを踏まえた供養の形を追究し続け、寺院を通じて社会に安心感や満足感を永代に提供し続けられるよう、寺院を拠点として故人を含めた人と人とがつながる「場」を提供します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
(開苑寺院数)
寺院との契約締結は、当社サービス提供の基盤であり、当社の収益力向上のためには、新規寺院との契約締結を進め、提携寺院数を継続的に増加させることが重要となります。新規寺院との契約締結後、提携寺院により管轄する都道府県庁の墓地経営許可を取得したのち、当社により永代供養墓建立工事に着工し一定期間を経て開苑、永代供養墓募集代行業務等を開始いたします。このため、開苑寺院数(契約締結後に開苑した寺院数)を重要業績評価指数(KPI)とし、寺院開発の施策を通じて収益力の向上に取り組んでおります。なお、売上高及び開苑寺院数の推移は以下のとおりであります。
(売上高及び1寺院当たり売上高)
当社の開苑寺院から収受する永代供養墓募集代行手数料(売上高)は、顧客と寺院の成約による成約額から生じます。2025年8月期において成約額は4,058百万円であり、当該成約額から収受した当社の永代供養墓募集代行手数料等(売上高)は2,929百万円、1寺院当たり売上高は34百万円となっております。寺院との永代供養墓募集代行契約を10年から20年にわたる長期の契約とし、永代供養墓の成約状況及び残区画数に合わせて適時に永代供養墓の増設を行うことで、1寺院当たりの売上高を逓減させることなく一定水準を維持しております。この永代供養墓の増設は、2025年8月期末の開苑寺院92寺院のうち39%の寺院で過去1度以上実施されており、売上高の維持に取り組んでおります。当社の業績向上のためには、適切なエリア開発に基づく開苑寺院数の増加のみならず、開苑寺院における顧客の訪問件数及び顧客と寺院の成約率の維持向上、永代供養墓の増設並びに高い手数料率の維持による開苑寺院当たりの売上高の安定的な確保が重要となります。このため、「売上高」及び「1寺院当たりの売上高」を重要業績評価指標(KPI)とし、これらの数値を向上させる施策を通じて収益力の向上に取り組んでおります。
| 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
成約額(百万円)※1 | 2,495 | 2,470 | 2,665 | 3,266 | 4,058 |
売上高(百万円)※2 | 1,815 | 1,782 | 1,928 | 2,376 | 2,929 |
開苑寺院数 | 53 | 59 | 74 | 80 | 92 |
1寺院当たり売上高 (百万円)※3 | 35 | 31 | 29 | 30 | 34 |
※1 成約額は、墓地の利用者が墓地購入のために決済した金額の総額であります。
※2 売上高は、成約額から永代供養など宗教活動の対価として寺院に配分する志納料を除いた当社の募集代行手数料(税抜)等であります。
※3 1寺院当たり売上高は、売上高を期中平均開苑寺院数((前事業年度末開苑寺院数+当事業年度末開苑寺院数)/2)で除して計算しております。
(3)経営環境
国内の年間死亡数予想は2024年において1,508千人とされ、その後も増加しピーク時の2040年には現在の約1.1倍である1,665千人になると推計されている一方で、国内の年間出生数予想は2024年において779千人とされ、2040年には718千人にまで減少すると推計されています。
超高齢社会の進展に伴い少子高齢化や核家族化が進むにつれ、血縁関係の断絶・希薄化が珍しくなくなったことから、人々が利用する墓地の維持管理及びその費用負担、親族等による後継ぎが困難となる傾向にあり、また新たに墓地の利用を希望する場合でも利用の意思決定が行い難い傾向にあることから、従来型の墓地管理承継者がいない中高年層が生前に永代供養墓を購入するケースが増加しており、当社が寺院へ企画提案する永代供養墓の潜在的な需要は益々高まっております。
※横軸は暦年表記
(実績値)
「政府統計の総合窓口(e-Stat)」-統計データを探す-統計名「人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生」
「人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡」
厚生労働省-「統計情報・白書」-令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況
(推計値)
「国立社会保障・人口問題研究所-日本の将来推計人口(令和5年推計)-出生中位(死亡中位)推計(令和5年推計)」
年間死亡数が増加する一方で年間出生数が減少していく社会環境においては、死者の埋葬絶対数は増加する一方で、墓地の承継者は減少していく構造にあります。墓の引越しである「改葬」の件数は2023年度において166千件を数え、1997年度の69千件と比較しておよそ2.4倍に増加しており(※1)、遠方で利用する墓地の維持等のために行う改葬の需要が増加しております。また2022年3月から2023年9月にかけて行われた総務省の調査によれば、公営墓地や納骨堂を有する全国765市町村のうち、承継がなされず死亡者の縁故者がいない無縁墳墓等を有する市町村数は58.2%を占め、うち無縁墳墓等の焼骨の移管・墓石撤去の着手にまで至った市町村はわずか6.1%となっており(※2)、従来の一般的な墓地を維持できず放置される状況となっています。
※1 「政府統計の総合窓口(e-Stat)」、統計データを探す-統計名「衛生行政報告例」から引用
※2 総務省報道資料「墓地行政に関する調査-公営墓地における無縁墳墓を中心として」から引用
(市場規模の推計)
年間死亡数が増加していくことに合わせて、墓市場全体の規模成長が見込まれていますが、それ以上に永代供養墓市場の成長が見込まれています。墓市場全体は2017年に2,788億円ほどであったものが、2030年には2,864億円と推計されており、その成長率は2.7%となる見込みである一方、永代供養墓市場においては、2017年の348億円から2030年の777億円とその成長率は123.3%と推計されています。
当社が依頼した株式会社矢野経済研究所「永代供養墓市場に関する調査」よりデータ抜粋
※市場規模推定における前提・仮定(件数ベース)
・墓の購入者の出現率に影響を与えうる因子を「人口・世帯数」と「死亡者数の増減」と規定
・このうち、将来的な死亡者数の増減率は、あらゆる種類の墓の購入者の出現率に等しく影響を与えるものと仮定
・一般墓の購入者の出現率は、過去5年間と同様のペースで今後も微減傾向が継続するものと仮定
・納骨堂及び樹木葬の購入者の出現率は5年ごとに一定の割合で鈍化していくものと仮定
※永代供養墓市場は、樹木葬、納骨堂、その他の墓種別に分かれる
※市場規模推定における前提・仮定(金額ベース)
・墓種別の平均購入価格が、2021年と変わらず今後も一定であると仮定
近年の核家族化世帯の増加による後継者問題、それに伴う寺離れ・墓離れといった言葉に代表されるように、墓地を取り巻く社会環境においては、墓地の利用者や墓地を提供する寺院が抱える多くの「課題」が存在します。それを解決する手段として、墓地の利用者に後継者がいなくても寺院が永代に渡り供養・管理を行う永代供養墓の需要は拡大すると見込まれています。
(4)経営戦略等
当社は、超高齢社会における年間死亡数の増加及び出生数の減少による墓地の承継者不足に対応し、墓地の利用者及び寺院が抱える課題の解消と向き合い、「お墓といえばエータイ」を目指してまいります。
主力の永代供養墓募集代行業務においては、当社独自の手法により、墓地利用者及び寺院のニーズに合致した永代供養墓の安定供給及び永代供養墓利用者の安定確保を継続して実現し、寺院における永代供養墓の運営に係る費用を当社が負担することで高い募集代行手数料率を確保すると同時に、旧来の石材業者の提供する伝統的なデザインとは異なる視点でデザイン性が高く高品質を目指した永代供養墓の低費用化、並びに適切なエリア展開に基づく募集代行費用の効率化を実現しています。これらを前提に、更なる寺院及び顧客の満足度向上のため、①寺院提携エリア開発によるドミナント戦略強化、②ワンストップ×フルサポートによる永代供養墓利用者の獲得戦略に注力してまいります。
① 寺院提携エリア開発によるドミナント戦略強化
年齢別人口分析や存在する競合他社及び寺院数など関連する指標を用いてより潜在性のあるエリアを選定のうえ、当該エリアにおける将来の墓地需要の予測やこれまでの開苑寺院の販売実績を勘案し提携すべき寺院数を算出、寺院周辺地域に特化したサービスとして新規エリアにおいては主要都市を中心に開発し、既存展開エリアにおいては空白エリアへの展開並びに既存開苑寺院での増設を行い、十分な墓地数を確保し効果的かつ効率的な提携寺院エリアを構築するドミナント戦略を実践してまいります。当該エリアにおいて獲得した提携候補寺院については、AIなどを活用(既存開苑寺院における売上実績、住所、商圏人口等を学習)した当社独自の基準(年間見込成約額約40百万円)に基づき、安定的な収益獲得の実現のために増設スペースも見越した業務提携の意思決定を実施しております。増設スペースについては、新規建立時点で空いているスペースはもとより、将来の墓じまいで更地となることが見込まれるようなスペースの確保も見越し、意思決定を実施しております。さらに、既に広告宣伝活動により一定の永代供養墓マーケットが作られている既存開苑寺院では、販売実績から増設後の売上見込みが予測しやすく、安定的な収益が獲得できます。これらにより、各エリアにおいては当社ブランドの高い認知と信頼性を獲得し、高い売上高を確保すると同時に、永代供養墓建立業者に対する工事費、寺院見学者の獲得に向けた広告宣伝費及びそれに関連する人件費といった費用の効率化を実現し利益率の継続的な改善を実現します。開発の対象となるエリアは関東地方※を中心とし、九州地方及び東海地方等への展開を開始したほか、関西地方への展開も開始しております。
※東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県においてアプローチ可能な寺院数を6,300寺院と推定しております。
② ワンストップ×フルサポートによる永代供養墓利用者の獲得戦略
寺院との永代供養墓募集代行契約の締結後は、寺院や墓地の利用者のニーズに合う永代供養墓の企画提案、建立を行い、これまでに培った知見に基づく広告戦略としてポータルサイトや自社HP等のオンライン広告、新聞広告や折込チラシのポスティング等のオフライン広告の実施、またこれら広告により獲得した現地見学者に対し現地常駐スタッフが安心した墓地選びのサポートを実施することで、潜在層の掘り起こしや顕在層の確実な獲得を実施し安定した1寺院当たりの売上高の確保に努めてまいります。また、テレビCMなどのマス広告を実施することにより、永代供養墓における認知の獲得に努めてまいります。
永代供養墓マーケットにフォーカスすることで、①寺院提携エリア開発によるドミナント戦略強化、②ワンストップ×フルサポートによる永代供養墓利用者の獲得戦略によって創出される売上高拡大及び費用効率化といった競争優位性について、さらなる成長が期待されます。現状、類似するビジネスを実施している企業が少なく、また開苑寺院数等の規模も当社と比較し僅少であるため、先行者の優位性を大きく確保できるといった利点も有しており、継続して速度を有した事業推進を行ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 潜在能力のある開苑寺院のさらなる確保
永代供養墓の募集代行契約に伴う募集代行手数料(売上高)の成長のためには、当社との提携により財務基盤が強化され、かつ、周辺顧客への永代供養墓の普及がおおいに期待できる、潜在能力のある開苑寺院を増加させることが必要不可欠です。
近年の墓地利用者のニーズとしては、単一の寺院で複数の永代供養墓のタイプから選択でき、より生活圏に近い立地であることが求められる傾向が強くなっております。そのため、将来に向けて墓地の利用者のニーズに合致する開苑寺院を確保していくことを重要な事業上の課題と認識し、墓地の利用者及び寺院の課題を解決する寺院コンサルティングを通じて、現在の開苑寺院や業務提携業者、その他人脈を駆使した紹介案件の能動的な創出により、参入障壁の高い寺院に対する効果的かつ効率的なアプローチを実践してまいります。
② サービス水準の継続的な向上
当社は、常に当社が企画提案する永代供養墓やそれに付随するサービス、価格に関して、寺院・墓苑・葬儀業者等との間において一定の競争状態に晒されておりますが、当社は低価格戦略を採用しておりません。そのため、寺院・墓苑・葬儀業者等に対する競争力を維持するには、独自性のある事業展開を推進するとともに、永代供養墓品質やサービス水準の向上を継続的に図っていくことが不可欠であると考えております。またこれらを実現するために、寺院開発をはじめ営業やマーケティングなど各役割に細分化した機動的な組織体制の構築に取り組んでまいります。
③ コンプライアンス体制の整備
当社では、法令を遵守するため、コンプライアンス規程等に則り、3ヵ月に1回開催するコンプライアンス委員会、適宜実施する研修会等を通じて全役職員への徹底を図っております。特に当社が永代供養墓の募集代行業務を行うにあたっては、提携する寺院及び当社は、「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)、同施行規則(昭和23年7月13日厚生省令第24号)」及び各自治体の条例等の法規制に則っており、各自治体における判断基準や慣行に則した対応を求められます。そのため当社は、当社の行う永代供養墓募集代行業務が法令に違反することのないよう、顧問弁護士をはじめとした法律の専門家との連携、社外役員(弁護士)からの助言をもとに当該法規制の理解及び法令遵守の徹底を図ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は、更なる事業領域の拡大を目指しておりますが、急速に変化する事業環境に適時に対応しつつ持続的な成長を維持するために、内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、経験値のある人材の採用や社内コミュニケーションの充実を図ることで内部管理体制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることにより、リスク管理の徹底、業務効率化を図ってまいります。
⑤ 優秀な人材の確保と組織体制の強化
当社は、今後の更なる成長のために、優秀な人材の確保及び組織体制の強化が不可欠であると認識しております。このため、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げを行っていくとともに、継続的な採用活動を通じて、当社の経営理念にあった人材の登用を進めてまいります。
⑥ 新規事業の展開について
永代供養墓・葬儀事業における寺院・顧客のニーズは時代に伴って変化するため、当社においても、寺院・顧客のニーズを先取りした新規事業を展開していくことが重要な課題であると認識しております。このため、寺院との定期的なコミュニケーションや顧客のアンケート調査などを実施するとともに、各種メディアや業界誌による情報収集を行ってまいります。
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