エージーピー 【東証スタンダード:9377】「倉庫・運輸関連業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グル―プが判断したものであります。
当社は2022年4月4日より、株式会社東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」へ移行しておりますが、現状ではスタンダード市場の上場維持基準である「流通株式比率25%以上」を充たしておりません。スタンダード市場における上場維持は当社がマーケットからの投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた会社であることを示すために重要であると認識しております。
2021年に改定されたコーポレートガバナンス・コードに準じて、スタンダード市場の上場企業が具備すべきガバナンス水準を充たせるよう経営一丸となって取組を進めております。
また、2022年5月26日に「AGPグループ中期経営計画(2022-2025年度)」を公表し、情報開示の充実化を図り、透明性・公正性を高め、コーポレートガバナンスへ積極的に取組み、基本的なガバナンス水準を備えるよう進めております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、技術力を極め、環境社会に貢献することをグループ共通の企業理念としており、企業活動を通じて「経済的価値」と「環境・社会的価値」を創出することを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社は2025年3月末までに、スタンダード市場の上場維持基準の適合「流通株式比率25%以上」に向けて、速やかに流通株式比率の改善ができるよう取組を進めてまいります。
中長期的に売上高200億円を目指しており、中期経営計画期間中には売上150億円以上、営業利益率10%以上、株主資本の投資効率を示すROE10%以上を達成することに加え、事業リスクの分散化を目的に空港外の売上比率20%以上とすること、空港におけるCO2排出量に対する削減目標を年間33.5万トン以上とすることを経営指標として掲げております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、経営の基本方針に基づき、成長への再投資と成果の還元(株主、従業員、社会)の好循環経営を目指し、資本効率を向上させて企業価値を高めてまいります。3つのステートメントを宣言しており、「ESG経営の推進」により、「成長の実現」と「戦略投資と還元の両立」の達成に向けて、これらを実現させるために、経営戦略の3つの柱である、「選択と集中」、「事業基盤のシフト」、「経営基盤の強化」を行ってまいります。
3つのステートメント:
「ESG経営の推進」では、環境社会実現に向けた貢献、人材育成と社員福祉の充実、経営の透明性健全性に重きを置いたガバナンス強化
「成長の実現」では、新たな環境事業の創出、空港外領域事業の更なる展開
「戦略投資と還元の両立」では、資本効率の向上、積極的な戦略投資と機動的な株主還元に加え人的資本投資・研究開発投資を実行
経営戦略の3本の柱:
「選択と集中」では、安定した利益の確保と低採算事業の事業性評価やビジネスモデルの見直しと新たな成長事業への経営資源の再配分を行ってまいります。低採算事業につきましては、改善策を講じ立て直しを図ってまいりますが、業績改善が見込まれない場合には、当社の主力事業との関連性等も踏まえ、必要に応じて、事業売却や事業縮小も含めた対応を行ってまいります。
「事業基盤のシフト」では、これまで日本国内の主要空港に対して行ってきたサービスや事業を、空港外や海外、地方に対しても提供していくことに加え、新規の産業(物流保守)への参入、新商材の拡充、多角化を推し進めてまいります。
「経営基盤の強化」では、組織体制の整備、事業運営管理の適正化、中長期的な企業成長に向けて適正な財務基盤の構築により、経営基盤の強化を推し進めております。
当社が有する高い技術力と環境社会へのさらなる貢献によって、関係するすべてのステークホルダーからの信頼を基に、空港の安全を守るためにこれまで培われた技術を利活用し空港外や海外、地方空港に対してもサービスを提供し、さらなる社会貢献と企業成長に挑戦してまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
前述のとおり、当社の現状はスタンダード市場の上場維持基準「流通株式比率25%以上」を充たしていないため、経過措置期間適用会社という位置づけです。当社は2025年3月末までに、スタンダード市場の上場維持基準の適合に向けて、速やかに流通株式比率の改善ができるよう取組を進めています。当社を取り巻く経営環境は改善傾向にあり、2023年3月末までの実績と今後の取組計画を踏まえ、当社は計画期間を2026年3月末から2025年3月末に変更することとし、流通株式比率改善に向けた取組を加速してまいります。
当社事業を取り巻く外部環境として、新型コロナウイルス感染症分類が5類へ変更となったことにより、経済が正常化に向けて動き出し、国内航空需要は概ねコロナ前水準まで回復すると見込まれております。
一方で国際航空需要については、アジア太平洋地域の回復が若干遅れると予測されており、動力供給事業の業績に一定の影響があることを見込んでおります。原材料費高騰については、2023年4月利用分より動力料金への価格転嫁を開始し、事業収支の改善を図ってまいります。
エンジニアリング事業の売上は物流保守サービス分野での事業領域及び提供サービスの拡大とともに、そのノウハウを生かし、新たなビジネスモデルの構築に取組みます。
また、既に推し進めている技術者のマルチスキル化に加え、BPR*1に取組み、更なる業務の効率化を行い、空港内の業務量の回復にも適切に対応いたします。中期的には、航空業界のイベントリスクに備え、これまで以上に新規ビジネスの創出が経営課題となっています。
当社技術力と環境社会へのさらなる貢献を推し進め、これまで培われた技術を活用し、従来の空港を主軸としたサービスにおいて質・量を高めるとともに、地方・海外空港への展開だけにとどまらず、空港外領域への展開や、環境×電気×DXにより新たな事業を創出することを推し進めます。
AGPグループは企業理念のもと、環境と人を大切にするESG経営を推進しつつ、安全・品質に対する取組強化と併せて技術力の向上を図ってまいります。
*1 Business Process Re-engineering
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