企業エラン東証プライム:6099】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」を経営理念として、当社グループの主力商品である「CSセット」の提供を中心に事業活動を行っております。お客様のニーズに合った商品及びサービスの提供を行うことにより、競争力を一層強化するとともに、株主の皆様、従業員なども含めたステークホルダーの期待に応えることにより、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。

(2)経営戦略等

 当社グループは、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業(CSセット)を主として展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠と考えております。

 中長期的な経営戦略としては、当面はCSセットの全国シェア拡大に注力してまいります。CSセットの利用者や病院その他関係者が求めるサービスとなるよう改善を継続し、一人でも多くの方にCSセットをご利用頂けるよう営業展開をいたします。また、新たな付加価値の開発も重要な課題です。CSセット利用者の個人情報や病院その他関係者との強固な関係を用いた新規ビジネスへの参入を事業提携・M&Aを含めて推進していきます。また、事業規模の拡大、売上高の増加に伴い、人件費等の費用面が増加しておりますが、システム化を含めた生産性の向上にも取り組んでまいります。

 さらに、インドや東南アジア諸国等、著しい経済成長を遂げている新興国における事業展開についても積極的に検討してまいります。

(3)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善、各種政策の効果により、経済活動は緩やかな回復基調が続きました。一方で、景気の先行きについては、不安定な世界情勢や為替相場の影響による資源価格やエネルギー価格の高騰、物価の上昇など、下振れリスクが大きく存在し、依然として不透明な状況が継続しております。

 当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2025年1月1日現在、65歳以上人口が3,621万人、総人口の29.3%(総務省統計局 人口推計-2025年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主力事業であるCSセットは、「衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス」であり、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスです。

 当社グループを取り巻く今後の経営環境につきましては、老齢人口の増大に伴い、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が継続的に拡大する方向で推移することが予想されますが、当社グループの業態に類似した新規参入業者の出現などにより、競争が激しさを増しております。また、今後の行政施策の変更や法改正が当社グループ事業に多大な影響を及ぼす可能性もあります。このような外部環境の変化に伴って、当社グループは、2024年10月、新たにエムスリー株式会社のグループに入ることになりました。

 当社グループといたしましては、エムスリーグループとのシナジーにより、さらなる事業規模の拡大を推進し、中長期的に企業価値を向上させるべく、以下の点に注力します。

① 全国的な営業網整備と事業継続対応

 当社グループは、2024年11月に福島県に郡山支店を開設いたしました。郡山支店の開設により、東北地方南部において、地域に密着したより細やかで迅速なサービスを提供することができるようになりました。

 当社は、過年度からの計画的な拠点開設の結果、2024年12月末時点で全国29ヶ所の本支店及び営業所網となり、これらの本支店及び営業所から全国の病院及び介護老人保健施設等に対して、CSセットの営業活動を進めております。エムスリーグループとの提携により、全国の病院及び介護老人保健施設に対して、より細やかなサービスを提案することができるようになっております。今後も迅速かつ細やかなサービスを提供するための体制を整備してまいります。

 さらに、世界規模で進行する気候変動の影響により、台風や豪雨、豪雪による災害が増えることが予想されます。我が国では、火山列島特有の大規模地震災害のリスクも懸念されます。また、新しい感染症の流行にも備える必要があります。これらの災害リスクやパンデミックによる社会経済活動の事業停滞リスクは、当社グループにとっても重要な事業リスクであります。当社グループは、平時の段階から、情報システム強化、バックオフィス業務の地域分散化及び早期復旧体制の構築等を進めており、当社の物流子会社である株式会社エラン・ロジスティクスは、物流拠点として、2024年4月に大阪府に関西物流センターを設立しました。

 事業リスクが顕在化しても安定的に事業継続を図ることができるよう、今後も、グループ一体となって体制を整備してまいります。

② 物価高騰に伴う価格転嫁及びシステム化の促進による収益性の改善

 CSセットは、サービス提供を行う施設ごとに各種の仕様決定を行うオーダーメイドタイプのサービスです。そして、CSセットに対するニーズの多様化に伴い、施設に常駐の受付スタッフを配置することや、日常生活用品の納品業務を外部委託すること等が求められるようになりました。このようなニーズの多様化に伴うコストの増加並びに近年の人件費の上昇及び物価高騰に伴う仕入価格の上昇により、売上原価率が押し上げられる傾向にあります。さらに、CSセット利用者数の増大に伴うバックオフィス業務量の増加及び近年の人件費の上昇により、売上高販管費率が押し上げられる傾向にあります。

 このような状況において、当社グループの中長期的な企業価値の向上のためには、当社サービスの付加価値を高めながら利用者価格への適正な価格転嫁を推進すること及びシステム化の促進による生産性向上を図ることが必要不可欠であると認識しております。

 利用者価格への適正な価格転嫁を実施するために、利用者、契約者及び施設関係者に対する丁寧な説明を継続し、利用者価格の値上げに対する理解醸成に努めてまいります。

 また、システム化については、エムスリーグループの知見を活かしてIT化・DX化を進めることで、各種オペレーションの生産性を向上させていきます。

③ 顧客満足度の向上

 当社グループのお客様は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者である個人です。このため、当社グループとしては、当該個人の顧客満足度を高めることが重要な課題であると認識しております。

 例えば、当社グループでは、定期的にお客様アンケートを実施し、顧客満足度を調査するとともに、顧客満足度を高めるために、顧客対応業務を行っている株式会社エランサービスにおいて、クレジットカード決済等の支払方法の多様化や外国人からの問い合わせに対応した電話対応の多言語化等を実施しております。また、コンタクトセンターの営業時間を十分に確保し、顧客満足度の向上に積極的に取り組んでおります。

 当社グループは、引き続き、お客様であるCSセット利用者の顧客満足度の向上に向けた取り組みを推進してまいります。

④ 新事業開発

 当社グループの主力事業であるCSセットは、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスであり、継続的に品質の向上に努めてまいりました。

 今後は、さらにお客様へ「笑顔」を届けるべく、当社のオリジナル患者衣「lifte」の普及拡大、在宅セットやエランHOTLINE TVを使った新サービスの展開等、付加価値のさらなる向上を図ります。また、エムスリーグループのIT分野における強みを活かしつつ、お客様の生涯を通して必要なサービスを展開するプラットフォームの開発等、新たな事業領域の創出にも注力いたします。

⑤ 海外展開

 当社グループは、これまで、インドのランドリーサービス企業などへの出資を通じて、海外展開の可能性を検討してまいりました。

 そして、インドに次ぐ二ヵ国目の海外投資として、ベトナムにおいて、2024年1月に大手病院向けランドリーサービス事業を行うGREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANYの買収を行い、2024年8月には同社の子会社化を完了しました。2025年1月にも、ベトナムにおいて同様のランドリーサービス事業を行うTMC VIET NAM TRADING AND SERVICE JOINT STOCK COMPANYの子会社化を完了しました。

 ベトナムは、今後も人口増加及び経済成長が見込まれるとともに、将来的には、平均寿命及び平均年齢の上昇に伴う高齢化が見込まれております。さらに、ベトナムでは、医療機関数及び病床数の増加に加え、医療関連サービスの需要がより一層高まることが予想されます。

 当社グループは、海外事業においてもエムスリーグループの知見を活かしつつ、 これらの海外投資を通じて、グローバル展開に向けた取組みを強化し、海外においても当社の主力サービスである「CSセット」の普及拡大を目指してまいります。

⑥ 人材の育成

 当社グループは、従業員の成長なくして企業の成長はなく、当社グループが永続的に成長するためには、従業員の教育、育成による従業員の成長が必要不可欠な重要な課題であると認識しており、人的資本経営に関する取組みについての情報の開示を行っております。

 若年層の従業員に対しては、先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立による育成を図っております。

 中堅層・幹部層の従業員向けには、次世代のリーダーを担う人材となってもらうべく、社外研修などを取り入れ、積極的に成長を促しております。

 また、新卒採用及び中途採用において、グローバル人材の積極採用を続けるとともに、計画的にグローバル人材の育成を行うことで、今後の海外展開を担う人材の登用・育成をしております。

 さらには、フレックスタイム制度、テレワーク制度、短時間勤務制度や育児休暇の取得の奨励など、柔軟な勤務制度を導入定着させていくことで、女性が継続的に働き続けることができる環境を整備しております。

 今後も、多様な人材が活躍できる組織づくりに注力してまいります。

⑦ SDGs・ESGへの対応

 当社グループは、「サステナビリティ委員会」のもとで、サステナビリティ経営を推進し、「心豊かな生活環境の実現に貢献する」という観点から、重要なサステナビリティ項目を特定の上、目標の実現に向けて取り組んでおります。

 環境面においては、サステナビリティ委員会に設置された「気候変動部会」において、今後気候変動が4℃程度起こるであろうといういわゆる4℃シナリオと、2℃未満にとどまるであろうといういわゆる2℃未満シナリオとの二つのシナリオに基づき、気候変動により当社グループが受ける財務影響の把握を行いました。今度この把握をもとに具体的なアクションプランの策定を行ってまいります。

 社会面では、少子高齢化の進展や単身世帯の増加という社会課題に貢献するCSセットをさらに普及拡大させるとともに、従業員の雇用拡大と成長促進、公的団体を通じた寄付などによる医療・福祉への貢献、障がい者の積極的な採用と継続的な雇用維持、スポーツ・文化振興を通じた地域貢献などに取り組んでおります。「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく「特例子会社」の認定を受けた子会社である株式会社エランクルールを通じて、障がいのある方に多種多様な業務において十分に能力を発揮して働くことができる雇用機会を提供しております。

 ガバナンス面では、当社グループの取締役会及び経営会議の実効性を高めるとともに、当社グループが事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、環境・社会・経済の各側面から地域社会とともに持続的な発展を実現するサステナビリティ経営を推進してまいります。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高営業利益率及び営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。当連結会計年度における売上高営業利益率は7.5%、営業活動によるキャッシュ・フローは4,500,060千円となりました。

 今後も、売上高の増大を図りながら徹底したコスト管理を行い、付加価値の高い商品及びサービスを提供していくとともに、売上債権を確実に回収する体制を構築・維持し、売上高営業利益率の向上及び営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めてまいります。

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