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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、「超悦」を経営理念とし、人と技術をつなぎ、お客様に満足を超える感動と悦びを与える商品・サービスの提供を通じて、投資家や株主の方に期待を持っていただける会社作りを目指しております。

(2)目標とする経営指標

 当社は、中長期的な経営課題として、事業収益力の強化と投下資本に対する収益率の向上を目指して取り組んでおります。

 2024年9月18日に発表した中期経営計画(2025年6月期から2027年6月期まで)において、最終年度の目標とする経営指標は、連結業績においては、営業利益400百万円、ゲーム事業においては、セグメント利益600百万円、モバイル事業においては、セグメント利益100百万円としております。

 当期(2025年6月期)は、計画期間の1年目にあたり、上記最終年度の目標値に向けた計画推移として、連結営業利益100百万円を目指していたなかで、51百万円の結果となりましたが、モバイル事業においては、新規出店など店舗運営ビジネスの拡大を進め、セグメント利益の目標である100百万円を計画初年度で達成し、ゲーム事業においては、厳しい事業環境が続き減収となるなか、セグメント利益236百万円を確保いたしました。

 次期(2026年6月期)以降については、モバイル事業においては、引き続き店舗運営ビジネスの拡大により更なる利益伸長に取り組み、ゲーム事業においては、開発・運営サポート分野では翻訳やソーシャルリスニング等の海外対応業務の拡大、開発分野では企画提案型の開発人材の育成及び人材層の底上げ、並びにAI活用によるクオリティ向上に取り組み、最終年度の目標達成を目指してまいります。

(3)中長期的な経営戦略

 当社は、事業ポートフォリオ戦略において、ゲーム事業とモバイル事業の2つのセグメントで構成しております。ゲーム事業については、ゲームの企画・開発を通じてクリエイターが持つ創造性を価値あるコンテンツとして世に送り出すとともに、クリエイターが開発に集中し国内外へ配信できる体制をサポートする分野へと領域を広げていっております。モバイル事業については、スマホ市場の成熟下において既存店舗の収益性の維持・向上に取り組むだけでなく、新たな拡大戦略として、地域に密着した店舗運営ビジネスのノウハウと人材を活かした新規出店機会の探索を進めております。

 ゲーム業界におきましては、コロナ禍の反動が残りつつもアプリゲーム市場はその規模を維持しておりますが、隙間時間における可処分時間を巡る競争に晒されており、一定規模のユーザーの継続プレイにまで至れる新規タイトルのハードルは上がっております。開発費が高騰するなか、ゲーム設計や長期的なコンテンツの提供の仕組みと合わせて、収益予測の精度を高めるマーケットアプローチが重要となってきております。コンシューマー市場では、新ハードの発売とともにヒットタイトルも登場し、市場規模は拡大しております。世界の市場規模においては、ハードの普及とともにコンシューマー市場が拡大していくなかで、それと同規模以上にPCゲーム市場も拡大しております。大型から小規模のものまで多様なインディータイトルのリリースが増加しており、引き続き市場は拡大していくものと予想されておりますが、タイトル数の増加により競争は激化しており、認知を獲得するための取り組みが重要性を増しております。

 このような環境のなか、当社ゲーム事業におきましては、海外市場を踏まえたゲーム作りや各種プラットフォームへ展開するノウハウの蓄積に取り組んでまいります。人材面においては、技術的なスキルの向上だけでなく、各種開発チームを率いるコア人材の育成やゲーム開発全体に関わる機会の確保によってクリエイターの底上げを行い、企画提案型の営業を強化してまいります。また、技術開発を通じて品質向上の自動化支援を実現し、職種やスキルの細分化を抑えるとともに、創造的活動と密接な開発フローを目指していきます。

 携帯電話市場におきましては、オンラインの普及に伴って、店舗数の最適化の動きは続いております。端末価格は円安や物価高から上昇傾向にありますが、値引き規制の上限の引き上げや各通信事業者による機種変更の施策が強化されるなか、買い替え需要の高まりもあって、出荷台数は回復しております。2025年度もこの回復傾向は続くと予想されております。また、AIスマートフォンの新たな体験も購買動機の向上に繋がっており、加えて、衛星直接通信のサービスの開始及び対応端末の拡大も新たな通信体験への期待を高めております。

 このような環境のなか、当社モバイル事業におきましては、キャリアショップ部門においては、AIスマートフォンが持つ魅力の訴求や新たな値引き規制に沿ったプランの紹介などを通じ、新規獲得および買換え促進を図るとともに、各種イベント開催による顧客接点の強化に取り組んでまいります。また、継続的に安心して店頭サポートを受けていただくためのサービスプランの訴求にも取り組んでまいります。販売店部門については、キャリアショップ同様にAIスマートフォンの魅力などを訴求することに加え、地域密着を生かした自主企画イベントなどで来店誘致に取り組んでまいります。また、ショップ運営で培った経験と人材を活かし、店舗運営ビジネスと親和性のある周辺分野を探索し、収益拡大を目指してまいります。

(4)会社の対処すべき課題

 ゲーム事業においては、開発案件の予算規模が増大するなか、タイトルの厳選が強まっております。これに伴って、開発人材に求められる要求水準も上昇しており、大型プロジェクトをディレクションできる人材やチームを率いることができるコア人材の育成の重要性が増しております。また、開発費の抑制と品質の両立が必要となるなかで、少数精鋭チームの組成力が求められております。モバイル事業においては、オンライン販売が普及し、実店舗の競争が激しくなるなか、人材確保のハードルも上がっております。

 これらの状況を踏まえ、以下のとおり取り組んでまいります。

 人的資本経営の観点から特にゲーム事業においては、ゲームコンテンツという無形資産の創出に対して対価を得ており、その源泉は人的資本にありますが、これによって獲得する会計上の価値は、主にセグメント利益(営業利益)になります。しかしながら、当該数値のみに傾注した場合、会計上において必ずしも反映されない知的財産等の無形資産の獲得機会を逸する可能性があり、当社グループの人的資本価値を最大限に引き出していく経営方針及びその遂行を計画に落とし込み資産の最大化に繋げられるマネジメント体制が重要となります。そのため、営業利益等の指標を重視しながらも、併せて財務諸表上の数値に表れない人的資本による投資を促進するとともに、その資産的価値の把握を強化するなど、当社グループのゲーム事業に即した人的資本経営の取り組みを推進してまいります。

 モバイル事業においては、スマホ販売市場が飽和し、オンライン化が進展する状況において、継続的な収益源の拡大が課題であります。人材の採用や教育プログラムの強化など人的投資を積極的に進め、組織の活性化と人材層の充実を通じて、顧客満足度を高め、オンラインや競合店舗との差別化を図ってまいります。また、店舗運営で培ったノウハウを活かし、既存店舗との人材シナジーがあり、収益性の期待できる店舗型ビジネスの拡大に取り組んでまいります。

 当社グループの長期的な発展のため、将来的に高い成長性や収益性が見込める新規事業への挑戦や新しい収益モデルの探求、付加価値を生み出し高めていく土壌の醸成は重要な課題であります。小規模且つ迅速な投資による仮説検証の実践に取り組むとともに、グループ全体のリスク管理体制の下で投資リスクがコントロールされるように意思決定の仕組みを整備してまいります。

 人材の育成と保持に関して、ゲーム事業及びモバイル事業ともに人的資本が要となっていることから、将来成長が期待できる人材の獲得及びコア人材の育成と保持は重要な課題であります。各事業分野での職業人としての能力開発や成長機会の充実を図ることによって、自社で働く魅力を高めてまいります。また、採用競争力の向上のため、組織体制の見直しも含めた業務改革と生産性向上によるコスト構造の改善を進めながら、メリハリのある給与水準の設計や人事制度を検討していきます。加えて、早期にチームの一員として有機的に繋がり、高いパフォーマンスを発揮すると同時に、キャリアとしての専門性を高められるよう、効果的な人材育成の仕組みづくりに取り組んでまいります。

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