企業兼大株主ウィルグループ東証プライム:6089】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、ビジョンとして、「Working(働く)」「Interesting(遊ぶ)」「Learning(学ぶ)」「Living(暮らす)」の各事業領域において、期待価値の高いブランディングカンパニーを創出し、各領域においてNo.1の存在になる「WILLビジョン」を掲げています。競争が激化する中で顧客から選ばれ続けるために、特定の事業領域に特化し、そのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています。事業領域については、国内では、家電量販店等の販売現場、コールセンター、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外では政府、行政といった比較的景気の変動の少ない領域でサービスを展開しています。

 人材サービス市場における、今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や引き締め的な金融政策運営の長期化リスク、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクなど、先行き不透明な状況が続いています。また、国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対し、採用環境が厳しさを増しており、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。

 このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2026」(以下、「本中計」という。)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人管理受託の拡大等に取り組みます。

(2)目標とする経営指標

 当社グループの重視する経営指標は、売上収益、営業利益、売上高営業利益率としていましたが、2024年5月13日公表の「中期経営計画(WILL-being 2026)の修正に関するお知らせ」に記載の通り、本中計で掲げていた2026年3月期の業績目標である、売上収益、営業利益、売上高営業利益率を取り下げることとしました。

 KPIは、正社員派遣採用人数/年(建設技術者領域)、正社員派遣定着率(建設技術者領域)、正社員派遣稼働人数(国内Working事業(建設技術者領域を除く))、外国人管理受託人数(国内Working事業)です。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの持続的な成長の実現に向けては、停滞している国内Working事業の再成長が重要となります。そのため、本中計期間においては、国内Working事業の再成長を基本方針とし、再成長に向けた先行投資を積極的に行い、利益体質への転換を図るとともに、将来の飛躍的な成長を実現できる基盤を確立します。

 本中計のシナリオ実現に向けては、以下の3つ(戦略Ⅰ・Ⅱは国内Working事業、戦略Ⅲは海外Working事業)を重点戦略としています。

・戦略Ⅰ 建設技術者領域の更なる拡大及び利益創出を実現

・戦略Ⅱ 国内Working事業(建設技術者領域を除く)の再成長

・戦略Ⅲ 海外Working事業の安定した成長

 戦略の推進を最大化させるマネジメントにシフトし、2026年3月期以降の飛躍フェーズの実現を目指すために、以下のKPI目標の達成を優先して追求します。

・正社員派遣採用人数/年

(建設技術者領域)

→2026年3月期目標:1,500名

・正社員派遣定着率

(建設技術者領域)

→2026年3月期目標:71.5%

・正社員派遣稼働人数

(国内Working事業(建設技術者領域を除く))

→2026年3月期目標:3,500名

・外国人管理受託人数

(国内Working事業)

→2026年3月期目標:3,500名

(4)会社の対処すべき課題

 現状及び今後の経営環境を踏まえ、以下、当社グループが中長期観点から対処すべき課題を記載します。

①国内Working事業の再成長

 当社グループの持続的な成長の実現に向けては、停滞している国内Working事業の再成長が重要となります。そのため、以下の2点に取り組みます。

 (ⅰ)建設技術者領域の更なる拡大及び利益創出を実現

 建設技術者領域の生産性向上に取り組むことで2025年3月期に黒字化、2026年3月期に事業の柱の1つにしていきます。

 (ⅱ)国内Working事業(建設技術者領域除く)の再成長

 外国人管理受託、正社員派遣の拡大に取り組みます。外国人管理受託の拡大、営業人員の増加により新規オーダー獲得を強化するとともに、現地での採用については、現地の法人、学校等のアライアンスを強化します。正社員派遣の拡大については、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域で培った採用ノウハウを、ファクトリーアウトソーシング領域にも展開していきます。また、今後採用環境が一層厳しくなることを見据え、自社ブランド強化に向けたブランドプロモーションを実施します。

②海外Working事業の安定した成長

 シンガポール、オーストラリアともに、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、主要顧客による採用抑制が長期化しており、人材紹介市場の見通しは不透明な状況です。このような状況の下、優秀なコンサルタント人員を確保しながら、需要回復後の人材紹介売上の拡大に取り組むとともに、ダウンサイドリスクを抑え、事業の安定性を高めるために、行政等の安定した領域における人材派遣売上の増加、コストコントロール、ガバナンスの強化に取り組みます。

③人材の確保と育成

 人材の確保は当社グループの成長の礎であり、競争上の優位性、持続的な成長を実現するためには、スタッフの採用、育成と定着が重要な課題です。

 採用活動においては、2019年10月に主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、2024年3月期より西日本エリアを中心に初のTVCMを実施、プロモーション実施後のWILLOFの指名検索数は増加傾向にあり、オウンドメディア経由の採用数増加が期待されることから、継続して実施しています。これにより、当社グループ全体の認知度及び採用力向上に取り組み、採用力を強固なものにしていきます。

 育成、定着においては、就業先での必要なスキルやマインドを取り込んだ就業前、就業期間中における研修を更に充実させ、就業しているスタッフに対する定期的なフォローアップを行っていくことで定着率を高めていきます。

④サステナビリティの強化

 当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、社会と企業の持続可能な発展に貢献できるよう以下の取組みを行っています。

 (ⅰ)環境への取組み

 災害に対するレジリエンスの強化を図るとともに、気候変動については環境方針を定め、脱炭素社会実現に貢献する取組みを進めています。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同表明するとともに、2023年1月にTCFDコンソーシアムに加入し、TCFDの枠組みに基づく気候関連の情報開示を行っています。

 (ⅱ)社会への取組み

 当社グループが持続的な成長を遂げていくためには、画一的な視点にとらわれず、多様な人材の活躍が必要不可欠であると考えています。性別・年齢・国籍・障がいなどにとらわれず、社員一人ひとりが自律したキャリアを形成できるよう支援しています。また、技術革新により、求められる人材・職種が大きく変化し、今以上に需給ギャップが生じる見込みです。そのため、働く人をエキスパートにするキャリアの“最大化”と“最適化”に取り組んでいきます。

 (ⅲ)ガバナンスへの取組み

 過半数が独立社外取締役で構成される任意の諮問委員会である指名委員会及び報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価を外部の助言を得ながら継続的に実施する等、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

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