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【東証プライム:9517】「電気・ガス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは、「~持続可能な社会実現のために~再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」というビジョンの下、日本市場のみならず、ベトナムを始めとするアジア諸国においても脱炭素に向けた取り組みを段階的に着実に具現化し、創業より受け継ぐ「挑む文化」をもって「総合エネルギー企業」へと進化してまいります。
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスク、米国トランプ政権の政策による先行きの不透明感が継続することが予想されます。一方で、世界的に異常気象が数多く発生しており、脱炭素ニーズは継続すると認識しております。
① 電力小売事業の取組み
全国を網羅する販売ネットワークおよび20年以上取り組んでいる電力トレーディングの知見を活かした施策を実行してまいります。高圧については、完全固定プランやハイブリッドプラン等顧客ニーズに対応したプランの提案を実施するとともに、市場連動プランの拡販および新プランによる販売単価の上昇にも取り組んでまいります。また、脱炭素社会の実現に向けたコーポレートPPA、DR等のソリューションも提供してまいります。低圧については、転入時における新規顧客の獲得の強化および既存顧客が転居する際の契約継続に注力し、中長期の収益を睨んだ供給件数の増加に取り組んでまいります。
② トレーディング事業の取組み
前期に引き続き、確定した販売電力量に対し必要な調達を実施してまいります。また、電力先物市場を活用したプランを組成してまいります。電力市場参加者からの問い合わせやコミュニケーション機会が増えており、相対の卸取引についても積極的に取り組んでまいります。
③ 発電事業の取組み
国内のバイオマス発電所については、出力抑制指令の影響により発電量が減少する見通しですが、定期修繕の効率化による所要日数の短縮、設備トラブルの防止のため、日常整備を徹底してまいります。また、計画中の大型バイオマス発電所については、環境アセスメント等に取り組んでまいります。
④ 燃料事業の取組み
2025年度より、ベトナムの自社工場で生産した木質ペレットの取り扱いを開始いたします。国内においては当社グループ外向けのバイオマス燃料の拡販に取り組み、燃料長期供給契約が始まり外販が増加することにより、燃料取扱量が2024年度対比約1.5倍となる予定です。また、長期供給契約以外のスポットでの燃料販売についても積極的に推進してまいります。
⑤ 海外事業の取組み
ベトナムにおいては、ハウジャンバイオマス発電所が2025年4月に商業運転を開始いたしました。加えて、トゥエンクアン省およびイエンバイ省のバイオマス発電所について、2027年度中の竣工に向けて建設に取り組んでおります。また、ベトナムの石炭火力発電所においてバイオマス燃料の混焼試験を実施する予定です。カンボジアにおいては、2026年の試運転開始に向けて水力発電所の建設を継続いたします。加えて、2024年9月にカンボジア政府の認可を受けた新設バイオマス発電所の建設準備に取り組んでまいります。
⑥ 脱炭素戦略
当社グループは、脱炭素戦略として、2030年2500万tのCO2削減を掲げるとともに、2050年カーボンマイナスの実現に向け、挑戦を加速させてまいります。今後、カーボンプライシングやグローバルな排出権取引など、環境価値のトレードが具体化するネットゼロ社会の実現を見据え、エネルギー事業者から脱炭素のリーディングカンパニーへと変革を遂げ、環境価値を収益源として成長を加速させてまいります。
当社の事業戦略
●第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーのウェイトを倍増する計画となっているが、その達成には、再生可能エネルギーおよび環境価値の供給力の確保に課題があり、その対応策の一つとして、海外でカーボンクレジットを創出し日本に供給する。
●国内において、そのカーボンクレジットの供給に加え、蓄電池の導入等を通じて、アグリゲーション事業を電力販売の新たな戦略として展開する。
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