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【東証グロース:3237】「不動産業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営環境
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下を経営方針としています。
(ⅰ)ホテル運営事業、不動産事業、インバウンド関連事業を融合することで収益を拡大し、企業価値を向上させます。
(ⅱ)顧客ニーズを先取りした商品開発と送客「旅マエ」、接客「旅ナカ」、越境消費と投資活動支援「旅アト」、これらすべてを事業領域としたインバウンドサイクルを展開します。
(ⅲ)高度なサードパーティオペレーションモデルによるホテル運営を推進します。
(ⅳ)中華圏をはじめグローバルなネットワークを生かした事業設計、資金調達を行います。
② 目標とする経営指標
当社グループは、不動産事業を安定収益とし、ホテル運営事業とインバウンド関連事業において高い成長を目指し、これら活動による企業価値の向上及び財務体質の強化を経営目標としています。
現在は、ホテル運営事業の基盤確立に向けた投資段階であり、ホテル運営事業及び不動産事業を含めたインバウンド関連事業における売上及び利益の拡大を経営指標として定めています。
③ 経営環境
当社グループが属する不動産業界においては、継続する低金利環境や円安等を背景に、海外投資家の国内不動産に対する注目度は高く、供給・需要とも継続して堅調に推移しているものの、土地価格及び建設工事費等の原価高騰による不動産価格の高額化等、引き続き注意を要する状況にあります。
また、当社が注力するホテル運営業界では、訪日観光客を中心として、観光需要の回復は鮮明となっており、レジャー目的を中心とした宿泊施設の需要回復は、今後も期待できるものと考えております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
現在、当社グループの対処すべき課題は以下のとおりであります。
① 財務基盤の強化
当社グループでは、不動産事業、ホテル関連事業の推進において、機動的かつ多額な資金が必要であります。このため、安定的な財務基盤の確保が必要であり、当社グループの成長に必要な資金調達の確保に努めてまいります。
② ホテル運営事業の早期拡大と収益化
当社グループでは、注力するホテル運営事業の成長と収益化のため、ホテル施設運営、ホテル運営受託、ホテル運営アドバイザリー、そしてホテル投資ファンド等、多様な収益機会の確保及び規模の拡大が必要と考えております。このため、当社グループにおける事業間の連携を高め、成長に向けた取り組みに努めてまいります。
③ 人材の確保
当社グループでは、ホテル運営事業において高い成長を目指しており、このためには施設運営における人材及び事業開発のための人材確保が必要であります。また、関係会社の増加により、当社グループの管理部門の強化も必要であり、これら人材の確保に努めてまいります。
④ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において3期連続で重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、当連結会計年度においては重要なマイナスの営業キャッシュ・フローを計上し、当連結会計年度末における現金及び預金は535百万円にまで減少しております。
こうした状況から、当連結会計年度末日時点において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるよう
な状況が存在しております。
上記より、当社グループでは、当該状況を解消すべく、次の対応策を行ってまいります。
a.事業の収益構造の改善
当社グループの目指す事業モデルは、不動産事業を安定収益とし、ホテル運営事業において高い成長を目指すというものであり、「都市型アパートメントホテル開発」と「地方創生ホテル投資」の推進によるホテル運営収益の拡大を基本戦略としています。
しかしながら、新規開発ホテルの運営を行うことを目的とし、数年後に大きな将来収益が期待できるアパートメントホテルの運営権の確保に係る活動では一定の成果があったものの、既存のリゾートホテルや旅館の運営権の新たな獲得には至らず、また、短中期における安定的な収益基盤として捉えている不動産事業においても、インバウンド向け宿泊施設の開発、不動産仲介等の推進に苦戦するなど、大きく予算未達となっています。
当社グループでは、各事業の収益改善策として次の施策に取り組んでまいります。
(不動産事業)
不動産事業においては、短中期での収益化が期待できる宿泊施設の転売、リゾート施設開発のプロジェクトマネジメント及び戸建宿泊施設の開発・販売へ注力してまいります。また、不動産事業における人材リソースを、これら施策へシフトし、当社グループの販売費及び一般管理費を十分にカバーできる収益を目指し、収益基盤を確保してまいります。
(ホテル運営事業)
当社グループのホテル運営会社である株式会社イントランスホテルズアンドリゾーツを中心として、ホテルの運営権の確保、運営受託、経営コンサルティングの案件取得に注力し、取引数を増加してまいります。また、当社においても、ホテル運営に精通する人材を獲得し、ホテル運営事業の規模拡大を目指し、収益を最大化してまいります。
(その他事業)
インバウンド送客事業では、当社グループ会社である瀛創(上海)商務咨洵有限公司のマネジメントにより、中華圏から当社グループホテルへの送客数の拡大を推進し、当社グループのホテル収益の拡大を目指します。併せて、グループ以外のホテルへの送客も進めることにより、取扱収益の拡大を目指し、当事業の収益化を目指します。
投資事業では、当社グループ会社であるジャパンホテルインベストメント株式会社及びホスピタリティインベストメント合同会社のマネジメントにより、当社の主事業である不動産事業及びホテル運営事業に係る資金調達活動へ注力し、当社グループの事業が円滑に行われるためのサポートを行ってまいります。
b.費用構造の改善
役員報酬削減、外部委託業務の見直しをはじめ、労働生産性の向上を図るための様々な施策を検討・実施します。また、事業に係る原価見直しや販売費及び一般管理費の抑制を図り、費用構造の改善を推進してまいります。
c.資金調達
重要な後発事象に関する注記に記載のとおり、2025年5月8日の取締役会において、ディライトワークス株式会社を引受先とする社債の発行を行うことを決議し、2025年5月9日に260百万円の入金が行われています。
また、今後の更なる資金調達について、各金融機関からの借入や、株式発行による資金調達を早急に検討・実施することにより、キャッシュポジションの再構築を進めてまいります。
これらの対応策により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
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