企業インスペック東証スタンダード:6656】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、「確かな技術とあくなき挑戦で、創造社会を切り拓く」というパーパス(存在意義)のもと、以下の課題に取り組んでおります。

(2) 中長期的な会社の経営戦略

2025年4月期の半導体関連分野におきましては、世界的な半導体需要が前年の落ち込みから回復し、特に生成AI向けデータセンターなどに使用されるGPUやCPUの需要が拡大しました。当社の主要取引先である半導体パッケージ基板メーカー各社が大規模な設備投資を行うなど、半導体パッケージ基板検査装置関連の引き合いや商談が活発化しました。一方で、自動車関連分野におきましては、電気自動車(EV)産業の停滞によりEV向けFPC市場の成長が鈍化しました。当社が新事業として取り組んできました露光装置関連事業につきましては、短期的には市場環境の回復が見込まれないと判断し、やむなく事業を撤退することを決断いたしました。

 当社は、2023年12月に2030年をゴールとした中長期経営計画「インスペックVision 2030」を策定いたしましたが、当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ「インスペックVision 2030」を取り下げ、改めて2028年4月期をゴールとした中期経営計画を2025年6月に策定いたしました。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 高い競争力を持つ装置の開発

 当社の柱となる基板検査装置関連事業について、生成AIの発展によりデータセンター向けの大規模投資を背景に、次世代CPU・GPUなどのハイエンドデバイスにおけるチップレット化で、より高機能化する半導体パッケージ基板に対応する検査装置の開発が急務であります。今後は配線パターンの微細化に対応する高性能検査装置の開発、近年主流になりつつある全自動化システム装置の更なる進化を実現し、急拡大する市場のニーズに応えてまいります。

② 収益体質の強化

 昨今の原材料価格の高騰や円安の影響により、当社製品も製造コストが増加し、利益率を低下させております。この課題に対し、顧客折衝による価格転嫁のみならず、生産効率向上による原価低減を目指しております。

 具体的には、見積段階から工数とノウハウを正確に管理することで基準となる適正な原価を算定し、予実管理システムを運用することで原価低減に努めております。

 また、サプライチェーンの見直しを図り、新規サプライヤーの開拓によってリスク分散及びQCDの向上を目指し、より効率的・柔軟・持続可能な仕組みに改善していくことに取り組んでおります。

 最適コストで高収益体質を維持し、市場における競争力を高めていくと同時に、次世代に向けた開発投資や株主還元にもつなげてまいります。

③ 海外市場向け販売の強化

 海外市場においては、台湾及び中国の総販売代理店であった台湾TKK社と2025年4月に契約を解消し、既存代理店のWorld Wide Semi-Conductor Equipment社による中国、タイ及びベトナムでの営業活動に注力しております。

 今後は東アジア諸国で拡大しつつある半導体関連市場をメインターゲットとし、台湾及び中国の展示会への出展、新たな台湾現地法人商社との連携や、当社子会社「台湾英視股份有限公司(所在地:台湾桃園市)」での実機デモンストレーションで商談活動を活発化させることや、タイ、ベトナムを中心とした東南アジアの展示会への出展等を通じて海外市場での販売活動を強化してまいります。

④ 人的資本経営の強化

 当社は人的資本に積極投資し、持続的成長を支える組織力を強化するため、次世代のリーダーと高度専門人材の育成を進めてまいりました。市場の変動がもたらす企業間競争は激化しており、この厳しい競争を生き抜くためにも、社員一人ひとりが成長を続けその能力を最大限発揮することが不可欠であります。

2023年5月より運用を開始した人事評価制度の活用や階層別の教育研修制度を充実させ、初任給の引き上げや基本給のベースアップなど、働きがいのある職場環境を整備することで従業員エンゲージメントの向上を図っております。

 また、当社のパーパス・バリューを日々の意思決定の指針として掲示することで全従業員に浸透させ、同じ目標に向かって一丸となり、企業価値の向上を実現させることで、全てのステークホルダーの期待に応えられるように取り組んでまいります。

⑤ コーポレート・ガバナンスの強化

 当社は、リスク管理を徹底し、経営の透明性を向上させるため、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。

 リスク管理については、第三者である社外役員の登用による経営への監視、内部監査による業務執行に関するリスクの監視とモニタリング及び月1回開催のコンプライアンス・リスク管理委員会によりコンプライアンスの徹底と事業全体のリスクを監視することで内部統制組織を強化しております。

 経営の透明性については、内部統制組織を強化し、企業の透明性向上に努めるためステークホルダーに対する情報開示と説明責任をより明確に果たしていくことに取り組んでおります。

 今後も企業価値を継続的に高めていくため、経営上の組織体制の強化と仕組みを整備し、必要な施策を実施してまいります。

(4) スリムでシンプルな経営体制

 当社は製造業ですが、メーカーとしては極めて小規模な企業体制を取っております。この小規模体制であることを強みとして活かし、その上でグローバルマーケットに向けて事業を展開していくため、コア技術及び業務は社内で確立し、アウトソーシングが可能な業務については、外部企業の協力を得ることで必要な生産能力を確保し事業の拡大を図ってまいります。

 このため、販売活動のみならず生産業務、サービス業務、一部の開発業務等についても、国内外を問わず求める能力とコストのバランスを検討し、最適なパートナーと判断できる企業との協力関係を構築して事業活動を進めてまいります。

 なお、計画実現のため、販売部門、サービス・サポート部門、設計及び開発部門それぞれの部門でマンパワーの増強に取り組んでおり、若手社員の育成とともに、将来の事業拡大を支える経営基盤の強化に取り組んでおります。

 この方針のもとに、高成長・高収益を目指し、強固な経営基盤の構築を実現してまいります。

(5) 財務及びキャッシュ・フロー方針

 当社は、製品の生産活動及び技術開発や製品開発等の投資活動を通し、継続的な成長を実現し、最適な財務及びキャッシュ・フロー戦略を実行してまいります。

 今後、中期経営計画の中で創出されるキャッシュ・フローは、戦略投資と財務基盤の強化について健全なバランスを維持して活用してまいります。

 また、大口受注等による一時的な資金需要については、現状の金融機関との良好な関係をもとに資金需要のロットに合わせて機動的な資金調達方法により事業資金の安定化に努めてまいります。

 剰余金の配当につきましては、当事業年度の業績及び財政状態等を総合的に勘案した結果、誠に遺憾ではございますが無配とさせて頂いております。

(6) 目標とする経営指標

 当社は、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、パーパスのもと、基板検査装置関連事業の成長の持続と稼ぐ力の向上で企業価値拡大を図り、2028年4月期をゴールとした中期経営計画のもと、中長期的な目標として営業利益率15%以上、ROE(自己資本利益率)15%以上を目指し、PBR(株価純資産倍率)の向上を図ります。

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