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【東証:168A】「その他製品」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「商売繁盛応援企業、日本一!」を経営ビジョンとして、当社からご提供するSP商材によって顧客に対し、集客の成功、売上アップ、利益率の改善をご提供し続けることで、日本全国の経済活性化に貢献してまいります。また、経営理念として「一、私たちは共に力を合わせ、お客様の繁盛づくりに貢献します。 一、私たちは新たな商品と市場の開拓に挑戦します。 一、私たちは仕事を通じて、自己研鑽を重ね、共に成長し夢を実現します。」を掲げ、顧客、共に働くスタッフ、その家族、取引業者皆様のためにSP商材を通じて繁盛を創造しビジョンの実現に惜しむことなく努力を続けてまいります。
上記経営理念のもと、ネット集客の強化や販売商品のバリエーションを増やすことで新規獲得を図ることに加え、リピート・LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を向上させることが売上拡大に対する有効策となると考えております。全国のお客様へ商売繁盛を届けるため、販促品のEC通販事業に特化し、「商売繁盛応援企業、日本一!」のビジョン実現を目指します。
(2)経営環境
BtoB-EC市場規模全体でみると、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年は334兆9,106億円と前年比5.1%減少しましたが2021年は372兆7,073億円、2022年は420兆2,354億円、2023年は465兆2,372億円(前年比10.7%増)とコロナ前の水準を大きく上回るまで成長しており、EC化率も2021年は35.6%、2022年は37.5%、2023年は40.0%(前年から2.5ポイント増)となっており、年々増加傾向にあります(「BtoB-EC市場規模の推移」参照)。
当社が事業を展開している国内印刷通販市場は、BtoB-EC市場規模全体が伸長していることやEC化率が増加していることを背景に、注文や入稿が手軽にできることから市場規模が成長しています。本市場は、法人企業の販促用途が大部分を占めていることからコロナ禍では一時成長が鈍化したものの、成長が続いております。また、商業印刷市場は2022年に1兆7,750億円、2023年に1兆7,900億円(株式会社電通 2022年 日本の広告費及び2023年 日本の広告費)の市場規模があると見込まれており、商業印刷市場全体に対する国内印刷通販比率は2022年の約7.5%から2023年には約7.8%まで上昇しております(当社試算)。EC化率の観点からは、上述の2023年の国内印刷通販比率7.8%を下表の全体のBtoB-EC化率40.0%と比較すると約32%の差があり、成長の余地は多く残されております。
当社がECサイトで販売しているSP商材においては、新型コロナウイルス感染症との共生状況にあわせて需要は回復しており、小ロット、多品種、即時性(短納期)のニーズは高まると見込んでおります。
(BtoB-EC 市場規模の推移)
出所:令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
(3)経営戦略
当社のBtoB向けEC販売事業は、D2Cビジネスモデルにより実現している「低価格、短納期」と自社開発の管理システムや最新設備により実現している「多品種、小ロット生産」、専門部署によるマーケティング施策を大きな特徴としております。
引き続き、これらの強みをより活かし、伸ばすべく、取扱商品の拡充(事業の横展開)、集客数・成約率・リピート率の維持・向上、製造ライン全体のシステム化・自動化を推進してまいります。
① 取扱商品の拡充(事業の横展開)
当社では、新たな市場の獲得に向け、常に新たな商品開発を行っております。近年では、オリジナルグッズやノベルティーの販売を専門とする「ノベルティーキング」を開設しております。また、充実した製造設備や製造ノウハウを活かした商品開発に加え、これまで蓄積されたSEO対策等のマーケティングのノウハウ、自社独自のシステム管理による圧倒的な生産性を活かし、各サイトにおいて再現性の高い成長を実現しております。のぼり旗、幕、パネル、看板などの新商品開発とECサイトの構築を継続的に行い、SEO対策等のマーケティング施策により購入意欲の高いユーザーに幅広く商品をお届けするとともに、全18のECサイトを跨いだクロスセルも積極的に行ってまいります。
(ECサイト別(キングシリーズ)売上)
(注)ECサイト別(キングシリーズ)売上高の合計には、卸販売事業等の売上高が含まれていないため、損益計算書の売上高と一致しません。
② 集客数・成約率・リピート率の維持・向上
WEBマーケティングの専門部署による、WEB広告運用、SEO対策、SNS運用による集客施策に加え、独自のCRMを利用した顧客データベースを基にメールマガジン、ダイレクトメールの送付などを行うことで顧客とのリレーションを強化し、また、顧客ニーズの分析結果を基に、新商品や新サービスのリリースを行うことで成約率(注)、リピート率の向上を推進してまいります。流入ユーザーの増加に対し、高い成約率・リピート率を維持させることは事業の成長に直結します。
(注)成約率:Webサイトへの流入数に対して購入に至った件数の割合のこと。
(累計顧客数の推移)
(新規/リピート顧客受注実績推移)
(注)顧客区分の集計が可能な全運営サイト受注実績より算出。
③ 製造ライン全体のシステム化・自動化
当社では、自社独自の製造管理システム(i-backyard)を開発し、運用しております。また、最新の製造設備を導入し、裁断や縫製といった属人的作業やたたみ、梱包といった単純な作業を自動化することで、人員の増減に関わらない安定した製造と少人数オペレーションを実現しております。また、印刷データの加工から出荷検品までの工程一連をシステム化することで、多品種・小ロットの大量件数生産に対応することを可能にし、正確な作業と短納期対応などの顧客のニーズに対応可能となっております。さらに、このシステム化・自動化による業務効率化は、増え続けるご注文への対応に要する人件費を抑え、オペレーションコストの抑制につながっております。現在も製造管理システムの改良、製造の自動化を進めておりますが、今後もシステム・設備投資を続けてまいります。
(システム化・自動化のイメージ図)
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では主な経営指標として、トランザクション数(注文件数)と平均客単価を重要な経営指標と考えております。トランザクション数の推移は、小ロット、多品種、大量受注を特徴とする当社EC販売の成長性を示す重要な指標であると考えております。平均客単価は、事業の長期的な成長の基盤となる指標であり、提供しているサービスや商品の市場価値を示している指標であり、重要だと考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業を取り巻く経営環境は、急速な高齢化、経済格差、人口の減少、IT活用による情報格差等、かつてない社会構造の急速な変化の中にあり、顧客による選別や評価はなお一層厳しく、競争が激化するとともに企業の存在価値を常に問われる事業環境にあります。当社が、このような加速度的に多様化する時代に、持続的に成長し社会貢献していくためには、強い組織の構築と事業規模の拡大で強固な経営基盤の確立を目指す必要があります。
これらを達成するために、下記の事項を対処すべき課題として取り組んでまいります。
① 認知度の向上、ブランドの確立
当社が市場での浸透度を高めていくためには、一層の認知度の向上、信頼感の醸成が必要となってまいります。顧客に安定的にサービス提供のできる会社として信頼していただけるよう、顧客のニーズを捉える新商品の開発、低価格・短納期の実現、クレーム・トラブル等の削減など、サービス品質のたゆまぬ向上、既存顧客の満足度向上、広告宣伝を通じた広報活動の強化を通じ、当社ブランドの確立及び普及に努めてまいります。
② 新規顧客の獲得、大企業などの顧客へのアプローチ
当社の低価格かつ短納期納品のサービスに対して、既存の顧客からは高い評価をいただいております。今後は、WEBブラウザ上でデザイン作成から発注までワンストップで注文ができるサービスの対象商品の拡充や、利便性向上を行い、デザインの専門ソフトや知識を持たないユーザーでも、オリジナル販促物を購入し易い環境をご提供し、幅広いユーザーの新規獲得拡大を行ってまいります。また、入稿データの自動チェック機能により、ご注文時にデータ不備などの心配なく納期が確定するサービスの展開やキャンペーンの実施など、期待を超えるサービスを提供し、新規顧客の獲得や既存顧客からのリピート注文の拡大を行ってまいります。
また、中堅・大企業の顧客に対しては、当社のサービスを一層ご理解いただき、安心してご利用いただくことができるよう、低価格、短納期、注文が簡単で分かりやすく、利便性の高いサービス提供を行うことで受注を獲得してまいります。小規模事業主から大企業までご満足頂けるサービスをご提供することこそが、当社が目指す「商売繁盛応援企業、日本一!」というビジョンにより近づくために不可欠な要素であるとともに、事業の安定成長の柱になっていくと考えております。
③ システム基盤の強化
当社は、収益の基盤となるSP商材の販売をECサイト上で展開しており、また商材の製造工程・出荷管理等は自社開発システムを用いて行っております。そのため、システム稼働の安定性を確保すること、より生産性の高い製造・出荷工程を実現することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバーの拡充を継続的に強化してまいります。
④ 情報管理体制の強化
当社では、SP商材を販売するECサイトを複数運営しており、既存の顧客の個人情報を多く取り扱っております。「情報セキュリティー規程」に基づき、アクセス権限の設定や外部記録媒体の管理等に係る情報管理体制の整備を引き続き推進していくとともに、社内研修の実施や内部監査等を通じて、情報の取扱いに関する社内規程の適切な運用や役職員の機密情報リテラシーの向上を図るなど、情報管理体制の強化を進めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社は、今後もより一層の企業価値の向上及び成長を図ってまいります。そのため企業規模の拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化並びに金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、当社の事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化にも対応すべく、内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。
⑥ 優秀な人材の確保と育成
当社は、今後持続的な成長を遂げるために、優秀な人材の確保並びに成長フェーズに沿った組織設計及び人材育成体制強化が不可欠、かつ、課題であると認識しております。優秀な人材の確保のため、新卒・中途採用を積極的に行っており、成長の資質を備え、かつ当社の企業風土に合致した人材の登用を進めるとともに、人材育成体制の整備を推進し、人材の定着と組織力の底上げを図ってまいります。
⑦ 財務基盤の拡充
当社は事業拡大に応じ、人材確保と合わせて製造設備の更新・拡充を図ります。そのために強固な財務基盤を確立する必要があることから、今後、財務基盤を強化するため、機動的な資金調達が出来る体制の構築を行い、必要に応じて株式発行を含めた資本市場からの資金調達の実施を検討します。
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