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【東証スタンダード:7837】「その他製品」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、経営理念を「我々は信用を第一とし、情報の具現化によって、相互の利益を追求する」と定め、自らの意思で情報を具体的なビジネスへと形にし、今までにないマーケットを創出することを目指しています。
当社グループが運営するBESS事業においては、『「住む」より「楽しむ」』をブランドスローガンに、ログハウスなど自然材をふんだんに使った個性的な木の家の提供を通じて、「ユーザー・ハピネス」の実現を目指します。家がモノとして完成した際の満足=カスタマー・サティスファクションよりも、ユーザーが暮らしてからの満足=“楽しい暮らし”を大切にし、日本人の暮らし文化の「明日」を創っていきます。
(2)経営環境
当連結会計年度のわが国経済は、2024年3月の金融政策決定会合で決定した、マイナス金利政策の解除が行われ、長きにわたったコストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあります。名目GDPが2024 年4-6月期に年率換算で600 兆円を初めて超え、設備投資も33 年ぶりに過去最高を更新する年率換算106 兆円を超えるなど、近年にはない明るい兆しがみられました。物価と賃金が共に動き出した中で、2024 年の春季労使交渉においては、33 年ぶりとなる高水準の賃上げが実現し、個人消費の下支えに寄与するなど、賃金と物価の好循環が実現しつつあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済においては、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっており、物価や消費等に与える影響に留意する必要があります。
国内の住宅市場では、建築資材価格の上昇は落ち着いてきたものの、輸送コストや労務費の上昇により、建築費が高止まりしています。また、人口減少や住宅ローン金利の上昇もあり、2024年度の新設住宅着工戸数は前期比2.0%増、うち新設戸建持家木造住宅着工数は同2.8%増の微増でした。2025年3月には建築物省エネ法改正を前に駆け込み着工もありましたが、住宅着工は2018年度以降減少傾向で推移しており、今後も横ばいで推移するものと思われ、マーケティング、商品及び営業における一層の対策並びに対応力が求められる状況にあります。
(3)経営戦略等
当社グループでは、2024年6月に創業以来の社長交代を実施し、新たな経営体制に移行しました。新社長のもと、主事業であるBESS事業(木造戸建住宅事業)の再建、収益体質改善に取り組むとともに、足元の業績回復及び会社の成長発展に尽力しております。主事業であるBESS事業の再建に向けては、BESS単独展示場であるLOGWAYを起点とし、営業の接客における質的向上及び体験・体感イベントの強化など、BESSファンづくりをベースとする農耕型営業を推進するとともに、集客強化策としてBESSのホームページの改訂、SNS(YouTube、Instagram等)での発信強化、新商品の開発等を進めてまいりました。
2024年12月に当社創業者の元代表取締役会長二木浩三が逝去いたしました。社長の壽松木以下、社員一同が創業精神を改めて胸に刻み、5期連続の営業損失となった結果を真摯に受け止め、早期の業績回復及び会社の持続的成長に向け努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等
現在の経営状況を踏まえ、経営再建による営業利益の黒字化を最重要指標と考えております。そのほか、成長性、収益性(営業効率)の観点から、売上高の先行指標としてBESS LOGWAY数、全国LOGWAYにおける新規来場件数及び再来場件数、契約(受注)高及び件数、また、資本効率及び株主価値創造の尺度としてROE(自己資本当期純利益率)、加えてDOE(純資産配当率)を重要な経営指標と認識しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業戦略
イ 創業40周年BESS事業の再構築
創業40年目を迎えるBESS事業のブランド理念を再構築し、ミッションを「人間へBESS」、ビジョンを「劇的感動」としました。また、2025年度のスローガンを「BESS INNOVATION 2025」と掲げ、BESS事業の強みである感性マーケティング(潜在マーケットに向け、感性に働きかけるマーケティングで市場を創造する)をもとにしたファンづくりを推進します。
ロ 三角WONDER 間貫けのハコのバリエーション追加
2023年10月に販売開始した新商品「三角WONDER 間貫けのハコ」の個性的な外観に、新外装「なみ鋼板」を加え、2025年4月から販売をスタート。耐食性・耐久性に優れたガルバリウム鋼板を波形に加工した素材で屋根と壁一体を包むすっきりと潔い波型のドレープは、全体にやわらかい印象を与えます。さらに、新商品開発プロジェクトを立上げ、BESSらしい魅力的な商品の開発に注力します。
ハ 直販拠点・BESS木更津オープン
BESS多摩及びBESS藤沢に続く3つ目の直販拠点としてBESS木更津を2025年4月26日にオープンいたしました。大型商業施設から車で6分の立地で、2棟のログハウスとワンダーデバイス、本格ログ小屋の4棟が建ち並びます。2025年3月に閉館した東京・代官山「BESS MAGMA」とは異なる立地、環境で、BESSが提案する暮らしを体感できる住宅展示場として再開し、今後、モデルハウス見学に留まらない宿泊事業等の新しい取組みも計画しております。
ニ BtoB事業(特建事業)の推進
第2の主力事業として注力しているBtoB事業(特建事業)は当期に大きく復調し、各方面より問合せも増加しております。建設実績を着実に増やしながら組織体制面及び広報発信面も強化し、事業拡大に努めてまいります。加えて、BESSブランドを最大活用するために、新規事業開発室を設置し、地方自治体や他社企業との事業提携や業務連携を通じて、新築戸建事業を中心に周辺事業・外部提携の積極展開により、相乗効果を生み出しながら、BESSブランド・BESS事業をさらに発展させていきます。
②財務戦略
イ 財務の健全化
当社は、2023年度3月期の連結会計年度において、複数の金融機関との間で締結したシンジケーション方式による金銭消費貸借契約における一定の財務制限条項に抵触している状況にありましたが、代官山資産の売却(2023年4月)により得た資金を金融機関への借入返済に充当したうえで、一定の水準の手元資金を確保しており、財務面では安定した状況となっております。今後につきましては、木材市況等の経営環境や事業の行方を注視しながら、引き続き、金融機関との関係性を保持しつつ、手元流動性資金の残高維持(月商の3ヵ月分以上)に努めてまいります。
ロ 資本効率の向上
当社は、地区販社とのパートナーシップ(フランチャイズシステム)により、本部(当社)の陣容拡大を抑えながら売上成長を可能にする高効率の収益構造を目指しております。これにより、事業成長局面でも最小限の設備投資・在庫でフリーキャッシュフローを増大させるビジネスモデルを確立しています。引き続き経営環境の変化に対して機動的かつ柔軟に対応しつつ、販社の営業拠点等による小資本型事業のメリットを最大限に活かしてさらなる資本効率の向上を目指します。
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