企業アンリツ東証プライム:6754】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当連結会計年度の研究開発投資(無形資産に計上された開発費を含む)の内訳は、次のとおりです。

 

当連結会計年度

 

売上収益比率(%)

通信計測事業

8,785百万円

 

12.1

PQA事業

1,760百万円

 

7.1

その他の事業

689百万円

 

5.2

基礎研究開発

184百万円

 

-

合 計

11,420百万円

 

10.3

 また、セグメント別の主な研究開発成果は次のとおりです。

(1) 通信計測事業

 通信計測事業は、日本、米国、英国、スロバキア、中国、インド、フィリピンに設置した開発拠点を相互に連動させたグローバルな開発体制により開発を進めております。

1) MT8000A ラジオ コミュニケーション テストステーションの機能拡張

MT8000A ラジオ コミュニケーション テストステーションは、2018年の販売以来、第5世代通信システム(5G NR)のプロトコル試験、無線特性試験及びアプリケーション機能試験に対応した、チップセット等のデバイス開発を含むモバイル端末開発用試験プラットフォームとして活用され、LTEネットワークとの組み合わせで5G技術を活用するNSA(Non Stand Alone)方式、およびLTEネットワークに頼らないSA(Stand Alone)方式や、FR1/FR2周波数帯、高速大容量(eMBB : Enhanced Mobile Broadband)/超高信頼性低遅延(URLLC : Ultra Reliable Low Latency Communication)など様々な方向に進化を続ける5G NR通信技術の普及と発展に貢献しています。

 このような中、当社はLTEと5Gサービスで採用されている全ての周波数に対応可能(FR2は要別オプション)な新RFユニットMT8000A-033を搭載したMT8000A 1台でLTEと5G NR対応を可能にするSingle Boxや、FR2無線特性試験時間の短縮をML(Machine Learning)活用で実現したEIS-CDF Optimization using Machine Learning機能をリリースすることでMT8000Aの顧客価値を高めてきました。また、パートナー企業との協業を継続し、OTA(Over The Air)試験(注1)、SAR(Specific Absorption Rate)試験や映像/音声品質試験など5G端末実使用時に必要となる試験に幅広く活用されています。更に、IoT市場での導入が期待されるRedCap(Reduced Capability)やFR2 14CAによる10Gbps超のスループット実現等、Release17以降の先端技術への対応も継続しています。

2) ME7873NR/ME7834NR RF/プロトコル コンフォーマンス試験・通信事業者受入試験システムの機能拡充

 コンフォーマンス試験は、モバイル通信サービスの品質を保つための世界的な評価基準で、世界中の通信事業者に広く受け入れられています。また、多くの先進的な通信事業者は、このコンフォーマンス試験に加え、独自の端末品質評価体系を整備し、運用しています。

ME7873NR、ME7834NRは、RFとプロトコルそれぞれのコンフォーマンス試験及び通信事業者受入試験に対応した自動試験システムで、すでに数多くの試験機能がGCF及びPTCRBといった認証団体や大手通信事業者に認証され、実際の5G端末コンフォーマンス認証試験や端末受け入れ試験に使用されています。

2022年度は、RFコンフォーマンス試験においては、5G NR FR1のCA(Carrier Aggregation)の機能拡張である3CA、 4CAの認証を取得し、日本、米国で予定されているSAサービスでの高速通信に向けた端末の性能評価に貢献しました。さらに、主に米国で成長しているFWA(Fixed Wireless Access)サービス用途の機器で要求されるカバレッジ拡大のためのPower Class 1.5の認証を取得しました。また、FR2では技術課題の1つであるモビリティの安定性向上のため、ハンドオーバ機能を検証する2AoA(2 Angle of Arrival)試験を実現するために2つの基地局と端末が通信する電波伝搬環境を模擬したMA8172B CATR Chamberを開発、販売開始しました。プロトコル コンフォーマンス試験においては、FR1,FR2を同時接続し高速通信を行うFR1+FR2 DC(Dual Connectivity)試験の他、NPN(Non-Public Network)、Network Slicing等、今後 SAサービスで活用される機能の認証を取得しました。また、通信事業者受入試験に関しては、主に各事業者のSAサービスの拡大に向けた試験に対応し、引き続き日本及び米国の主要通信事業者7社の端末受入試験を提供する唯一のメーカーとして5G端末の品質向上に貢献いたします。

3) O-RAN Radio Unit試験ソリューションMX770000PC/MX773000PCの開発

 従来、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network : RAN)は単一ベンダのネットワーク機器で構築されてきました。しかし、5G導入によりRANは様々なアプリケーションに活用され、利用シーンに合わせたネットワークの構築・運用が求められるようになりました。そこで、ネットワーク機器間のインタフェースをオープン化したOpen RAN(O-RAN)の検討・導入が進んでいます。本技術はモバイルネットワークオペレータに複数ベンダのネットワーク機器を組み合わせて使用する選択肢を与え、また一部のネットワーク制御機能を専用装置を用いず、クラウド上などにソフトウェア化できるため、柔軟かつ拡張性の高いRAN構築が、安価に実現できると期待されています。

 反面、O-RAN普及には複数ベンダから供給される装置の相互接続性の検証が課題になっています。そこで当社はこの問題を解決するために、O-DU(O-RAN Distribution Unit)の動作を模擬するMX773000PC O-DUエミュレータプラットフォームソフトウェアを開発、5G基地局製造向けMT8000Aと組み合わせることでO-RAN.WG4.CONFに規定されている試験を可能にしました。また、各測定器を統括して制御するMX772000PC ORANテストプラットフォームによりO-RANフロントホールの効率的な検証を実現しました。当社は、本ソリューションの提供を通してO-RANの普及と拡張性の高い柔軟な無線アクセスネットワークの構築に貢献いたします。

4) シグナルアナライザ MS2840A/MX284059Bの機能拡充

 パルスレーダ装置は、主に気象観測、船舶の航行、沿岸監視、飛行経路監視などの目的で使用され、安全・安心な社会生活を支えるインフラの一部となっています。近年増加傾向にあるゲリラ豪雨や線状降水帯の雨量予測に不可欠な高性能気象レーダならびに民間気象会社が設置するレーダの増加により、パルスレーダ装置の維持に必要なテストの需要も増えています。

 パルスレーダ装置の安定運用に欠かせない送信性能検査では、スペクトラムアナライザ、オシロスコープ、パワーメータ、周波数カウンタなど多くの測定器が使用されてきました。特にフィールドでの送信スプリアス測定において、これら複数の測定器を用いた測定結果からのマスク線(合否基準線)作成に長時間を要していた為、テストの自動化・時短化と、必要な測定器の可搬性向上が求められています。

 当社はこの問題を解決するために、シグナルアナライザMS2840Aに搭載するパルスレーダ測定機能 MX284059Bを開発、パルスレーダ装置の保守点検や製造検査での主要な送信評価項目の自動測定や、USBピークパワーセンサMA24406A/18A/40Aと連動制御して、精度の高い送信電力やパルス幅の自動測定や合否判定を可能にしました。この機能強化により、パルスレーダ装置送信部のフィールド保守点検のほか、製造ラインでのテスト効率化・省力化にさらに貢献してまいります。

5) MT8870A ユニバーサルワイヤレステストセット Wi-Fi7機能追加

4Kを超える高解像度のビデオストリーミング・AR(拡張現実)/VR(仮想現実)などの最新アプリケーション・サービスの拡大により、高速大容量通信・低遅延に対応できる無線LAN機能を搭載したスマートフォン、通信機器の増加が見込まれています。

MT8870Aは、5G NR sub-6 GHz、LTE/LTE-Advanced、LTE-V2X、NB-IoT、Cat-M、V2X 802.11p、WLAN、Bluetoothなどさまざまな無線通信規格に対応した、スマートフォン、オートモーティブ、IoT端末および通信モジュールなどの大量生産製造ライン向けの測定器です。当社は、無線LANの最新規格IEEE802.11be (Wi-Fi 7)に対応したMX887034Aをリリース、既存のIEEE802.11b/g /a/n/ac/axを搭載した無線通信機器の製造ラインに対して、ソフトウェアの更新のみで、Wi-Fi 7の送受信試験を行うことが可能となります。これにより、高品質なスマートフォン・無線通信機器の量産製造に貢献いたします。

6) MP1900A PCI Express 5.0/6.0対応ソリューションの開発

5G(第5世代通信システム)の導入、自動運転・遠隔医療の実現や、AI ・機械学習の広がりから超高速・大容量に対応するネットワークの検討が進んでいます。一方で、データセンターは高速大容量化に伴い、多くの電力が消費され、省電力化も社会課題となっています。データセンターを構築する伝送装置、サーバ、ストレージでは、内部インタフェースの高速、広帯域化に向けてPCI Express 5.0(32GT/s) (注2)のコンプライアンステストが2022年4月から開始されました。MP1900Aは認証機器としてコンプライアンステストが行われるWorkshopでの場で機器やチップセットなどの認証試験に使われております。また、次世代となるPCI Express 6.0では、信号速度は64GT/sへの高速化に向けてPAM4(Pulse Amplitude Modulation)変調方式やFEC(Forward error correction)が採用され、IPや先端デバイスベンダの研究開発が2022年から開始されています。

MP1900Aは、自社開発の超高速デバイスの採用により、高品質な信号の送受信を可能にした、市場をリードするビットエラーレートテスタです。PCI Express 6.0をカバーする信号解析ソリューションを業界最速で2019年後半から2020年初めに市場投入し、多くの先端デバイスや装置開発メーカーにご使用いただいております。また、PCI-SIG®はMP1900Aを認証試験プログラム設備として採用しております。2022年には、協業パートナーとのPCI Express 6.0 Base Specに対応したAutomationソフトウェアのソリューションをリリースし、先行R&D顧客へのサポートを開始しました。2023年にはPCI Express 6.0コンプライアンス試験に向けた機能拡張をリリース予定です。特にPCI Express 6.0で課題となる被測定物のワースト条件での伝送ロス補正や、新規採用されたFECにおいては評価方法が課題となっています。MP1900Aでは被測定物の伝送ロスを補正するイコライザ機能や、業界初となるFECシンボルエラーのリアルタイム測定によるエラー訂正解析への対応を行い、信号品質評価への提案やAutomationソフトウェアによって検証期間短縮に貢献します。

 また、データセンターのさらなる低消費電力化や低遅延化に向け、PCI Express信号を直接光で伝送する光コンピューティングの検討が開始されています。アンリツはOFC2023で京セラ株式会社のオンボード光電気集積モジュールを用いて、業界初となるPCI Express 5.0での光信号伝送試験のデモンストレーションを行いました。今後、PCI Expressの更なる高速化や、低消費電力伝送の実現に向け、測定手法など規格策定に合わせたソリューションを提供し業界の普及発展に貢献していきます。

7) MT1000A Local5G/Private5Gに向けた遅延測定ソリューション

5G(第5世代通信システム)は、「超高速」「高信頼・低遅延」「多数同時接続」といった様々なシナリオに対応するネットワークとして普及が進んでいます。これに対し、企業や自治体等が独自に5Gネットワークを構築し、利用するLocal5Gや通信キャリアから専用の無線帯域を割り当てられ利用するPrivate5Gが注目されています。これらの専用ネットワークは5Gの特長を最大限に活用できることから、自動運転や遠隔医療、スマートファクトリなどの様々なサービスが検討されています。一方、サービスプロバイダにとってこれらのネットワークの回線品質は自社のサービス品質に直結することから、遅延やジッタ(ゆらぎ)などを高精度かつ定量的に評価することが課題となっています。例えば、遠隔医療などでは0.001秒以下のリアルタイム性が求められ、ネットワークの遅延が多大な影響を及ぼします。MT1000Aネットワークマスタプロは高精度GNSS同期発振器モジュールMU100090Bを組み合わせることで、GPS、QZSS(みちびき)、Galileo、GLONASSおよびBeiDouなどのGNSS(注3)と同期して、高精度な片方向遅延測定を実現します。さらにMX109020A Site Over Remote Accessを組み合わせることで、遠く離れた複数のサイトに置かれたMT1000Aを中央局からクラウド経由で一括して遠隔操作・監視することができ、ネットワーク内の複数地点のUp Link、Down Linkそれぞれの遅延を効率よく測定することができます。これらのソリューションによりLocal5G、Private5Gによる5Gサービス普及に貢献していきます。

8) 標準化活動

 通信計測事業における研究開発活動の重要な取り組みのひとつとして、国内外の標準化活動へ積極的に参画しています。情報通信産業における最先端の知識・技術を常に製品へ反映し、競争力に優れたソリューションをタイムリーに提供するために、主要な標準団体として現在3GPP、ITU-T、IEEE、PCI Express、IOWN等へ参加し、4G/5G、データセンター、IoT/M2M、コネクテッドカーといった有線・無線通信事業の戦略立案や情報収集に役立てています。

 特に移動通信システムの規格を策定する3GPPにおいては、基地局と携帯端末の通信手順試験を可能とするコンフォーマンステスト(端末認証試験)仕様策定に際し、LTE/LTE-Advanced(4G)/New Radio(5G)の規格策定段階から数多くの寄書を行っています。2022年度はCOVID-19の活動制限も緩和され、オンラインに加えて対面方式の会合となったことで議論がより活性化・加速されました。当社は海外現地法人と協力しながら国内外の通信オペレータ、チップセットベンダ、端末ベンダとも積極的にコラボレーション開発を実施継続し、そこで得た知見を活用し5G移動通信システム関連規格を含む Release 17、18の策定および、Release 15、16の保守に貢献しました。中でも5Gより採用されたミリ波通信周波数帯(注4)における測定方法の策定においては、国内でも規格整備が進行中であるハイパワー端末(Power Class 1)や、Release 18の機能の一つとして検討中の複数方向セルとの同時通信を可能とする端末のOTA(Over The Air)での測定方法検討、測定限界に関する情報の提供、また測定の不確かさ算出に貢献しました。当社はこの5G、5G-advancedの議論に対し数少ない測定器ベンダ視点での寄書を提出することにより、現実的かつタイムリーなソリューションを規格に取り込む様努めています。これらの活動の結果策定された試験規格は最終的に端末のコンフォーマンステスト用プログラムとして四半期毎に製品に取り込まれ、認証団体であるGCFやPTCRB (注5)による審査・承認を経て、携帯端末の認証取得および、市場投入をサポートしています。また、これらの活動により、国内規格および法整備の推進にも貢献しています。

 この他、データセンター向けサーバなどの内部インタフェースに使われるPCI Express 5.0や次世代6.0の認証試験開始に先駆け研究開発者に測定ソリューションを提供し測定手順書の作成、規格化に向けた測定結果の提示や、測定課題解決に向けた提案などで貢献しています。

NTTが主導するIOWN構想は、当初、2030年の実現に向けて活動を開始しましたが、提供可能なサービスから市場に展開していく方針に変わりました。2023年3月に初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を専有するオールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、以下、APN)IOWN1.0の提供を開始し、2025年に開催される大阪・関西万博においてIOWN2.0サービスの商用化することを発表しています。更に、KDDIがIOWNへの参加を表明し、NTTと光ネットワーク技術のグローバル標準化に向けた基本合意書を締結するなど、2030年の最終的なIOWN構想実現に向けて、業界全体が大きく動いています。上記の標準化活動に加え、IOWN構想実現に向けて、IOWN の各タスクフォースでの会合に参加するだけではなく、参加企業・団体と協力し、技術の実証実験となるPoC活動にも取り組んでまいります。

 加えて、APN実現のキーデバイスである光電融合デバイスに関して、NEDO 次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会に参画し、低消費電力化が期待されている光配線技術および光ディスアグリゲーションシステムの開発検証に貢献していきます。検討に先駆け、京セラ株式会社と協業しPCI Express 5.0の光伝送試験の実施検証を行い、OFC2023にて共同で発表をいたしました。今後、高速大容量に対応するためPCI Express 6.0への適応が期待されており、アンリツが持つ測定ソリューションを活用することで測定課題の解決に向け取り組んでまいります。

(注1)OTA (Over The Air)

 物理的にケーブル接続を行い通信するのに対し、無線での通信、電波の測定を行うこと。5Gのミリ波帯通信信号の携帯端末・基地局内における品質劣化を防ぐために回路の集積化が進められた結果、従来は携帯端末や基地局と測定器間は物理的にケーブルを用いて接続がなされていたのに対し、5Gのミリ波帯においては携帯端末・基地局のアンテナ端から送信される無線信号を測定器のアンテナで受信しその品質を評価する形となった。

(注2)PCI Express

PCI ExpressはPCI-SIGによって策定されたコンピュータの拡張バスの標準仕様で、CPUやメモリなどと通信するためのI/Oシリアルインタフェース。5.0は32GT/s、6.0は64GT/sのデータ転送速度。

(注3)GNSS(Global Navigation Satellite System)

 人工衛星を用いた測位システムであり、GPSは米国の運用するGNSSのひとつ。欧州の運用するGalileo、ロシアの運用するGLONASS、中国の運用するBeiDouのほかに日本の運用する準天頂衛星システム(QZSS: みちびき)などがある。

(注4)ミリ波通信周波数帯

3GPP Release 15より採用された移動通信システム用通信周波数帯の一つ。採用されている周波数としては24.25 GHz~29.5 GHz、37.0 GHz~43.5 GHz、47.2 GHz~48.2 GHzがある。その周波数帯では既存の6 GHz以下の周波数帯と比較し広い帯域を用いた高速大容量通信が可能である反面、電波の空間伝送損失が非常に大きいため通信信号の品質劣化が大きく、通信可能な距離に制約があるため端末性能の評価がより重要となる。

(注5)GCF/PTCRB

GCF: Global Certification Forum

PTCRB: PCS Type Certification Review Board

 それぞれヨーロッパ発祥、アメリカ発祥の認証機関であり、携帯端末が3GPPの規格に準拠していることの認証を行うとともに、コンフォーマンステストシステムの認証の役割も担っている。

(2) PQA事業

1) 食肉加工および水産加工向けX線検査機XR75シリーズの開発

 高品質な食肉への需要が世界的に高まる中、加工工程での確実な骨の検出と除去が課題となっています。当社は、新方式の高精細センサを搭載し凹凸や重なりに強く微小異物を精度よく検出できるX線検査機「XR75シリーズHRタイプ」を開発し、2021年度から販売を開始しています。

 この度開発したX線検査機は、HRタイプの高精細なX線撮像能力をベースに、食肉中の骨検出精度を向上した新開発の画像処理を搭載したほか、食肉を扱う生産ラインでは一般的な高圧ジェットによる清掃に耐えるよう保護等級IP69K(注1)に準拠した堅牢かつサニタリー特性に優れたボディを採用しています。また、日本やアジアを中心に高まる細くて小さい魚骨の検査ニーズに対し、高精度に検出できる画像処理も並行して開発し搭載しました。

 進化を続けるこれらの新製品は、多くのお客様の品質向上に貢献するとともに、加工後の廃棄ロスを最小限に抑え、食品生産プロセスの歩留まり向上と食品ロスの低減に貢献します。

2) 自動重量選別機SSVシリーズの型式承認

 食品加工のオートメーション化が進む中、生産ラインでは食品を搬送しながら計量する「ダイナミック計量」が一般化しており、現在我が国では3万台以上の「自動はかり」が稼働しています。

 このような実態をふまえ、経済産業省は公正な商取引を担保する目的で計量制度に関する政省令の一部を改正し、自動はかりの一種である自動重量選別機の検定を義務化しました。(注2)

 自動重量選別機を以前から製造・販売している当社は、このような法令改正に早くから注目し、技術適合要件をクリアすべく開発に取り組んでいます。その結果、当社の独自技術である電磁平衡式はかりにより世界最高クラスの高精度計量(検査目量0.05g)を実現したことで、「精度等級XII」の型式承認を国内で初めて取得しました。

 高速かつ高精度な当社の自動重量選別機は、生産ラインの歩留まり向上に貢献するだけでなく、公正な商取引の普及に貢献しています。

(注1) IP69K

 ドイツ工業規格のDIN40050 PART9で規定されている高温・高圧水に対する保護規定。

(注2) 指定検定機関による検定義務化

2024年4月1日から義務付けられ、ひょう量が5kgを超える場合などを除き、新たに導入する自動重量選別機は検定に合格しないと取引・証明に使用できない。既に使用されている自動重量選別機については2027年3月31日までに合格すれば継続使用できる。

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