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【東証プライム:6728】「電気機器」
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企業概要
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、下記の基本方針にもとづき、株主、投資家及びお客様満足度の向上を図ることで企業価値を高めてまいります。
①顧客満足の増進
複雑化、高度化するお客様の課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなどに迅速かつ柔軟に対応し、お客様満足度の向上を目指します。
②生産技術の革新
製造業の基本であるコスト競争力を高めるため、製造装置の標準化(モジュール化、ユニット化)を中心とした継続的な生産技術の革新を行います。
③独創的な商品開発
競合他社が真似することのできない最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供する企業を目指します。
④自由闊達な組織
経営方針や情報が迅速に伝わる風通しのよい組織と企業風土を継続して形成します。
⑤企業価値の向上
株主価値の向上にとどまらず、技術の総合利用を通じて産業と科学の発展に貢献することを目指します。
(2)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調で推移しましたが、金融資本市場の変動や通商政策動向等の影響の広がり等による海外景気の下振れリスクが意識される等、先行きに対する不透明感が高まりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、生成AI活用の浸透等により中長期的な半導体需要拡大が見込まれるとともに、地政学的リスクに対応して世界各地で半導体工場の新増設計画が進められています。エレクトロニクス業界では、パワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により短期的には設備投資が調整されていますが、社会のデジタル化に向けた各種電子デバイスの技術革新や増産投資、中国における国産化投資は継続しています。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、タブレットやパソコン等のIT用パネルにおいて、液晶から有機ELへ切り替えが進む中、大型基板の有機ELへの投資が続いています。また、産業電池業界では、EVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が検討されています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「互いに協力・連携し、真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念のもと、真空及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域を取扱うことで生み出されるシナジー効果を強みとした事業経営を行っております。また、このシナジー効果をより効果的に発揮できるよう、当社グループ間の連携強化や世界の多様な企業や研究所等とビジネスパートナーシップの形成を推進することで、よりグローバルに事業を展開し、更なる持続的成長と企業価値向上を実現する高い収益性を有する企業集団となることを目指しています。
また、当社グループは、「真空技術及びその周辺技術の総合利用により、経済価値、社会価値、環境価値を創造する」というサステナビリティ方針に基づき、当社グループの事業活動を通して、幅広いステークホルダーとともに、産業と科学の発展に貢献し、環境負荷の低減や健康と幸せの創造により、気候危機や資源不足等地球の持続可能性を脅かす環境問題の解決に向けての取組みも推進しております。
これらの経営基本理念やサステナビリティ方針を踏まえ、当社グループは、“Vision2032”「未来につながる可能性の場であり続ける」を策定しました。この“Vision2032”は、当社グループの10年後の理想像を、当社創業時から受け継がれてきた企業文化や価値観を未来志向に変換した姿として描いたものであり、当社グループは、その実現に向けて取組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭においた経営に、グループ一丸となって引き続き取組んでおります。
〈当社グループが取組むべき重要課題(マテリアリティ)〉
・真空技術をコアとしたイノベーションの創出・共創の推進
・多様な人財の育成と活躍推進・レジリエントな組織づくり
・バリューチェーンにおける人権尊重・責任ある行動
・持続可能な地球環境への貢献
そして、この重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、当社グループは、2026年6月期から2031年6月期までの6年間の新中長期経営計画「バリューアッププラン」を策定しました。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの見直しを加速させ、高成長・高収益性を実現し、企業価値の向上を目指します。
新中長期経営計画「バリューアッププラン」の概要は次のとおりです。
1.成長戦略
①半導体電子への注力加速
・半導体製造装置事業
実績のあるハードマスク技術や金属成膜技術を基盤に、重要顧客のPOR(Process of Record:量産に使われる認定プロセス)数を増加させ、新工程の獲得によるシェア拡大を図り、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。
・電子部品製造装置事業
次世代パワー半導体に対応する装置の量産化や先端パッケージング工程の獲得により、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。また、化合物への薄膜エッチング技術を活用し、光電融合分野への展開も図ります。
②事業間シナジーを活用した新たな半導体電子関連及び真空関連ビジネスの創出
製造プロセス高度化により分析の重要度が高まる半導体市場において、当社は研究開発向け分析機器での経験と高いシェアを有しています。これを活かし、半導体電子との事業間シナジー等により、量産ライン向け分析検査装置を本格投入し、検査装置市場におけるグローバルポジションの確立を目指します。
③M&A等を活用したビジネス拡大
半導体電子を中心に、成長のための開発投資強化やM&Aを実施します。
2.事業改革
低採算事業等の縮小や撤退を進め、グループ会社や生産拠点の再構築とスリム化を図ります。また、人件費や販売管理費等の固定費を適正化し、コスト削減を実現します。これらの取組みにより、経営の効率化と収益基盤の強化を図り、持続的な成長の基盤を作ります。
3.生産改革
・従来の受注後に製造プロセスを開始する方式に対し、モジュラーデザインの推進により先行手配・計画生産等を可能とし、効率的な生産体制を構築します。これにより、大幅な製造リードタイムの短縮が可能となります。
・半導体電子中心のモジュラーデザイン装置の割合を高め、顧客ニーズに迅速に対応するとともに、製造拠点集約を進めることで収益性改善を実現します。
4.財務基盤及びキャッシュ・フローマネジメントの強化
当社グループの更なる成長に向けた十分な開発投資資金を確保し、当社事業をとりまく外部環境変化への迅速な対応を実現する強固な財務基盤の構築を更に進めるとともに、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により、資本効率の一層の改善に努めます。
バリューアッププランに加え、重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、以下の取組みを推進します。
(ESG経営の強化)
・当社グループの事業活動におけるCO2排出の削減に継続して取組むとともに、気候危機等の社会的課題の解決に貢献する環境配慮型製品の更なる開発と拡販に努めます。
・当社グループのみならず当社グループの取引先といったステークホルダーに至るまで、当社の推進する人権に配慮した事業運営についての理解を共有するとともに労働環境をはじめとする人権尊重の更なる推進に努めます。
・当社グループの持続的な成長を実現するために、実効性、透明性の高い経営体制の強化に継続して取組むことにより、コーポレート・ガバナンス体制の更なる維持強化に努めます。
(人財経営の推進)
当社グループにおいて多様な人財が活躍できる環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高めるともに、次世代リーダーとなる中核人財の育成プログラムを再構築することで、当社グループの人的資本の更なる強化に努めます。
<数値目標(連結)>
新中長期経営計画の数値目標は、以下のとおりです。
指 標 | 2025年6月期 実績(参考) | 2028年6月期 中間目標 | 2031年6月期 目標 |
売上高 | 2,512億円 | 2,600億円 | 3,600億円 |
半導体電子関連ビジネス 売上高構成比 ※ | 36% | 45% | 60%以上 |
営業利益 | 265億円 | 390億円 | 790億円 |
営業利益率 | 10.6% | 15% | 22% |
半導体電子関連ビジネス ※ | 11.6% | 19% | 25% |
ROE(自己資本利益率) | 7.5% | 10% | 16% |
※管理会計に基づく数値(半導体電子事業及び関連事業)
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