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【東証プライム:4301】「サービス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれております。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況
わが国経済は物価高が続く中で個人消費の伸びが鈍く、緩やかな持ち直しに留まりましたが、国内外におけるライブ市場は活性化する傾向となりました。また、インターネット、通信・放送等における技術の急速な進化や、人々の生活様式の変化により、エンターテインメントビジネスにおけるエコシステムは大きな変革期を迎えており、コンテンツ供給量の増加に伴う競争激化、マーケットのグローバル化など、その変化は今後もますます加速していくものと捉えております。
当社は現在の事業環境を好機と捉え、創立50周年となる2028年までの期間を「さらなる成長軌道を実現するための重要期間」として位置付け、より一層の企業価値向上を目指してまいります。
①経営方針
あらゆる才能と繋がり、世界に挑戦するプロデュースハウスへ
(a)世界を見据えた「アーティスト」の発掘、プロデュース強化
(b)世界と日本を繋ぐ「オリジナルコンテンツ」の創造
(c)世界に展開できる「Web3サービス/ソリューション」の開発
②経営方針の進捗状況
(a)世界を見据えた「アーティスト」の発掘、プロデュース強化
当社の特徴の一つとして、アーティストの所属年数が長いことが挙げられます(サザンオールスターズ47年間、三宅裕司40年間、福山雅治37年間など)。豊かなアーティストポートフォリオは、仮に特定のアーティストによる収益が一時的に減少したとしても、当社全体の収益を所属アーティスト全員で補填することができ、この構造は、所属アーティストの中長期的な活躍を念頭に置いたマネージメントを可能といたします。既に海外において精力的な活動を行っているアーティストも多数おりますが、今後は多言語を扱うアーティストの発掘・育成等に向けてより一層の力を注ぐとともに、音楽・役者・声優・文化人等をはじめとする幅広いジャンルにおいて実績を有する当社の強みを最大限に発揮して、アーティストの多角的な活動を推進してまいります。
(b)世界と日本を繋ぐ「オリジナルコンテンツ」の創造
所属アーティストを起点とするプロデュース作品、クリエイターを起点とする原作やキャラクター、デジタルを起点とするIP、ライフカルチャーを起点とする感動体験等、様々なコンテンツの自社開発を積極的に行ってまいります。また、それらの制作体制を強化するための資本業務提携やM&A等を積極的に実行するとともに、映画・番組を中心とする映像作品の流通においてはSNSやVOD等との連携をさらに拡充してまいります。
(c)世界に展開できる「Web3サービス/ソリューション」の開発
新たなテクノロジーの出現により、エンターテインメント業界においても大きな変化が生まれております。2022年に設立しました新会社「Kulture」によるデジタル起点での取り組みやサービス開発を加速させるとともに、ファンクラブ・グッズ・デジタルサービス・チケット等の自社サービスとかけあわせることで、アーティストの魅力が世界に届く導線をさらに太く強いものとしてまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの属するエンターテインメント業界の市場環境は、日本における人口減少、少子高齢化による需要減少により、一層の競争激化が予想されます。一方、直接的な市場環境としては、コンサート市場は一般社団法人日本コンサートプロモーターズ協会正会員78社の2024年(2024年1月-12月)の総入場者数は5,939万人(前期比105%)、総売上は6,121億円(前期比119%)と、動員数はスタジアム・アリーナ公演の増加に伴って6,000万人に迫る過去最多となり、市場規模も6,000億円を上回りました。要因としては、関東圏(東京・横浜・千葉)における新設アリーナ6会場の稼働もあり、アリーナ会場の動員数が拡大した事や、海外アーティストの大規模公演が継続して開催され、売上も全体の22%を占めるなど市場規模の底上げに繋がったことが要因となっております。「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況」に記載した通りの施策を積極的に実行しながら、既存の枠に捉われない発想で、才能から生み出される良質なコンテンツをともに創り、世界中に届け続けてまいります。
音楽業界では、2024年(1月-12月)の音楽ソフト総生産額が2,051億円(前期比93%)、有料音楽配信売上は1,233億円(前期比106%)、合計金額は3,285億円(前期比97%)となっております(一般社団法人日本レコード協会)。
邦画・洋画の映像関連市場では公開本数が1,190本(前期比97%)と微減しておりますが、映画館スクリーン数は3,675スクリーンと前年より微増となりました。2024年(1月-12月)の興行収入は、2,069億8千万円(前期比94%)と減少しております。(一般社団法人日本映画製作者連盟)。また、ビデオソフト市場では、2024年(1月-12月)の総売上は973億6千万円(前期比85%)と減少しております(一般社団法人日本映像ソフト協会)。
有料音楽配信が堅調に推移している一方、ビデオソフト市場が減少していることからもわかるように、流通インフラやインターネット環境の進展等により、アーティストが創作する楽曲や権利保有楽曲、映画やライブ中継などの映像作品等を直接消費者に届けることができるようになっております。
市場・流通チャネルの環境変化に強いエンターテインメント企業としての立ち位置を最大限に活用しながら、当社運営の各アーティストのファンクラブサイトやECサイトのアスマート、オンラインライブの配信プラットフォームLIVESHIPに代表されるように、内製化したインフラや機能を活用することで、市場の変化や細かなニーズに対して迅速に対応するとともに、収益源の多様化・利益率の向上を図ってまいります。
以上のような課題に対処するのは、当社グループの人材です。当社では、音楽・映像・舞台等の様々なエンターテインメント領域で事業を行っており、その多様性が特徴の一つです。
引き続き、若年層の即戦力化、マネージメント能力の向上、多彩な人材が多様な働き方を選択できる人事制度の構築、ワークライフバランスの実現やストレス対策、健康管理など従業員の健康を考慮した施策など従業員と企業の両方が成長できる環境を整えることが課題です。優秀な人材が自律的・精力的に活躍することができる、働き方・職場環境・人事制度等を継続的に見直していくことが重要であると考えております。
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