企業兼大株主アスクル東証プライム:2678】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2025年7月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
 
(1)経営方針および中長期的な経営戦略等

 当社は1992年のアスクル創業以来、オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして、お客様の声を聞きながら、商品・サービス・システムを絶えず進化させて中小事業所から中堅大企業までのあらゆる企業の多様なニーズにお応えし、着実な成長を実現してまいりました。    

 これに加え、eコマース(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)へのニーズは、一般消費者へも急速に高まり、当社グループは、このような状況を絶好の成長機会と捉え、2012年11月20日に一般消費者向けインターネット通信販売サイト「LOHACO」のサービスを開始しました。

 当社を取り巻く事業環境は劇的に変化し、なかでも、AI(人工知能)の進化は想像以上に加速しております。人間と同等の知能であるAGI(汎用人工知能)の実現は数年以内、人間の知能を超えたインテリジェンスをもつ超知能であるASI(人工超知能)は、10年以内に実現ともいわれております。

 そのような状況の中、2025年7月4日に「2026年5月期~2029年5月期中期経営計画(以下、新中期経営計画)」を策定し、公表いたしました。

新中期経営計画の策定にあたっては、まずは、長期的視点で当社が何を実現したいのかというビジョンについて議論を重ねました。

 創業以来、全社に根付いているDNA「お客様のために進化する」の根源にある

・創業の精神である中小事業所に大企業並みのサービスを提供すること等、お客様のお困りごとを解決したいという意志。

・1 box for 2 trees project(お客様のコピー用紙1箱ご購入に対して、2本植林し、育てて、収穫して、コピー用紙をつくる仕組み)に代表される社会的責任を果たすこと。

・自社で蓄積したビッグデータをパートナー企業と共有する等、共創によって新たな価値を社会に還元すること。

 といったアスクルらしさを発展させ、働くひとの自己実現をサポートすることで幸せなひとを増やしたいという想いを込めて、2050年ビジョンを「誰もがうれしい自分を次々と実現できる社会をつくる。」と定めました。

 そして、中間地点である2035年のあるべき姿を「Beyond Retail~小売を超えて、働くを革新する~」と位置づけ、バックキャストにて2026年5月期から2029年5月期までの4年間に取り組むべき経営方針を新たな中期経営計画として策定いたしました。

 新中期経営計画では、「(3)会社の対処すべき課題」に記載の2つのテーマ、①リテール事業の再成長、②新たな価値提供領域の確立、に注力して取り組むことを掲げており、多様な業種・企業規模のお客様の購買ビッグデータの蓄積、全国で当日・翌日配送を可能にする高度に自動化された独自の物流基盤、競合他社との差別化を強化するオリジナル商品の開発力、エージェントの全国各地における強固な営業基盤等の当社グループの強みを活かしながら、成長領域に徹底的に注力し、新たな価値を創造してまいります。

 生産労働人口の減少、AI/テクノロジーの進化等、社会を取り巻く環境は加速度的に変化しております。当社はこれからも時代の変化によって生み出されるお客様のお困りごとの解決をサポートし、誰もが何度でも「うれしい」状態になれるような社会を目指してまいります。

(2)目標とする経営指標

 新中期経営計画では、最終年度である2029年5月期には、連結売上高6,000億円、連結営業利益率5%、連結株主資本利益率(ROE)20%を目指してまいります。

 当連結会計年度(2025年5月期)は、新アスクルWEBサイト(システム)の投資額増加に伴う償却費負担の増加およびソロエルアリーナサイトのオープン化効果の計画未達や、商材拡大(アイテム数)偏重による新規投入商品の低稼働、黒字化優先によるLOHACO事業の売上計画未達、「ASKUL関東DC」立ち上げによる固定費増などにより、売上高は4,811億円、売上高営業利益率は2.9%、ROEは11.6%となりました。

 2026年5月期は、お客様数の回復を最優先し、さらなる成長を目指します。一方で「ASKUL関東DC」および基幹システムリプレイス等のプラットフォームの償却開始、「ASKUL関東DC」および関東地区の物流センター再編に係る一過性コスト影響により、売上高は5,000億円、売上高営業利益率は2.2%、ROEは8.6%となる見通しですが、新中期経営計画で掲げている施策の実行スピードを上げることで、2027年5月期のV字回復の実現を目指してまいります。

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、以下2つのテーマに注力して取り組んでまいります。

① リテール事業の再成長

ASKUL事業の戦略ターゲットは、お客様のロイヤリティと成長率が高く、市場のポテンシャルも大きい医療・介護、宿泊、飲食などの対人サービス業種と定めました。また、重点商材領域は、お客様からのご要望が多く、幅広いお客様業種でご利用いただける「仕事場の日用品」と定めました。この領域は市場規模が大きく、BtoB、BtoC共通のニーズも多いことからオリジナル商品の開発がしやすい点も特徴となります。重要テーマは、ニーズに即した品揃え強化、価格競争力があるオリジナル商品による差別化、売り場の利便性強化となり、BtoB市場における多方面の協業検討も開始いたします。

LOHACO事業は、ASKUL事業の規模を活かしたオリジナル商品の提供、ASKUL事業との物流一本化による納期短縮、LINEヤフー株式会社との協業による進化、販売チャネルの拡大により健全な成長による企業価値向上を目指してまいります。

 事業を支える物流戦略は、物流ネットワークのさらなる進化により、物流品質向上とコスト低減を図ります。

 また、ビッグデータ活用による業務効率化を進化させ、AI AGENTによるサービス革新を目指してまいります。

② 新たな価値提供領域の確立

2035年においては、既存のリテール事業を強化することに加えて、あらゆる業種に幅広くご利用頂いている強固な顧客基盤やバリューチェーンの各プロセスで蓄積したデータ、商品力・物流力・営業力などのアセットを活用し、企業の従業員や企業のお客様に向けたソリューションビジネスを、積極的に推進いたします。新たな価値提供領域の確立のため、2026年5月期期初にCEO直轄に組織を新設しPoC(注)を積極推進するとともに、成長投資枠最大1,000億円の活用によるM&Aや他社協業を積極的に推進し、2035年における既存事業領域と新規事業領域の利益割合(EBITDAベース)50:50を目指してまいります。

(注)Proof of Conceptの頭文字をとった略称で、新しい技術やアイデア等の実現可能性を検証することを指します。

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