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【東証グロース:246A】「サービス業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営理念と方針
当社は、経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を実現するため、これまで積み上げてきたノウハウをベースに「コンサルティング事業」「CRMイノベーション事業」「通信ネットワークソリューション事業」を展開することで、顧客のニーズに応え業績向上に貢献し、すべてのステークホルダーに信頼される企業を目指しております。また、公益資本主義に基づいた経営を行うため、以下を経営方針としております。
①持続的成長を支えるため、研究開発などの中長期的な投資を行う。経営陣は、短期の利益を求めつつも、中長期的な課題にバランス良く取り組む。
②事業で得た利益は、従業員、顧客、取引先、地域社会、株主に対して、公正に還元する。
③企業家精神による改良改善リスクをとって果敢に新しい事業に挑戦し、常に改善に努める経営を行う。
さらに、会社名の由来となる、「ひとりひとりの輝きが明日の未来を開ける」を社是としております。目標に向かって誰にも負けない努力を積み重ねることにより光り輝く人材になることを目指してASUA QUALITY(全139ページの理念手帳)を作成し、全従業員に対して理念浸透と人間力向上を従業員教育方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、売上・利益の成長、顧客満足度の向上に向けて取り組みながら企業価値の最大化を目指すため、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高営業利益率、TRYESサポート年間実施件数、TRYESレポート契約社数(期末時点)及びTRYESレポート登録人数(期末時点)をあげております。売上を継続的に増加させていく重要な要素となるストックビジネス(※)の利用社数を増加させ、また顧客満足度を向上させることで解約率の低減を図り、結果として売上高営業利益率の高い上昇を目指しております。
(※)ストックビジネス:利用者から解約の申し出がない限り継続的に毎月売上が計上されるサービスをストック型、年間で月額売上が固定されているものの、利用者の都合で一時的に変更可能なサービスを準ストック型と定義しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、継続して成長するために、クラウドサービスを成長の柱としてストックビジネス収益を拡大することを基本戦略としており、以下の項目に重点を置いております。
①TRYESサポートの更なる拡大
②TRYESレポートの普及拡大
③CRMイノベーション事業におけるモビリティ領域の更なる拡大
④コンサルティングで培ったノウハウを異業種で展開
中長期戦略の最重要課題と考えているTRYESレポートやTRYESサポートの対象顧客である物流業界の市場は安定的に推移しております。一方で、物流業界の「2024年問題」(※1)や物流関連二法(※2)の改正などにより、ドライバー不足が深刻な課題となっております。
(※1)物流業界の「2024年問題」:働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題の総称のこと
(※2)物流二法の改正:貨物自動車運送事業法と物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律のこと
また、物流事業者の99%は、車両保有台数100台以下の事業者であるため、法規制の変更などにより、管理者の業務が増加し、法定12項目(※)に基づくドライバー教育などが行き届いていないと言う問題が潜んでおります。
(※)法定12項目:事故防止を目的とした国土交通省が定める指導項目のこと
TRYESサポートは、東海地区の物流事業者のみに販売しておりましたが、今後、大手事業者への展開を行うとともに、全国に展開することで更なる拡大を図ってまいります
TRYESレポートは、当社が20年以上にわたり実施してきたコンサルティングを通じて培ったノウハウを活かしたサービスであり、コンテンツを更に充実させることで、差別化をはかってまいります。
TRYESサポート及びTRYESレポートが普及拡大することで、相互活用による循環型のビジネスモデルの構築も視野に入れ取り組んでまいります。
また、CRMイノベーション事業では、コネクティッドカー(※)データを活用したメッセージングサービスによりモビリティ領域での拡大を推進してまいります。コネクティッドカーの販売台数は着実に増加しており、車両の走行データや運転行動のデータを利活用するサービスの市場は拡大が予測されております。これまで先行して分析メッセージングサービスを設計・運用してきた当社の強みとして、引き続き大手自動車メーカーと協力し、新たなサービスの開発に取り組んでおります。
(※)コネクティッドカー:ICT端末としてネットワークに接続され車両の状態や外部情報を送受信できる車両
更には、20年以上にわたり、物流事業者の安全活動支援を行ってきたコンサルティング事業に、CRMイノベーション事業で開発したメッセージングサービス(A-KMS)を融合させた一般企業向けの交通安全に対する安全対策支援システムの開発を計画しております。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の主力事業であるコンサルティング事業の対象顧客である物流業界を取り巻く市場環境は急速に変化しております。そのような市場環境で継続的な成長を図るために、以下を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と認識し、それらの改善に努めながら、今後の事業運営を図っていく方針であります。
①新サービスの開発と品質の向上
当社では、物流事業者向けのTRYESサポートやTRYESレポート及び走行データに基づく「自分ごと」と感じるOne to Oneメッセージ配信などのクラウドを活用したサービスの開発・販売を行っております。当社は、時代のニーズに合わせ新サービスや新システムを開発し展開することで、更なる成長を果たしていけるものと認識しております。また、各サービスのシステムは現在も定期的に改良開発を行っております。今後も積極的に新サービスの開発に取り組んでまいります。
また、定期的なソフトウエアの更新に加え、バックアップ体制の強化を行い、サービスの品質向上に努めております。
②人材の確保と育成
当社では、人と人との対話を通したコンサルティングや各種クラウドサービスを提供するための優秀な人材を、いかに採用し育成するかが、持続的に事業を拡大する上での重要な課題と考えております。採用費の増加、リファラル採用(※)の強化により今後も積極的な採用を進めるとともに、人材の定着率を高めるため、給与水準の向上や福利厚生の充実、評価制度の整備、労働時間の管理、社内勉強会の開催等によるスキルアップ支援等、働きがいのある・働きやすい企業づくりに取り組んでおります。
(※)リファラル採用:自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法
③内部管理体制の構築
当社は、今後も事業の拡大を図るにあたり、事業をより効果的かつ安定的に運営していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要であると認識しております。この課題に対処するため、適宜、業務プロセスや内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制及び業務運営の最適化に取り組んでまいります。
④財務体質の強化
当社は、金融機関からの借入金を有するものの十分な手許流動性は確保されており、本書提出日現在において対処すべき財務上の重要課題はありません。ただし、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保資金の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
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