アイネット
【東証プライム:9600】「情報・通信業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念・経営方針
当社グループでは、成長を続ける企業であり続けるために、役員および社員が全員で共有し、いかなる行動を起こす場合においても基準となる共通の価値観として、グループ理念「inet Way」を制定しています。
「inet Way」は、「企業理念」・「企業ビジョン」・「経営方針」・「中期経営計画」の4つの柱から形成され、その土台には企業人として守るべき「企業行動憲章」と「inet Way」を達成するための原動力となる「行動指針」があります。
①企業理念
「情報技術で新しい仕組みや価値を創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する」
②企業ビジョン
「創造」「挑戦」「信頼」をベースに持続的な企業価値向上を目指し、社会とステークホルダーに貢献する企業として成長する。
③経営方針
「持続的成長を可能にするエクセレントカンパニーへ」
当社グループの経営方針は、当社が持つ、高度なIT(情報技術)を活用し、顧客の事業発展に貢献するベストパートナーとして、常に最良のサービスを提供し続け、顧客とともに持続的に成長をする会社でありたいという、当社の経営に対する基本的な考えを示しております。
(2)事業戦略
当社グループはデータセンターを基盤とするプラットフォーム戦略を強化することで、社会の変革にあわせた持続的な成長を達成していく考えです。プラットフォーム戦略を事業の中心に据えて、プラットフォーム上のサービスと戦略的協業パートナーの拡大を通じた成長を目指しています。これにより、より広範な市場への参入や新たなビジネスチャンスの創出を実現し、当社グループの競争力を更に強化していきます。
(3)サービス展開モデル
当社グループの事業は、「情報処理サービス」と「システム開発サービス」の大きく2つのサービスとそれらに付随する「システム機器販売」の3つのサービス区分で構成されています。
「情報処理サービス」は、自社で運営するデータセンターを活用した事業です。当社グループの祖業である、サービスステーション向け受託計算サービスからスタートした、中核事業でもあります。「データセンター・クラウドサービス」、「受託計算サービス」、「プリント・メーリング・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス」で構成されています。
「システム開発サービス」は、ソフトウェア、及びハードウェアの開発/運用の受託事業です。主に、金融、流通、エネルギー、宇宙などの分野において、ソフトウェアなどの開発等の業務を請け負っております。
当社グループは、自社のデータセンターを軸に「情報処理サービス」と「システム開発サービス」を最適な形で組み合わせて提供することができます。当社グループが展開するサービスは、DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューション、クラウドサービス、受託計算、決済、プリント・メーリングサービス・BPO、システム開発、組込制御、基盤開発・運用監視、など多岐にわたっております。
当社グループは、お客さまがDX時代に必要とする最適なサービスを、安全にワンストップで提供することで、他社が安易に真似することのできない、独自の事業展開を行っております。「運用・BPOのアイネット」として、情報処理産業において確固たる地位を確立しています。
(4)経営環境、当社グループの現状の認識と当面の対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や個人所得の改善が続き、緩やかに景気回復が進んでおります。一方で、賃金の上昇や為替の影響などに起因する物価上昇、地政学リスク等の海外情勢の変化、金融市場の大きな変動等により、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が属する情報サービス業界においては、企業の人手不足や省力化への対応等を目的として、業務効率化システムの需要が継続しております。加えて、「DX」をテーマとして、システムやソフトウェアのクラウド化が進展し、AI(人工知能)の活用、IoTの普及拡大が続いていることから、システム関連投資は増加しており、市場は拡大傾向にあります。このような状況下、当社グループ一丸となり、グループ全体の業容拡大に努めております。
当面の対処すべき課題としては、エネルギーやライセンスの価格上昇、償却負担などによる原価やコスト増加への対応力強化、高い成長性を維持していくために必要となる設備投資余力の維持、及び人材の確保と育成と考えております。加えて、第3データセンター新設への取り組みが必要となってきております。
(5)経営上目標とする指標
当社グループは、持続的な企業価値向上を目指すために、事業規模の継続的拡大を通じ、本業の成果を表す「売上高」、「営業利益」、「償却前税前営業利益(EBITDA)」および「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な経営指標としております。
(中期経営計画)
2025年度より、中期経営計画「Up Stage 2027」(2026年3月期~2028年3月期)をスタートしました。
当社グループは、持続的な企業価値向上を目指し、事業規模と時価総額を拡大させるため、「売上高」、「営業利益」、「EBITDA」および「ROE」を重要な経営指標としております。
2025年5月に公表しました中期経営計画における2028年3月期の数値目標は以下となっております。
(金額単位:百万円) | 2025年3月期 実績 | 2028年3月期 目標 |
売上高 | 38,987 | 50,000 |
営業利益 | 2,640 | 3,500 |
EBITDA(償却前税前営業利益) | 4,918 | 6,500 |
ROE(自己資本当期純利益率) | 11.5% | 13.0% |
サービス別の事業戦略は以下となっております。
①情報処理サービス
データセンター・クラウドサービス | ・インフラ運用、システム運用等のマネージドサービスの提供拡大 ・ランサムウェア対策等のセキュリティサービスの提供 ・新たなクラウドプラットフォームサービスの構築 ・SaaS提供企業、代理店やパートナー企業との連携強化 |
受託計算サービス | ・顧客数の増加による市場シェア拡大(SS、LPG販売会社) ・エネルギー業界向けの業務効率化、省力化に向けたDX支援拡充 ・石油元売企業、商社向けのビジネス拡大 |
プリント・メーリング・BPOサービス | ・プリントオンデマンド(POD)サービスの拡大 ・データセンターサービスのクロスセルなど、サービスを多角化 ・業務の質・量の強化に向けた設備の増強と効率的運営 |
②システム開発サービス
・スキルが高いシステム開発人材の確保、育成 ・自社サービスの開発、販売強化、エンドユーザー取引の拡大 ・ビジネスパートナーとの連携強化、プロジェクト管理の高度化 |
(持続可能なデジタル社会の実現に向けた取り組み)
基本方針 | 主な取組み |
情報処理インフラの強化とDX推進 | ・クラウド、AI活用の強化による、顧客に対する DX支援 ・高付加価値なインフラサービス、システム開発 を提供し、社会をより豊かに |
データセンター事業の拡大・最適化 | ・省エネルギー・グリーンデータセンターを 推進(2040年にカーボンニュートラルを達成) ・データセンターの容量・能力の増強、第3 データセンターの実現 |
人材育成・組織強化 | ・次世代人材・経営幹部候補の育成 ・システム開発人材・AIプロフェッショナル、 インフラ要員等の育成、確保 ・人材の多様性と女性活躍の推進を通して、 最適化による生産性向上を実現 |
社会に必要とされる存在として | ・社会インフラを担う企業として、社会が求める 最適なサービスの提供を継続 ・社会への感謝を忘れず、社会と共生していく ため地域に還元、貢献 |
(サステナビリティへの取り組み)
(環境)
●2030年度、自社データセンターで利用する電気の50%を再生可能エネルギー由来に変更
(2025年3月末現在25%)
●2040年度、カーボンニュートラルを実現
(社会)
●グループ障がい者雇用比率3.2%(2028年3月末目標、2025年3月期平均3.0%)
●管理職に占める女性の割合18.0%(2028年3月末目標、2025年3月末現在10.4%)
●特例子会社アイネットデータサービスの拡充(人員も業務内容も拡大へ)
(ガバナンス)
●資本コストを意識した経営の実現(政策保有株式の縮減等)
●グループガバナンスの強化、経営・モニタリング機能の高度化
●次世代経営人財、コーポレート人財の育成
(健康経営に向けた取り組み)
当社は、「社員が経営における最大の財産である」という理念のもと、社員の健康づくりを経営的な視点で捉え、社員が心身ともに健康であることこそが、持続的な企業価値向上の源泉であると考えております。社員の健康増進を支援する健康経営を積極的に推進するため、代表取締役兼社長執行役員を最高健康責任者に指名し、人事部・健康支援室・健康保険組合が一体となり、様々な活動に戦略的に取り組んでおります。
なお、以前より、当社は、健康経営に関する取り組みに一定水準の評価を得ており、経済産業省と日本健康会議が共同で優良な健康経営を実践している企業を選定する「健康経営優良法人2025~ホワイト500~」に認定されております。
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