企業兼大株主ぐるなび東証プライム:2440】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は創業からつなぐ「日本の食文化を守り育てる」との想いを礎とした「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパス(存在意義)のもと、「食」が持つあらゆる可能性を模索し、「食」を通じてあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ合わせることで、世の中に対して新たな価値を提供し続け、持続可能なより良い社会の実現に貢献していく企業であり続けることを経営方針としております。

(2) 経営環境及び対処すべき課題

 当社が事業を展開する外食市場の状況について、当社主要顧客であるパブレストラン・居酒屋、ディナーレストランの売上高は、客数の増加が牽引する良好な拡大を続けており、消費者側において、昨今の物価高に起因する飲食店の値上げに対する一定の理解が進んでいると考えられます。併せて、訪日外国人観光客数の拡大が加わることで、今後一層の外食需要の活性化が期待されます。また、外食を楽しむ際の飲食店検索・予約手段については、 Google やSNSの活用等従来の飲食店専門サイトの利用に留まらない多様化の進展が見込まれます。

 他方、飲食店側においては、慢性的な人手不足や人件費の上昇、原材料価格の高騰等が経営の重荷となっており、飲食店が限られたリソースのもと、拡大基調にある外食需要を取り込み、収益を確保・拡大するには、これまで以上に、集客活動及び店舗運営の効率化に取り組む必要があります。

 こうした状況を踏まえ、外食産業の発展ひいては当社企業価値の拡大を実現するにあたり対処すべき課題は、飲食店が「外食ならでは」の体験価値を消費者に提供し続けられる環境の整備に貢献し、売上拡大・店舗運営効率化の双方に寄与するための既存サービスの変革と新たなサービスの確立であると認識しております。

 そこで当社は、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」を通じた飲食店への送客力を高める「サイト変革」、当社サイトに限らず多様な販促・集客手法を飲食店が効果的に活用出来るよう支援する「マーケティングエージェントの確立」、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」を中心とした「飲食店運営のDX支援強化」を重点施策とする中期事業方針(2024年3月期から2026年3月期)のもと、現在直面している事業環境変化への対応を進めております。さらには、食にまつわる様々な社会課題の解決に向けた将来的な業容拡張に備え、地域経済の活力向上に資するサービス展開に加え、アグリ領域での受託事業や卸事業者との連携による仕入領域でのサービス試行等にも着手しております。

 以上の活動等を通じて、中期事業方針に掲げる2025年3月期での黒字転換を果たし、当社業績は再成長への大きな転換点を迎えたところ、「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパス(存在意義)のもと、豊かな食の未来の実現に向けた積極的な事業展開を継続すると同時に、中長期にわたる株主還元の充実を図るには、利益創出力を一段と高めることが重要との考えであります。

 そこで、次期におきましては、2025年3月期に整えた仕組みの本格展開により、当社の安定収益源である飲食店支援事業の成長力を一層引き上げるべく、以下の取り組みに注力いたします。

①「楽天ぐるなび」の強化

 当社は、Webサービスの潮流に左右されない飲食店への送客力の向上を目的に、楽天グループ株式会社(以下、「楽天」といいます。)が構築する日本最大級の経済圏である楽天エコシステムにおける「楽天ぐるなび」のプレゼンス向上に取り組んでおります。その一環として、繰り返し利用するほど、大人数で集まるほど、よりお得に外食を楽しむことが出来る楽天会員向けロイヤリティプログラム「幹事ランク制度」を2024年11月に構築いたしました。足元において、年間のネット予約回数が多いユーザーほど大人数で外食する傾向を確認出来ており、本制度はユーザー動向と親和性の高い、大きなシナジーが期待される仕組みであると考えております。

 また、「楽天ぐるなび」の予約コンバージョンレート(ユーザーが最終的にネット予約に至った割合)は、コロナ禍前を大きく上回り高まっており、サイトコンディションは良好な状態であることを踏まえ、当社サイトへのユーザー流入数を拡大すると同時に、「幹事ランク制度」によるリピート予約促進及び大人数での外食喚起を図ることで、持続的なネット予約数の拡大につなげてまいります。

 具体的には、楽天ID連携会員の楽天サービス利用状況等を検証しつつ、外食との親和性の高いサービスを選定の上、楽天との協業を強化してまいります。さらに、接待、会食からファミリー利用まで幅広いニーズを捉えるべく、楽天との協業に留まらず優良な会員基盤を持つ外部メディア・サービスとの連携についても、検討・実施してまいります。

「幹事ランク制度」の本格稼働を軸とした「楽天ぐるなび」の強化を通じ、エンゲージメントの高いユーザーを拡大するだけでなく、“幹事に選ばれる・大人数の獲得に強いサイト”という個性を改めて明確化し、加盟飲食店数の拡大、ひいては宴会文化の振興につなげてまいります。

②「マーケティングエージェント」の本格化

 飲食店の販促・集客手法が多様化、複雑化する中において、飲食店が取り組むWeb集客活動を一括支援するエージェント機能の確立に取り組んでおります。当該領域におけるサービスの一つである Google ビジネスプロフィール運用支援サービスの利用店舗数は、飲食店のニーズを捉え順調に拡大していることから、マーケティングエージェントは当社が創業以来培った「人的サポート体制」を大いに活かすことが出来る成長可能性の高い事業であるとの認識を深めております。

 今後につきましては、担当営業と代行プランナーによるきめ細やかなサポート、「楽天ぐるなび」の運営で培った情報発信ノウハウ等を強みに、マーケティング人材が十分でない中小規模飲食店を主な支援対象に展開してまいります。推進にあたっては、SNS運用対策やインバウンド対策等取り扱いサービスの拡充、AI活用等によるエージェント活動のリーン化・高度化に取り組むほか、「マーケティングエージェント」をフックとした新規加盟の拡大に向けて、効果的・効率的な提案手法についても試行してまいります。

 慢性的な人手不足が飲食店経営の重荷となる中、「マーケティングエージェント」の拡大を通じて、飲食店の売上拡大に寄与するだけでなく、複数にわたるサービスの運用に伴い増大する飲食店の業務負荷を軽減し、調理や接客といった「外食ならでは」の体験価値づくりに集中出来るよう支援する等、外食産業の労働環境の改善にも貢献してまいります。

③「商品造成力」の向上

 飲食店・消費者双方のニーズに即した有用な新商品を的確に企画、開発、提供するには、「創って、作って、売る。」サイクルをこれまで以上に迅速に回すことが重要なことから、2024年4月に再編した新体制のもと、商品戦略・販売戦略の融合やプロダクト開発業務の効率化等による「商品造成力」の向上に努めております。

 営業スタッフをはじめとする「人的サポート体制」が、飲食店経営者との直接対話を通じて逸早く察知・収集する飲食店の課題や消費者ニーズの変化等に関する情報は、当社独自の資産であると捉えております。これを「商品造成力」の源泉とし、営業・企画・開発が一体となって素早く試し、商品化することで、上記①②の取り組みの推進力及び実効性を高め、飲食店支援事業の成長力引き上げを後押ししてまいります。

 なお、中期事業方針における重点施策の一つである「ぐるなびFineOrder」については、これまでの投資により改良を重ねた機能をベースに、既存契約企業(2025年3月末時点129社)が保有するグループ店への横展開に加え、ホテルや社員食堂等の新たな領域への提案を推し進めることで、中長期的な飲食店DX支援強化の土台となる顧客基盤を構築してまいります。

 当社は上述の取り組みを通じ、「楽天ぐるなび」を介し消費者と飲食店をつなぐ力(送客力)をベースに、豊富な商品群の中から、営業スタッフがサポート力を発揮し個々のお店の課題に合わせ適切に提供することで、当社収益を増幅させる独自のビジネスモデルを磨き上げてまいります。加えて、「楽天ぐるなび」の運営に留まらない飲食店向けサービスポートフォリオを構築することで、中核事業である飲食店支援事業をより強固な収益源へと進化させ、将来に向けた積極的な事業展開の継続と中長期にわたる株主還元の充実につなげてまいります。その実現にあたっては、楽天をはじめとするパートナー企業との連携をより一層強化・推進すると同時に、当社独自の「外食に関する情報資産」の徹底活用に取り組んでまいります。

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