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【東証グロース:3979】「情報・通信業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の方針
当社グループは、「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」をビジョンとして掲げております。
日本では2040年までに約1,600万人、約69兆円の労働力が失われるとされ、日々、「労働力不足」という大きな社会問題が深刻化しています。当社はビジョン実現のために、「IT・AIと人のチカラ」双方を深く理解した独自のユニークなビジネスモデルと事業構築ノウハウを強みに、企業の生産性向上へ貢献し、深刻な社会問題の解決に向き合ってまいります。
(2) 経営環境
平成30年版「情報通信白書」によると、日本の生産年齢人口は2017年から2040年にかけて約1,600万人減少することが推計されており、労働力不足による経済規模の縮小、国際競争力の低下といった社会的・経済的な課題が深刻化することが危惧されております。そのような状況の中、当社グループはこれまで様々な領域において労働力の代替ソリューションとなる事業をSaaSを中心に複数展開してまいりました。
今後も、「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というコーポレートビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指し、上記社会課題の解決に一層向き合ってまいります。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2024年版」によると、国内SaaS市場規模は、2024年度において20,218億円となっており、2028年度には29,078億円に達すると予測されております。
また、CGS事業の中でも主力サービスである官公庁等の入札情報を提供する入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」を巡る環境として、国内入札市場における年間契約額は、2021年度において26.0兆円と、毎年安定的に年間20兆円超の発注がなされる市場規模が維持(中小企業庁「官公需契約の手引」より)されております。NJSSのTAM(Total Addressable Market)については、NJSSのメインターゲットとなる落札実績のある企業数が約40万社(NJSSのデータベースより)であることに加え、今後は入札資格未保有の企業もターゲットとなると想定されるのに対し、2025年3月末時点の「NJSS」と「nSearch」を合算した有料契約件数はTAMである落札実績のある企業数約40万社の約2%でありポテンシャルは充分だと考えられます。また、入札参加資格未保有の企業へのアプローチも順調であり、TAMは今後拡大する見込みです。
競合企業の状況や当社の優位性については、現在、国内でクラウドソーシング・サービスを展開する競合企業は複数存在しますが、当社グループは、クラウドソーシング・サービスのみならず、そのワーカーをリソースとするCGS事業、そして企業のアウトソーシング・ニーズの受け皿となるBPO事業を展開しており、それらの相互のシナジーによって優位性を築いていると考えております。優位性をさらに強固なものにするためにも当社では、新たなCGS事業を継続的に生み出し続けていきたいと考えております。
(3) 中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは前中期経営計画後の新たな経営方針として2023年11月14日に人的資本投資を中心とした規律のある成長投資やM&Aなどによって売上高・利益成長と株主還元の両立を目指す「ULURU Sustainable Growth」を掲げました。2026年3月期においては当該方針のもと、中長期的な売上高・EBITDAのCAGR20%成長に向け、将来の収益力をより一層高めるため、引き続き積極的な成長投資を実施する予定です。そのうえで、売上高は15%成長となる7,710百万円を目指し、EBITDAは期中での投資を機動的に判断・実施するため1,050百万円から1,200百万円の範囲内での着地を図る計画です。2027年3月期以降は、引き続き人的資本を中心とした成長投資を規律を持って行うことで、売上高およびEBITDAいずれも中長期でCAGR20%以上の継続的な成長を目指してまいります。当該方針の実現のためには、既存事業のオーガニック成長に加え、蓄積したアセットを活用した周辺領域での展開、新規事業の創出、M&Aにより更なる成長を目指す必要があり、具体的には以下の課題に対処していかなければならないと考えております。
① NJSSを核とした入札マーケットの拡大
既存事業のオーガニック成長に加え周辺領域での成長を図るに当たり、NJSSを核とした入札マーケットの拡大へ対処していかなければならないと考えております。
主力SaaSであるNJSSを核とし、入札情報検索サービス「nSearch(エヌ・サーチ)」とのシナジー創出を図りつつ、公共機関の事業(予算)情報や公開・統計情報、入札データからみる自治体の傾向・特徴、アプローチに必要な組織情報を一括検索・管理できる情報支援ツール「GoSTEP」や、2023年11月に開始した、NJSSで蓄積された入札関連ノウハウと、うるるBPOが保有する案件履行にかかるノウハウを掛け合わせたBPaaS「入札BPO」などをはじめとする周辺サービスの展開、データベースの横展開等を通じて入札マーケットにおけるシェアを獲得し、拡大を図る次第です。
② えんフォト、fondesk、BPOの更なる成長
CGS事業のSaaSであるえんフォト及びfondeskと、BPO事業においては各サービスのフェーズ・環境に即した施策を実施することで更に成長させる必要があると考えております。えんフォトにおいては、社会的にフォトグラファー不足である状況を踏まえ、OurPhotoとの連携でフォトグラファーリソースを確保することに因る競争優位性の確立を図ってまいります。fondeskにおいては、未だ市場開拓余地があるため、マス広告施策の継続やプロダクトのマーケット開拓・継続開発を行うことで市場認知拡大や、新規サービスである「fondesk IVR」の成長加速を図る次第です。BPO事業においては、社会的なDX化ニーズの高まりやSaaSプロダクトの増加を捉え、DX化を促進するスキャン領域の案件数の拡大に加え、人力とテクノロジーを最適に組み合わせた業務構築力と、自社グループのSaaS事業運営ノウハウを活用して展開するBPaaS案件数の更なる拡大を図ってまいります。
③ M&A・新規事業創出
成長を蓋然性高く加速させるため、M&Aと新規事業創出を積極的に行っていく必要があると考えております。既存事業領域、既存事業の周辺領域、市場確立済みの新領域、市場未確立の新領域と、ターゲット領域をセグメンテーションし、領域ごとに投資優先度をつけるなどして、戦略的に実施してまいる次第です。とりわけ、新領域においては、47万人以上のワーカーとの接点やワーカーのディレクションノウハウといった、当社の独自資産を活かせる領域での展開を図ってまいります。
この先、労働力不足が懸念される社会において「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というビジョンのもと、「労働力不足解決のリーディングカンパニー」を目指して社会課題の解決に一層向き合いつつ、既存サービスの成長及び新規サービスの創出を図り、売上高・利益成長と株主還元の両立を目指してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、中長期的な成長に資するM&A等を積極的に検討するという観点から、EBITDAを経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標として位置付けております。
《2025年3月期 実績及び2026年3月期 連結業績予想値》
| 2025年3月期 (実績) | 2026年3月期 (業績予想) |
売上高 | 6,701百万円 | 7,710百万円 |
EBITDA | 1,002百万円 | 1,050~1,200百万円 |
なお、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
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