あんしん保証
【東証スタンダード:7183】「その他金融業」
へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「人として社会に感謝し、地域社会の発展に挑む」という企業理念を掲げ、賃貸借契約における家賃債務の人的保証すなわち連帯保証人制度を法人として引き受ける機関保証会社として、家賃債務の保証事業を展開しております。
(2)目標とする経営指標
当社は家賃保証事業を継続し拡大していくことが「機関保証の普及の実現」ならびに企業価値の向上につながると捉えており、目標とする経営指標を保証債務残高及び保証債務件数として、経営指標の向上に努めております。
(3)経営環境
令和6年度の新設住宅着工戸数は、前年度比2.0%の増加となり、3年ぶりに増加へと転じました。特に貸家着工件数は前年度比4.8%増と、前年度の減少傾向から回復を示し、再び増加基調に入っております(※1)。
住宅市場は、その性質上、急激な拡大や縮小が生じにくく、主に人口動態や社会構造の変化といった需要側の要因に影響を受けやすい特徴を有しています。近年では、核家族化の進行、未婚率の上昇、少子高齢化などを背景に、家賃債務保証に対する社会的認知と理解が着実に進展しており、新規賃貸借契約における機関保証(家賃債務保証会社のサービス)への加入は、現在ではおおむね9割を超える水準に達しています(※2)。
さらに、2020年4月に施行された改正民法(債権法改正)により、個人保証契約における極度額の明示義務化や、原状回復義務の明文化などが導入され、賃貸契約におけるリスク管理のあり方が大きく見直されました。これにより、個人保証制度に依存しない機関保証のニーズは一段と高まりを見せております。
また、近年では、公営住宅においても、連帯保証人の確保が困難な入居希望者への対応策として、機関保証制度の導入を検討あるいは実施する自治体が増加しています。これにより、家賃債務保証サービスの対象範囲は、従来の民間賃貸住宅市場にとどまらず、公的住宅分野にも広がりを見せている状況です。
※1 国土交通省総合政策局建設経済統計調査室発表:建築着工統計調査報告 令和6年度計より
※2 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 市場データ(日管協短観)より
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社はこれまで家主が物件の管理を企業へ委託する、所謂管理物件を主たる市場としておりましたが、家主自身で物件を管理する一般物件市場の開拓を推進しております。当社は、より付加価値の高い保証スキームとしてクレジットカードポイントを付与できる信販会社との提携商品、家主への滞納が発生しない事前立替による保証、指定信用情報機関CICを用いた一定の承認率を保持しつつもデフォルトリスクを抑える与信精度などを競争上の強みとし、市場開拓を進めております。また、新たなクレジットカード会社との提携商品の販売や指定信用情報機関JICCを用いた滞納報告型商品の販売強化に加え、家賃債務の保証事業を基幹ビジネスとしながら、これらのノウハウや優位性を活かし未だ機関保証が進出していない分野へ進出することで、事業の多様性と収益の分散化を図ることを中長期的な戦略としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は連帯保証人制度に代わる機関保証の普及を実現するというミッションを推進していくために、以下の施策を対処すべき課題として取り組んでまいります。
① 営業について
既存のクレジットカード会社提携商品の販売強化に注力するとともに、利益率水準の維持、加盟店の新規開拓、既存取引先の利用促進を行い、収益拡大を図ってまいります。また、新たなクレジットカード提携商品の販売強化に向けて営業人員を増強し、営業展開を図ってまいります。
② 債権管理について
求償債権比率の抑制を図るため、現状の回収方法・手法の見直し、弁護士をはじめとする外部委託業者の活用や回収業務支援システムの有効活用等により、回収体制の強化に努めてまいります。
③ DX推進について
家賃債務保証サービスの申込・契約の電子化対応機能の拡充、利用促進に努め、不動産管理業界や社内の業務オペレーション効率化、コスト削減を図ってまいります。
④ 人材の確保と育成について
人材の確保に向けて既存の採用手法の見直しを実施し、従業員の定着率向上を実現するべく、中長期の視点で人材育成を図り、就業環境・公正な人事評価の整備、体制強化に努めてまいります。
⑤ 内部統制について
社会から信用・信頼され持続可能な企業活動を実現するべく、社内規程の再整備、更なるガバナンス強化に向けた内部監査手法の再構築やリスクマネジメントの強化を図ってまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング