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星3つ 企業日本通運  企業概要

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。

 (1)長期ビジョン


2009年に作成した10年の長期ビジョンと同長期ビジョンと連動した最後の3年間の経営計画「日通グループ経営計画2018-新・世界日通。-」の終わりを迎えるにあたり、将来の当社グループのありたい姿として、2037年に迎える創立100周年に向けた新たな長期ビジョンを掲げました。

 当社は、グループ企業理念を拠り所に、安全・コンプライアンス・品質に対するこだわりを基本とした「現場力」、企業メッセージ「We Find the Way」に表現される「お客様第一の姿勢」といった変わらぬ価値観を土台として、今日まで成長してまいりました。それはこれからも同様であり、今後もグループで共有し、諸施策を踏まえグローバルに展開してまいります。

 一方で、これから当社がますますスピード感をもって世界の市場で成長していくためには、変えるべき価値観として、これまでの日本・日本通運単体中心の価値観を、グローバル基準にシフトしていく必要があります。日本通運グループが長期ビジョン実現に向けて取り組む様々な施策に対して社員一人ひとりが挑戦し、それを繰り返す中で、社員一人ひとりの意識・行動も変化し、自律的・挑戦的な価値観・企業風土に変革していけるものと考え取り組んでおります。そのような変革を通じて、日本通運グループが「イノベーションによる新たな価値創造」、つまり物流を通してイノベーションを起こし、お客様や社会に対して新たな価値を届けてまいります。

 そして、その先に実現を目指す「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という姿を、グループ全体で共有し、進んでまいります。


 成長イメージは、上図のとおりとなります。

 グローバル市場での存在感を示すにあたり、現在、20%程度にとどまる海外売上高比率の大幅な増加を目指し、創立100周年の頃には、海外売上高比率は50%を超えることを描いております。また、単に売上高の拡大だけではなく、同時に収益性等についても、それぞれ目標とする指標を早期に達成してまいります。

2019年4月1日より開始した、長期ビジョン達成に向けた第一歩である経営計画「日通グループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」で取り組む諸施策には、一時的に大きなコストを要するものもありますが、それを消化したうえで、まずは5年間でROE10%を達成するとともに、10年以内に営業利益率5%を達成してまいります。

 なお、未進出エリアや非日系顧客など、新たに踏み込んでいく市場には、最初から高い収益性を実現できない場合でも、中長期的な目線で戦略的に取り組んでいくことから、営業利益率5%の達成につきましては、成長イメージの10年目の時点に示しておりますが、達成に10年をかけるという意味ではなく、エリアや個々の業務における収益性改善には、従来以上の取組みで成果を挙げ、できる限り早期に実現してまいります。

 (2)日通グループ経営計画2023 ~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~

A.経営計画の取組み


 当社グループは、5年間の経営計画「日通グループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」を策定し、2019年4月1日から、グループ一丸となって取り組んでおります。

 本経営計画につきましては、2037年に迎える創立100周年に向け、新たな長期ビジョンとして定めた当社グループの将来のありたい姿「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現のため、これまでの取組みを継続・加速させる施策と、長期ビジョンの実現に向けて持続的に成長するために必要な施策をバックキャストで考え、これらの組み合わせによって策定いたしました。

 ■基本的な考え方

 「イノベーション(革新)」

・当社グループが挑戦するイノベーションは、長期ビジョンの実現に向けて、企業のあり方・考え方を根本から革新することである。

・イノベーションにより新たな価値を創造し、世界のお客様に選ばれ、グローバルな物流市場で存在感を持つ企業グループへ成長する。

 「事業の成長戦略」

・顧客(産業)軸、事業軸、エリア軸の3軸アプローチを強力に推進し、強みである「日本」で培った顧客基盤・事業をグローバルに成長させる。

・日本国内においては、成長戦略に取り組むとともに収益性を改善し、強靭な経営基盤を構築する。

  「長期ビジョン実現のための取組み」

・M&Aを活用し、グローバル市場で存在感を持つメガフォワーダーへ非連続な成長を遂げる。

・グローバルな企業グループとして、IT、R&D、人材、ブランド戦略やガバナンス改革など、経営基盤のイノベーションに取り組む。

・社会的課題解決に取り組み、持続可能な社会に貢献する。

・ワークスタイルの変革により、多様な人材が活躍し、社員が幸せを感じる企業となる。

 本経営計画は、長期ビジョンや当社グループが目指す姿へ歩み出すための第一歩となります。本経営計画のキーワードとして「イノベーション(革新)」がありますが、当社グループの目指すイノベーションとは、長期ビジョンの実現に向けた企業のあり方・考え方の革新と位置付けております。例えば、仕事の在り方を根本的に変革することで、社員が自律的に持つ力を最大限に発揮し、価値を創造し続ける企業を目指します。

 副題の「~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」は、これまでの延長線上の成長から格段に加速する成長、また様々な改革に取り組み、これまでと異なる企業像で、成長を遂げていくイメージを表現しており、変革への経営トップの強い決意をこの副題に込めております。

 また、様々な変革を完遂するために5年間の計画期間にいたしました。困難な道でもありますが、「We Find the Way」、つまりあきらめず、愚直に解決を見出していくその姿勢が重要となります。当社グループが世界の多くの皆様から認められる、物流で世界を支える企業グループになるために、社会、お客様、株主、投資家、社員の皆様と、ともに歩み、ともに新たな価値を創造してまいります。

 ■重点戦略

  「事業の成長戦略」

・「コア事業の成長戦略」として、当社の強みである、生産・販売サプライチェーンを支える事業をコア事業として位置付け、顧客(産業)軸、事業軸、エリア軸の3つの軸によるアプローチを強力に推進し、日本を含む世界全体で収益性の向上に取り組んでまいります。

 [主なKPI]・重点産業の売上高(重点産業:「電機・電子産業」「自動車産業」「アパレル産業」

                      「医薬品産業」「半導体産業」)

             ・海上フォワーディング数量(TEU)、航空フォワーディング数量(トン)

             ・非日系顧客の売上高

・「日本事業の強靭化戦略」として、経営の核となる日本事業の経営体質をより強靭なものにするため、日本の各事業における収益性の向上に徹底的にこだわり、「専門事業の収益性向上」、「営業・事務生産性の向上」、「低収益事業の抜本的改革」に取り組んでまいります。

 [主なKPI]・間接部門人員の再配置数(営業等の戦力の創出)

・事務プロセス改革による超勤時間削減による効果額および人材派遣費削減額

・料金改定効果額

 「長期ビジョン実現のための取組み」

・「非連続な成長戦略」として、M&A戦略を明確化し、グローバル経営基盤の強化・拡充に向け取り組んでまいります。

・「取組みを支える機能強化」として、IT戦略、R&D、人材戦略、広報戦略のイノベーションを通じて、経営基盤の強化に取り組んでまいります。

・「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営」として、「E:環境」は「物流企業としてCO2排出量削減にこだわる」をテーマに、「S:社会」は「社員が幸せを感じる企業に変革する」をテーマに、「G:ガバナンス」は「持続的な企業価値向上を支える仕組みを構築する」をテーマに各種施策に取り組んでまいります。

 [主なKPI]・自社排出CO2の削減量 

             ・女性社員の勤続率

             ・年次有給休暇取得率

 B. 経営計画における経営数値目標および進捗状況について

①経営数値目標

 経営計画の経営数値目標については、経営計画3年目である2021年度の中間目標、および最終年度である2023年度の最終目標を設定しております。それぞれに対する2020年度実績の進捗状況は以下のとおりとなります。

                              (単位:億円、%)


 ※「海外売上高」は連結調整前数値となります。

 セグメント別実績                        (単位:億円、%)


※ 連結調整前数値、億円未満切り捨てとなります。

 なお、当社は決算期変更に伴い、2021年度は2021年4月から2021年12月までの9カ月となりますが、2021年1月~2021年12月の12カ月換算実績を作成いたします。経営計画の中間目標や前年比較については、当該実績にて比較、評価を行う予定です。

 また、経営環境の変化や中間目標に対する経営計画の進捗状況を踏まえ、最終年度目標および経営計画の各種施策について見直しを予定しております。

②経営計画各種戦略の実施状況および経営成績についての評価

 経営計画達成に向けた2021年度の重点戦略の取組み、およびKPIの進捗状況、それらについての分析と評価については、「3 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績」をご覧ください。

③資本政策

・ROE     10%

・配当性向   30%以上

・総還元性向  50%以上(2019年度~2023年度累計)

・自己資本比率 35%程度

(参考)各種実績の推移


C. 対処すべき課題

 今後の経済動向につきましては、各国の政府による経済政策や、ワクチンの普及による新型コロナウイルス感染症が収束に向かう期待もあり、海外経済、日本国内経済共に、個人消費や企業の生産・販売活動及び設備投資も回復に向かうと予測されますが、引き続き、不透明な状況が続くと予測されます。

 また物流業界におきましては、生産年齢人口減少に伴う労働力不足、IoT、AIをはじめとする先端技術の活用、デジタルトランスフォーメーションにより変化する世界への対応、加えて、気候変動への対応や人権の尊重や働き方改革などサステナビリティを巡る課題への挑戦など、業界全体で取り組むべき多くの課題に直面しております。

日通グループは、このような経営環境のもと、「日通グループ経営計画2023-非連続な成長“Dynamic Growth"」の達成に向けて、引き続きグループ一丸となり取り組んでまいります。

「事業の成長戦略」

「コア事業の成長戦略」においては、「顧客(産業)軸」における重点5産業への取組みを加速させるとともに、医薬品物流などを中心にデジタルプラットフォームの構築に取組みます。「事業軸」においては、航空チャーター輸送の継続的な実施、及び海運事業基盤やロジスティクス事業の強化を通じて、お客様のグローバルサプライチェーンへの貢献領域の拡大に努めてまいります。「エリア軸」においては、重点産業の強化を中心とした投資を拡大するとともに、インドやアフリカ等の新興エリアでの事業拡大にも取組んでまいります。

「長期ビジョン実現のための取組み」

 「取組みを支える機能の強化」においては、「R&D」「IT」戦略における物流先端技術の実用化やAI、OCRやRPA等の活用を拡大し、労働力不足の解消、安全で安心な作業の強化を通じて競争優位性を確保するとともに、営業事務生産性の向上や働き方改革の達成につなげるべく積極的に取組んでまいります。「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営の確立」においては、CO2排出量の削減にこだわり、再生可能エネルギーの利用促進に加え、鉄道等を利用した複合商品サービスの開発を通じてお客様のモーダルシフトに貢献するとともに、社員が幸せを感じる企業への変革を目指し、ダイバーシティ経営を推進するとともに、グループ統合拠点の開設や持株会社体制への移行を通じてグループ経営の強化に取組んでまいります。

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