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星1つ 企業兼大株主博報堂DYホールディングス  企業概要

(1)サステナビリティ戦略

 当社グループは、サステナブルな経営環境の整備を重要なテーマのひとつとして位置付けており、中期経営計画における第四の柱として「サステナブルな経営基盤の強化」を掲げ、サステナビリティゴール「生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現」を目指しています。

① ガバナンス

 当社グループでは、社会の大きな変化に対する迅速な対応を強化するとともに、事業機会の拡大を目指し、ESGガバナンスを構築しています。具体的には、2022年4月よりサステナビリティ委員会を設置し、グループESG全体の業務の執行を行っております。サステナビリティ委員会は、当社代表取締役社長を委員長、取締役を構成員として、環境及び人権、DE&I、サプライチェーンなどのサステナビリティに関する基本方針、テーマ及び施策案の検討・策定を行います。また、当該委員会より取締役会に対して活動状況を報告するとともに、サステナビリティに関連した重要なテーマに関しては取締役会での決議を図っております。

② 戦略

 当社グループではサステナビリティゴールの実現に向けて社会と当社グループが持続的に成長を遂げるための重要課題として、顧客やパートナーに対する「提供価値」及び「経営基盤」の観点から、以下の3つのマテリアリティを設置しました。

ⅰ. マーケティングの進化とイノベーションの創出による新しい価値の創造

ⅱ. 高度なクリエイティビティを発揮できる人材マネジメント(投資・育成・環境整備)

ⅲ. 生活者や社会との共生を目指すコーポレートガバナンスの強化

 上記マテリアリティに取り組むことで、「未来をつくるクリエイティビティの向上」を目指してまいります。また、現代の深刻な社会課題に対応し、生活者にとって価値ある市場を創出することで、サステナビリティゴール「生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現」を目指してまいります。

③ リスク管理

 当社グループでは、リスク低減と事業機会創出を目的として、リスク管理及び機会管理を強化しています。具体的には、サステナビリティ委員会にて、環境や人権に関するリスクを経営レベルで監督及び、進捗管理や見直しを行っております。必要に応じてグループコンプライアンス委員会へ上申するなどの適切なリスク管理体制を構築しています。

④ 指標と目標

 当社グループでは、以下の3つのマテリアリティに対し指標及び目標数値を設定しております。サステナビリティ委員会によって各指標の進捗状況がモニタリングされ、結果にもとづき取り組みに反映しております。なお、2023年3月期実績に関しては、2023年度統合報告書にて開示予定としております。

 

マテリアリティ

モニタリング指標

目標数値

2022年3月期実績

データ集計対象社

提供価値

ⅰマーケティングの進化とイノベーション創出による新しい価値の創造

マーケティング実績領域の売上総利益伸長率

年率+10%以上

(注1)

前期比+24.3%

当社グループ

インターネット領域売上高伸長率

年率+15%以上

(注1)

前期比+18.9%

当社グループ

海外売上総利益伸長率

年率+15%以上

(注1)

前期比+24.3%

当社グループ

経営基盤

ⅱ高度なクリエイティビティを発揮できる人材マネジメント(投資・育成・環境整備)

人財獲得・育成のための投資額

(注3)

23.2億円

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱アイレップ、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱

能力開発のための延べ面談時間

(注3)

15,983時間

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱アイレップ、㈱博報堂DYメディアパートナーズ

健康診断受診率

(注3)

99.8%

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱アイレップ、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱

健康維持・改善率

(注3)

76.4%

㈱博報堂、㈱博報堂DYメディアパートナーズ

女性管理職比率

2030年度:30%

9.6%

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱アイレップ、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱

育児休暇からの復職率

(注3)

95.7%

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱アイレップ、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱

ⅲ生活者や社会との共生を目指すコーポレートガバナンスの強化

CO2排出量スコープ1+2
(注2)

2030年度:50%削減

2050年度:ニュートラル

14.3%減

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、㈱博報堂プロダクツ

CO2排出量スコープ3(注2)

2030年度:30%削減

36.2%減

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、㈱博報堂プロダクツ

再エネ導入目標

2030年度:60%

2050年度:100%

0%

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、㈱博報堂プロダクツ

省エネルギー目標

30%削減

13.4%減

㈱博報堂、㈱大広、㈱読広、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、㈱博報堂プロダクツ

廃棄物削減目標

平均50%以上の

削減維持

36.0%減

㈱博報堂東京本社

リサイクル率

平均85%以上

84.6%

㈱博報堂東京本社

(注)1 2021年3月期を基準とした2024年3月期までの年平均成長率

      2 気候変動対応項目の目標数値はいずれも2019年度より算定

      3 実績管理

(2)個別テーマの取り組み

1.気候変動への対応
<TCFDへの対応について>

 当社グループでは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同しています。気候変動が及ぼす重要リスク・機会の洗い出しと、定量的な財務面の評価を2022年度より開始し、気候変動への積極的な対応は、将来の財務効果を生み出す可能性があることが確認できました。

① ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、ESG戦略のガバナンスに組み込まれています。

 毎年サステナビリティ委員会において経営レベルで監督及び、進捗管理や見直しを行っており、必要に応じてグループコンプライアンス委員会へ上申する、適切なリスク管理体制を構築しています。 詳細は「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ戦略 ①ガバナンス」に記載しております。

② 戦略

 気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、世界全体が気温上昇を1.5℃に抑えることを目指していることに貢献することが重要であると認識しています。当社グループでは、シナリオ分析の範囲として、当社グループの主要事業地域である日本国内を中心に、研究開発・調達・生産・サービス供給までのバリューチェーン全体について、平均気温の増加幅別に2つのシナリオを想定し、2030年以降の長期想定で考察しました。

ⅰ. 1.5℃シナリオ:今世紀末の地球の平均気温が産業革命前と比較して1.5℃上昇以内に抑えられるシナリオ(一部2℃シナリオも併用)

ⅱ. 4℃シナリオ:今世紀末の地球の平均気温が産業革命前と比較して4℃前後上昇するシナリオ

③ リスク管理
[気候変動のリスクと当社における対応移行リスク]

1.5℃シナリオでは、炭素税導入や電力等のエネルギー価格上昇に伴うコスト増のリスクがある一方、一般消費者の嗜好変化による低炭素排出製品・サービスを取り扱う顧客からの売り上げ増や、脱炭素に貢献するサービスの提供により、当社の企業価値向上の機会があることを確認しています。一方で、このことは、脱炭素への取り組みが遅れることが事業リスクにもなり得ることも意味しています。

1.5℃シナリオ

種類

項目

時間軸

インパクト

対応策

移行リスク

政策・規制

・化石燃料由来のエネルギー使用に伴うGHG排出への炭素税の導入による事業運営費用の増加

短期~長期

・PPAや再エネ電力メニュー、証書等による再エネ電力の調達

・LED等の省エネ機器の導入

・従業員への啓発活動を通じた再エネ・省エネの推進

・再エネ電力需要の高まりによる購入電力単価の上昇

中期~長期

・賃貸オフィスのZEB化による地代家賃の上昇

中期~長期

市場

・脱炭素に向けた政策・規制の影響により、GHG排出量が多い業種に関連した企業からの広告収入が減少

中期~長期

・自社のスコープ1,2だけでなく、サプライヤーとの連動でのスコープ3削減

評判

・脱炭素に向けた取り組みが不十分と顧客に評価された場合、新たな事業機会の喪失や他社への流出が発生

中期~長期

・TCFDやCOP等を通じた情報開示

・SBT等のイニチアチブ参加の検討

・脱炭素に向けた取り組みが不十分と投資家に評価された場合、株価下落

中期~長期

移行機会

市場

・脱炭素や環境配慮製品・サービスを製造・販売する顧客企業からの広告収入が増加

中期~長期

 

 

・自社のスコープ1,2だけでなく、サプライヤーとの協働でのスコープ3削減

・当社「SDGsコーポレート価値創造プログラム」等、今後顧客の気候関連問題への意識の高まりに合わせたサービス提供や消費者との環境コミュニケーションを重視する企業や官公庁から普及啓発事業の依頼が増加

中期~長期

・SDGsやエシカル消費に関わる啓発活動の推進

・「ESGトランスフォーメーション」サービス等の事業を通じた気候変動対応への貢献

評判

・脱炭素に向けた取り組みが積極的だと顧客に評価された場合、新たな事業機会の創出や他社からの流入が発生

中期~長期

・TCFDやCOP等を通じた情報開示

・SBT等のイニチアチブ参加の検討

・脱炭素に向けた取り組みが積極的だと投資家に評価された場合、株価上昇

中期~長期

4℃シナリオでは、台風・洪水等の激甚的な風水害増加が、当社の事業を支えるオフィスビルの操業停止などのリスクになり得ますが、テレワークの推進等の非常時でも滞りなく事業が継続できるように対応策を進めています。

4℃シナリオ

種類

項目

時間軸

インパクト

対応策

物理リスク

異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮等)

・洪水や高潮等の被害による資産や営業停止による損害増加

短期~中期

・テレワークや調達リスクを分散化する等の自社のBCP対策を推進

・激甚災害の頻度増加によるBCPニーズの高まりに対応するITソリューション需要の増加

短期~中期

・テレワークツール等の提供によるクライアントのBCP推進

 これらの分析・対応策の検討は、環境マネジメント分科会より報告を受けたサステナビリティ委員会委員長、および環境管理責任者にて、承認・実施されたものです。今後も継続的にシナリオ分析を実施することで質と量の充実を図り、経営戦略への統合をさらに推し進め、不確実な将来に対応できるレジリエンス(強靭さ)を高めていきます。

④指標と目標

 当社グループでは、2050年度のカーボンニュートラルを達成するために、中間目標として、2030年度のスコープ1+2の排出量を2019年度(2020年3月期)比で50%削減、2030年度のスコープ3の排出量を2019年度(2020年3月期)比で30%削減を設定いたしました。また、その実現のために、従来の省エネルギー削減活動だけでなく、再生可能エネルギー由来電力の比率を2030年度時点で全体の60%、50年時点で100%の導入を目指します。

 今後、TCFD提言に則って、情報開示の質と量の充実を進めて参りますが、算定範囲及び目標設定範囲の拡大や各種イニシアティブ参加についても検討をしていきます。再生可能エネルギー導入、省エネルギー(ペーパレス)、廃棄物削減、リサイクルの主要4分野に関しましても目標設定および対応策の策定を進めてまいります。第三者保証として2021年度のCO2排出量スコープ1、2、3の一部に関しては、ウェブサイトで開示している「CO2排出量 算定報告書」において、デロイト トーマツ サステナビリティ㈱より独立した第三者保証を受けています。なお、2023年3月期実績に関しては、2023年度統合報告書にて開示予定としております。

<目標と実績>

項目

目標

基準年

2019年度

2020年度実績

2021年度実績

達成状況

CO2排出量

スコープ1+2

(注1)

2030年度50%削減(2019年度比)

2050年度ニュートラル

22,540トン

18,868トン

19,657トン

12.8%減

CO2排出量

スコープ3

(注2)

2030年度30%削減(2019年度比)

30,063トン

14,046トン

19,166トン

36.2%減

再エネ導入目標

(注1)

2030年度60%、2050年度100%

0%

0%

0%

2022年度から

一部導入開始

(注4)

省エネルギー目標

(注1)

30%削減(2019年度比)

13,107Kl

11,385Kl

11,886Kl

9.3%減

廃棄物削減目標

(注3)

平均50%以上削減を維持(2019年度比)

486トン

262トン

311トン

36.0%減

リサイクル率

(注3)

リサイクル率85%以上

82.2%

84.8%

84.6%

84.6%

(注)1 博報堂DYグループ国内全拠点合算
      2 博報堂、大広、読売広告社、博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂プロダクツの合算

   3 博報堂東京本社分

   4 2022年度には読売広告社本社ビル、2023年度は博報堂およびグループ数社が入居する赤坂Bizタワーで導入開始。

     比率は、2023年度中を目標に計測予定。

2.人権への対応
<人権方針への対応について>

 当社グループは、最大の資産であるクリエイティビティを発揮する人財を通じて、サステナビリティゴールである「生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現」を目指しています。人権の尊重はグループの存立基盤であり、倫理的かつ持続可能なビジネスの根幹をなすものとして推進しています。私たちは、人権を尊重する責任をよりいっそう果たすべく、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」が掲げる保護・尊重・救済のフレームワークに依拠し、取締役会の承認を経て、グループの人権方針を制定しました。本方針は、当社グループで働く全役職員等(役員、正社員、契約社員、派遣社員のすべて)を適用の対象としています。

① ガバナンス

 当社の取締役会は、本方針で規定する人権尊重の活動全般を持続的に監督する責務を持ちます。とりわけ顕著な人権課題への取り組みに関するモニタリング機能を果たしながら、人権侵害への直接的または間接的な関与を回避するため、合理的措置を講じます。サステナビリティ管轄部門である「サステナビリティ推進室」は、サステナビリティ担当取締役のもと、本方針の浸透および人権尊重全般に関する取り組みを推進します。

② 戦略

 当社グループは、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権尊重の責任を果たすために人権デュー・ディリジェンスを実施することで、グループの事業活動による人権面での影響について説明責任を果たすよう努めていきます。

 さらに、人権デュー・ディリジェンスの結果をもとに、顕著な人権問題に対する取り組みに注力するよう努めます。さらには既存事業に加え、M&Aを実施した企業を含む事業会社を対象に、グループ各社の内部統制部門と連携しながら、リスクマネジメントの取り組みの一環として、事業活動で起こりうる人権に対する負の影響の整理・評価・対策を検討していきます。

③ リスク管理
<顕著な人権課題の特定>

 人権リスクを特定するにあたり、下記の対応ステップを通じて顕著な人権課題の特定を実施しております。

 ⅰ.人権課題の網羅的な把握

 国際的規範及び業界動向等から想定される重要な人権課題を網羅的に列挙の上、事業展開国・地域における人権課題の調査及び担当者へのヒヤリングを実施。上記を踏まえ、当社グループのバリューチェーン上でどのような人権課題が発生しうるか、候補リストを作成いたしました。

 ⅱ.重要度評価

 人権への負の影響(発生可能性及び深刻度)、当社グループ事業との関連性に基づき、過去及び将来的な発生可能性を考慮し、各人権課題に対して重要度を評価し、優先度を検討いたしました。

 ⅲ.顕著な人権課題の特定

  ⅱ.の重要性評価に基づき、サステナビリティ委員会で協議の上、顕著な人権課題を特定しております。

顕著な人権課題

特定された人権課題

各種指標

 

人権への負の影響を受ける可能性のあるライツホルダー

従業員

調達先

生活者

表現・情報発信

1.制作プロセスにおける表現の制約(従業員・調達先)

制作プロセスにおける表現の制約

2.表現および情報発信を起因とする差別など(生活者)

表現および情報発信を起因とする差別など

3.個人情報の流出、プライバシーの侵害(生活者)

個人情報の流出

プライバシーの侵害

労働

4.就業における差別、ハラスメント(従業員・調達先)

就業における差別やハラスメント

5.採用における差別(調達先)

採用における差別

6.過重労働・長時間労働/安全と健康(従業員・調達先)

過重労働・長時間労働/安全と健康

7.強制労働(調達先)

強制労働

8.児童労働(調達先)

児童労働

宗教

9.宗教の自由(従業員・調達先)

宗教の自由

<救済メカニズム(対応窓口)>

 当社グループでは、全役職員等に対して、企業内通報・相談窓口を設置しており、人権に関する通報や相談を極めて高い匿名性と秘匿性を確保した上で受け付け、人権侵害を受けた方が救済を受けられるように誠実に対応します。さらに、グループ各社における人権に対する負の影響の評価および対応を検討するため、企業内通報・相談窓口に届く人権侵害に関する通報件数および傾向を定期的に確認し、深刻な侵害につながる可能性のある事案に対しては対応策を議論し、グループコンプライアンス委員会への報告を行っています。

<ステークホルダーとの対話/情報開示>

 人権に関わる影響について、関連するステークホルダーとの対話と協議を通じて、適切な対応を行います。また、本方針に規定する取り組みを含む、人権尊重に対する活動の進捗および結果をコーポレートサイトにて情報開示することで、より積極的な取り組みを図ります。

<人権方針の周知浸透/教育>

 当社グループは、事業活動において本方針の実効性を高めるよう、全役職員等に対する本方針の浸透、周知徹底、および人権に関する理解を深める教育を実施します。また、現在行っている各種ハラスメントに関する研修、広告における表現リスク研修についてもいっそう強化していきます。

④ 指標と目標

 今後人権デューデリジェンスに基づきモニタリング指標や目標を検討してまいります。

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