他社比較

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書 貸借対照表(B/S)
  • 決算書 損益計算書(P/L)
  • 決算書 キャッシュフロー計算書(C/F)
  • 企業概要
  • 大株主
  • 役員
  • 就職・採用情報

星4つ 企業兼大株主三菱ケミカルグループ  企業概要

 当社グループは、各社において独自の研究開発活動を行っているほか、グループ会社間での技術や市場に関する緊密な情報交換や共同研究、研究開発業務の受委託等を通じて、相互に協力し、連携の強化を図るとともに、グループ外の会社等との間でも共同での研究開発を積極的に行うなど、新技術の開発や既存技術の改良に鋭意取り組んでおります。

 当社グループの研究開発人員は4,632名、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,495億円となっており、各事業部門別の研究内容、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 機能商品セグメント

 ポリマーズ&コンパウンズ、フィルムズ&モールディングマテリアルズ、アドバンストソリューションズに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

・5G等の次世代通信においては、従来の素材に比べ電波を損失させず通信に支障をきたさない新素材の開発が求められている中、高周波領域における伝送損失を軽減させたプリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム「New-IBUKI」の新グレード及び超低誘電フィルム「BeLight」を2022年6月に開発しました。

・独自の製膜技術と材料設計技術により開発した高感度圧電フィルムを用い、ヘルスセンシング㈱の技術と組み合わせることで、従来のベッドセンサでは実現できなかった睡眠の質の検知と心身のバランスの解析が可能な睡眠センサを2022年10月に開発しました。

・軽量で強度があり、透明性や成形加工性に優れる二軸延伸ポリスチレンシートについて、植物由来の樹脂添加剤を配合した二軸延伸ポリスチレンシートを2022年12月に開発しました。

 本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は308億円であります。

(2) ケミカルズセグメント

MMA、石化、炭素に関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

・自動車のテールランプ等に使用されているアクリル樹脂について、ケミカルリサイクルの事業化に向け、東京海上日動火災保険㈱及び㈱ABTと共同で、使用済自動車からアクリル樹脂を回収するスキームについての実証実験を2023年3月に開始しました。

 本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は110億円であります。

(3) 産業ガスセグメント

 産業ガスに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

・カーボンフリー燃料である水素ガスに注目し、工業炉分野でのCO2排出削減への貢献に取り組んでいます。日本電気硝子㈱と水素-酸素バーナを共同開発し、2022年4月、水素100%燃焼によるガラス溶融の実証試験に成功しました。大手自動車用鋳物メーカーと誘導炉向け水素-酸素バーナを2022年7月に共同開発しました。

・液化窒素式プログラムフリーザの新製品として、細胞凍結保存用バイアル(10cc)を最大 1,575本処理できる、庫内容量300Lの「クライオセルマスターTM」CM-300を2022年9月に商品化しました。

・石灰製造炉などの高濃度CO2排出源をターゲットとして、10t/日規模のCO2回収装置(回収CO2濃度98%)を2023年3月に開発・商品化しました。中小規模排出源(排ガス量1,000Nm3/hクラス)向けの装置であり、ユニット化して導入・設置が容易に行えます。

・導電性ペースト・インク用途向け表面改質銅ナノ粒子を2023年3月に開発しました。銅ナノ粒子が有機溶媒中に均一に分散するため、小型電子部品の電極薄膜やセラミック基板の微細配線を実現するための銅ペーストの製造に有効です。

 本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は35億円であります。

(4) ヘルスケアセグメント

 医薬品、ライフサイエンスに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

・エダラボン経口懸濁剤(開発コード:MT-1186)について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症として、2022年5月に米国(製品名:「RADICAVA ORS®」)で承認を取得しました。さらに、11月にカナダ(製品名:「RADICAVA® Oral Suspension」)、12月に日本(製品名:「ラジカット®内用懸濁液2.1%」)において承認を取得しました。エダラボンの投与経路はこれまで点滴静注に限られていましたが、本剤の承認により経口で服用できるため、注射による痛みや投与のための通院などALS患者さんの負担を軽減することが期待できます。

・「カナグル®錠100mg」(開発コード:TA-7284、一般名:カナグリフロジン水和物)について、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)の適応追加承認を日本において2022年6月に取得しました。今回の適応追加により、腎臓疾患に苦しんでいる患者さんのQOL向上に寄与していきます。

・一般財団法人阪大微生物病研究会(本部:大阪府吹田市)との共同開発による沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」について、2023年3月に、日本における製造販売承認を取得しました。接種回数の削減により、乳幼児及び保護者の負担を軽減することが期待できます。

・抗サイトメガロウイルス化学療法剤「バリキサ®ドライシロップ5000mg」(一般名:バルガンシクロビル塩酸塩)について、症候性先天性サイトメガロウイルス感染症の適応追加承認を日本において2023年3月に取得しました。同疾患の治療薬として世界で初めての承認であり、患者さんに新たな治療の選択肢を提供します。

本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は907億円であります。

(5) その他

 エンジニアリング等に関する研究開発を行っており、その他部門における当連結会計年度の研究開発費は2億円であります。

 上記のほか、研究開発費には、特定の事業部門に区分できない基礎研究に要した研究開発費が133億円あります。

PR
検索